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【冬の葉物野菜】春菊と水菜の豆知識を解説!名前の由来は?春菊と菊菜、水菜と壬生菜の違いは?

  • 2024.12.22

冬が旬!春菊と水菜にまつわる豆知識

どこまで知ってる?春菊と水菜にまつわる豆知識
どこまで知ってる?春菊と水菜にまつわる豆知識

冬に旬を迎える葉物野菜の代表が、春菊(しゅんぎく)と水菜(みずな)。春菊と水菜の違いは分かる!という人も、春菊と菊菜(きくな)の区別、水菜と壬生菜(みぶな)の違いは分かりにくいのではないでしょうか。この記事では、春菊と水菜にまつわる豆知識をご紹介したいと思います。

春菊の名前の由来

▲可憐な春菊の花。花が咲くと葉や茎はかたくなってしまいます。
▲可憐な春菊の花。花が咲くと葉や茎はかたくなってしまいます。

その香り高さから和のハーブと言っても良さそうな春菊ですが、意外にも原産は地中海沿岸地方。朝鮮半島などを経て室町時代に日本に伝わり、江戸時代に盛んに栽培されるようになったと考えられています。「春菊(しゅんぎく)」の名前は、秋に咲く菊に対して春に黄色の花を咲かせることから名付けられたとか。11月頃から3月頃が旬で、寒さが厳しくなるにつれ、香りも甘みもアップします。また、香りが強いものは味もしっかりしている傾向があります。

春菊と菊菜との違い

関西方面では「菊菜(きくな)」とも呼ばれ、栽培品種と見た目が「春菊」とは微妙に異なります。春菊は太い茎から葉が枝分かれしていて、菊菜は根っこ部分から株が横に張っている特徴があります。さらに、九州では「大葉春菊」と呼ばれる肉厚で葉の切れ込みが浅い品種も人気です。最近は、苦味の少ないサラダ用春菊も出回っています。

春菊の下ゆでポイント

▲冬の定番のおでんにも春菊を加えると彩りと栄養アップに。
▲冬の定番のおでんにも春菊を加えると彩りと栄養アップに。

春菊は日本料理に欠かせない食材の1つで、お浸しは副菜の代表例。春菊を下ゆでする際は、特に茎が太めの春菊の場合、あらかじめ茎と葉先を切り分け、茎はしっかり30秒程度、葉先はサッと10秒程度という具合に時間差でゆで、冷水にさらして水気をしっかり絞ってから味付けをすると風味を生かしやすいです。葉の部分は茹で過ぎると苦味が増すので注意しましょう。下ゆでした春菊は小分けにして冷凍保存すると、風味と食感をある程度キープできます。鍋焼きうどんやおでんの具材として凍ったまま加熱すればOKです。

水菜の名前の由来

▲水菜はアブラナ科で、菜の花に似た花が咲きます。
▲水菜はアブラナ科で、菜の花に似た花が咲きます。

水菜は古くから京都で盛んに栽培されていたため、「京菜(きょうな)」とも呼ばれています。「水菜(みずな)」の名前は、かつて肥料を使わず畑に水を引き入れて栽培していたことが由来とか。近年はハウスでの水耕栽培が盛んになり通年手に入りやすくなりましたが、本来の旬は冬。露地栽培ものの水菜は味が濃く、茎の張りや風味も強め。京都では「水菜が並び始めると冬本番」と言われているほど、寒い時期に味が良くなります。

水菜と壬生菜の違い

関東地方ではなじみが薄いかも知れませんが、水菜とよく似ている「壬生菜(みぶな)」があります。その名の通り、京都の壬生付近が原産で京菜から分かれた品種です。見た目の違いは、水菜は葉がギザギザしていて、壬生菜は平たくて丸みのある葉の形をしていること。風味は水菜よりも壬生菜の方が強めで、京都の冬の名物でもある千枚漬けに壬生菜の浅漬けがよく添えられています。冬の京都へ観光などで出掛けた際に出会ったら、ぜひ食べてみてください。

水菜の下ごしらえポイント

▲露地栽培の水菜は根元の土に気をつけて下ごしらえしましょう。
▲露地栽培の水菜は根元の土に気をつけて下ごしらえしましょう。

水菜のシャキシャキとした歯応えは生でも加熱しても楽しめますが、露地栽培ものは根元に土が入り込んでいることがあるので、下ごしらえを丁寧に。根元を切り落とし(または十字の切り込みを入れ)、水を張ったボウルなどでしっかりとゆすって洗い落とすようにしましょう。煮浸しなど加熱調理するときは、持ち味である食感を失わないようサッと短時間で仕上げるのがポイント。サラダなど生食する場合は葉先の方を主に使うようにして手で折るように分け、軽く塩もみすると口当たりが良くなります。なお、水菜を冷凍保存する場合は生のままがおすすめ。キッチンペーパーなどで水気を拭き取り、食べやすい長さに切って冷凍保存を。水分が多いため、シャキシャキの食感は薄れてしまいますが、味噌汁の具などに凍ったまま使えて便利です。

※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009

(野村ゆき)

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