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「結婚式は2人だけで。パーティーはゲストたちと盛大に」──式と披露宴を別日に行うという、新たなウエディングのかたち

  • 2024.12.22
Newlywed couple running down path

妻からプロポーズをされたとき、もちろん「イエス」と答えた。そして次の瞬間気づいた。プロポーズを受けたことには、結婚式について本格的に考えなければならないということを。

結婚式というものは、それはもうかなり大掛かりのイベントだ。その盛大さが魅力でもある。しかし、準備も相当に大変だ。友人との小旅行でさえ計画したこともないのに急にプランナーのような動きをしなければならないし、お財布事情は寂しくなる。テーブルセッティングや花といった会場装飾は死活問題になるし、お互い面識がない親戚や同僚や大学時代の友人が全員楽しめる式や披露宴にしなければならない。なのに肝心な本番はたった一日で終わり、いくら一生に一度の特別な「一日」といっても、準備に欠けた時間と労力と気力が釣り合わないような気がする。

そこで、結婚式と披露宴を別日に行うという選択肢が出てくる。英語では「Deconstructed wedding(“分解”されたウエディング)」ともいう。自分が思いついた呼び方かと思ったが、ざっと検索してみると、どうやらすでにある程度普及しているウエディングのスタイルだった。簡単にいうと、入籍日と挙式をわけるように、挙式と披露宴をそれぞれ違う日に開催するというスタイルだ。ポイントは、順序や期間に特に決まりはないということ。例えば私と妻の場合、一番仲の良い友人たち数人を連れ立って婚姻届を提出し、後日結婚式とハネムーンを兼ねて、スペインのイビザ島へと2人で飛んだ。そのさらに何週間か後に、ゲストを招いての大きなパーティーを開いた。なので、厳密にいうと一カ月にわたってウエディングを執り行ったことになる。傍から見たら、ささやかな式にしたいと思っていたわりには随分と仰々しいウエディングだ。

カップルの数だけ、結婚式のかたちがある

Runaway Bride

すべてを別日に行うことで準備に伴うストレスが随分と軽減され、さらに結婚式自体を私たちの望み通り、2人だけで挙げることができた。ただ、話を聞いた多くのカップルにとって、式と披露宴の開催日を別にするというのは折衷案だった。ある花嫁は、ロンドンでこじんまりとした結婚式を挙げ、その後、新郎の家族たっての希望でルーマニアのブカレストでより教義にのっとった式を執り行った。「ロンドンはいわば私たちのためのウエディングで、ルーマニアは彼の家族のためのウエディングでした」。また別の花嫁はラスベガス婚をしたが、後日家族のためにより伝統的な結婚式を挙げた。友人のベンはというと、別日に行う方が法的に楽だったことから、当時同性婚が認められたばかりのイギリスで入籍し、結婚パーティー自体は三日後に海外で行った。

なかには、ウエディングという楽しい時間を引き延ばしたいという理由で、別日開催を選ぶカップルもいる。「正直いうと、一日で終わらせたくなくて」と友人のマイケルは最近挙げた自身の結婚式について語った。同僚のミリーも似たような理由でロンドンで挙式し、その約一カ月後にスペインのマヨルカ島でウエルカムドリンクを行い、そのまた翌日にブラックタイのパーティーを開いた。要するに、息つく暇もないほどあれもこれも盛り込んだ一日を望んでいる人などいない。一生に一度の特別な一日だからこそ、最初から最後まで大切に過ごしたいのだ。「(ロンドンで挙げた式は)あくまでもお互いへの誓いを交わす日でした」とミリー。「一方でマヨルカ島で行ったブラックタイのイベントは、みんなで一緒に楽しむためのお祝いの席でした」

結局のところ、どのようなかたちで結婚式を挙げるかはそれぞれの自由だ。クラシックなウエディングドレスを着る必要もなければ、バージンロードを歩く必要もない。誰一人も招待しなくてもいい。自分の結婚を祝う特別な日なのだから、順序を真逆にしても、一年にわたって行っても、真夜中に式を挙げてもいいはずなのだ。

Text: Daisy Jones Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.CO.UK

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