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【思考をキレイにする旅の仕方(449)】単線の時間を楽しむ

  • 2024.12.21

平日の昼間だからでしょうか。

それとも始発駅だからでしょうか。

山口県は錦町駅に停まっている車両には私を含め、乗客2名だけ。

4名がけのボックス席を1名ずつで広々と使っています。

終点の岩国駅まで約1時間。

備え付けのテーブルの上に缶コーヒーを置いたのですが、その隣にワンカップの日本酒も置きました。

先ほどまで散歩していた酒蔵で土産用に購入したのです。

近年、在来線の車内で飲酒することに抵抗を憶えることが多くなりました。

しかし、乗客が少なそうな時は、車窓をつまみにちびちび酒を飲む時間は今も健在です。

定刻になり、車内アナウンスが流れ、電車が出発しました。

車窓から錦川の清流が見え始めたところで、ワンカップの蓋をとり、

瓶の口に顔を近づけ、穀物独特のふくよかな香りをふわっと感じながら一口すすります。

ホテルの駐車場に車を停めてきて正解でした。

自由気ままに運転して移動することも好きですが、ひとり旅で、じっくり車窓を楽しむためには公共交通機関の方がいい。

気になった風景に出会えば、見えなくなるまで目で追いかけ、ずっと眺めていられるから。

また車窓に合いそうな音楽を選んで聴くなどといった楽しみもあります。

単線の心地よい震動に、いつしかうとうと居眠りしていました。

至福の昼寝です。<text:イシコ>

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