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年末年始・お正月は温泉で癒されて。湯布院、嬉野、道後温泉で行くべき美人・美肌の湯3選【東西の湯宿めぐり 後編】

  • 2024.12.22

<湯布院>亀の井別荘 由布岳の麓から湧き出た無色透明の単純泉

趣のある茅葺きの門を入ると約1万坪の敷地が広がる。
趣のある茅葺きの門を入ると約1万坪の敷地が広がる。

日本全国には約27,900本もの源泉があり、実は47都道府県のすべてで温泉が楽しめる。日本はなんて恵まれた国だろう!そのうちの1万本以上が九州7県に集中し、なかでも大分県は別府や湯布院といった有名温泉地を抱え、5,090本もの源泉が集中する全国一の温泉県だ。そんな大分の中で一度は泊まってみたい憧れの宿といえば「亀の井別荘」だろう。湯布院御三家のひとつに数えられ、2ミシュランキーにも選出された名宿中の名宿だ。

2024年3月、離れの中では唯一の洋室タイプにリニューアルした「離れ5番館」。
2024年3月、離れの中では唯一の洋室タイプにリニューアルした「離れ5番館」。

由布岳と九重連山につながる樹齢200年を超える自然林に包まれた約1万坪の敷地に、6つの客室を有する本館と、すべて意匠の異なる11の独立した離れ、源泉かけ流しの大浴場や露天風呂、レストランなどが点在している。自慢の湯は、由布岳の麓からたっぷりと湧き出た無色透明の単純泉。神経痛や疲労回復の効果があるだけでなく、豊富に含まれた天然保湿成分のメタケイ酸が肌をしっとりとさせる、まさに美肌の湯。こんこんと湧き出る名湯を、客室の風呂や大浴場、露天風呂で、時間を気にせずに一晩中堪能できるとはまるで天国のようだ。

亀の井別荘を象徴する最上級の離れ「百番館」の源泉かけ流しの部屋風呂。
亀の井別荘を象徴する最上級の離れ「百番館」の源泉かけ流しの部屋風呂。

湯を満喫した後は、由布・九重の山々の恵みや豊後水道の海の幸など、鮮度にとことんこだわった選りすぐりの地元食材を、温かいものは温かく、冷たいものはひんやりと一皿ずつ。地酒やワインを合わせれば至福のディナーだ。庭内の「茶房 天井棧敷」は、江戸末期の造り酒屋を移築したレトロな喫茶室で、昼間はスイーツやコーヒーが楽しめ、夜にはノスタルジックな空気に包まれた「Bar山猫」へと変わり、上質な大人の時間を過ごすことができる。

湯布院産の野菜や山菜、豊後水道の魚介など地元の旬の食材をふんだんに取り入れた料理。
湯布院産の野菜や山菜、豊後水道の魚介など地元の旬の食材をふんだんに取り入れた料理。

亀の井別荘

大分県由布市湯布院町川上2633-1

Tel./0977-84-3166

料金/1人1泊53,900円~(2名1室利用・2食付)※2024年12月現在

https://www.kamenoi-bessou.jp/

<嬉野温泉>椎葉山荘 日本三大美肌の湯のひとつで1年の疲れを癒して

日帰り利用も可能な大浴場「しいばの湯」の野趣あふれる露天風呂。
日帰り利用も可能な大浴場「しいばの湯」の野趣あふれる露天風呂。

湯布院から西へ。西日本美人・美肌の湯めぐりの2つ目は、佐賀県の中でも長崎県との県境に位置する日本三大美肌の湯のひとつ、嬉野温泉だ。ナトリウム―炭酸水素塩・塩化物泉の湯は、角質化した皮膚を滑らかにし、潤いを与えてみずみずしい肌に蘇らせる。飲めば胃腸や肝臓等の機能を活性化させる効果もあるという、ありがたい湯だ。

宿泊者限定でのんびり浸かれる「山の湯」。源泉は中性でさらさらとした肌触りが特徴。
宿泊者限定でのんびり浸かれる「山の湯」。源泉は中性でさらさらとした肌触りが特徴。

そんな嬉野の温泉街で、大正14年より約100年の歴史を刻んできたのが「旅館 大正屋」。皇居新宮殿の基本設計を手がけた故・吉村順三が設計した本館は嬉野温泉を代表する老舗旅館だ。その本館から車で7、8分の椎葉山のふもとにある「椎葉山荘」は、深緑の森の中、聞こえてくるのはせせらぎと風の音だけという渓流沿いの一軒宿。嬉野一の広さを誇る大露天風呂「しいばの湯」では、自慢の美人の湯と森林浴を同時に味わえる。宿泊者専用の「山の湯」には、開放感たっぷりの露天風呂と、木の温もりを感じる屋内風呂があり、源泉かけ流しのとろけるような湯が身体全体を包み込み、1年の疲れを消し去ってくれるようだ。or 源泉かけ流しのとろけるような湯に包まれて、1年の疲れがスーッと消えていくようだ。

川から少し離れた客室棟にある10畳和室とツインベッドルームの和洋室。
川から少し離れた客室棟にある10畳和室とツインベッドルームの和洋室。
しいばの湯、山の湯、レストラン、客室が渓流に沿って点在する。
しいばの湯、山の湯、レストラン、客室が渓流に沿って点在する。

嬉野温泉 旅館 椎葉山荘

佐賀県嬉野市嬉野町大字岩屋川内乙1586

Tel./0954-42-3600

料金/1人1泊23,000円~(2名1室利用・2食付)※2024年12月現在

https://www.shiibasanso.com/

<道後温泉>道後温泉本館 タイムスリップ感が味わえる風情豊かな建造物も醍醐味

道後温泉のシンボル。築130年の風格を感じる本館。
道後温泉のシンボル。築130年の風格を感じる本館。

九州のお隣、四国を代表する温泉地といえば、古事記や万葉集にも登場し、日本最古といわれる道後温泉。なかでも公衆浴場で初めて国の重要文化財に指定された、道後温泉を代表する浴場が「道後温泉本館」だ。4つの建物が複雑に入り組み、独特の趣を持つ本館は、築130年を数える歴史的建造物としての見ごたえも十分で、タイムスリップ感が半端ない。映画『千と千尋の神隠し』の油屋のモデルになったと、宮崎駿監督も認めるところだ。

複雑な屋根構造を持つ本館は、城大工の坂本又八郎が手がけた日本を代表する温泉建築。
複雑な屋根構造を持つ本館は、城大工の坂本又八郎が手がけた日本を代表する温泉建築。

貴重な歴史遺産を修繕・保存するための大規模な工事が行われ、2024年7月に5年半ぶりに全館営業再開を果たしたばかりだ。外観や内部の意匠はできるかぎり形を変えずに、耐震性を強化。冷暖房を完備し、脱衣所にはゆったり使える洗面台も設置するなど、より快適に利用できるようになった。

本館屋上の振鷺閣に吊るされた「刻太鼓(ときだいこ)」は、環境省の「残したい日本の音百選」にも選ばれた。
本館屋上の振鷺閣に吊るされた「刻太鼓(ときだいこ)」は、環境省の「残したい日本の音百選」にも選ばれた。

道後温泉の18本の源泉から汲み上げられた湯は、「分湯場」と呼ばれる施設で混合されて適温に調整されてから、本館に届けられる。加水や加温をしない源泉100%。塩分をほとんど含まない軟質の湯で柔らかく、肌あたりはなめらか。ph9というかなりのアルカリ性で石鹸と同じ効果があり、皮膚の表面の不要な角質を取り去り、きめ細やかな肌を取り戻す美肌の湯なのだ。

別館の飛鳥乃湯泉。聖徳太子も訪れたという伝説が残る道後温泉にふさわしい飛鳥時代の建築様式を取り入れた。
別館の飛鳥乃湯泉。聖徳太子も訪れたという伝説が残る道後温泉にふさわしい飛鳥時代の建築様式を取り入れた。

道後温泉本館

愛媛県松山市道後湯之町5-6

Tel./089-921-5141

料金/神の湯階下(60分)大人700円・小人350円~(利用するコースによって料金が異なる)※2024年12月現在

https://dogo.jp/

Photos: Courtesy of Hotels Text: Yuka Kumano Editor: Mayumi Numao

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