1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 「熱が下がったので連れてきました」はダメ!?実は保育士が困っている保護者の対応4つ

「熱が下がったので連れてきました」はダメ!?実は保育士が困っている保護者の対応4つ

  • 2024.12.23

保育士の中田馨さんが、実は困っている体調不良時の保護者の対応について教えてくれました。

こんにちは、保育士の中田馨です。季節の変わり目などは、子どもは体調不良になりやすいですよね。今回は、子どもの体調不良時の対応でちょっと困ったことをお話しします。

体調不良でも保育園に伝えない

機嫌よく元気に保育園に通っているときはいいのですが、体調不良のときに仕事があると困ってしまいますよね。保育園によって違うと思いますが、例えば、私の保育園では熱のボーダーラインは38度です。登園時に38度の熱があると受け入れができません。そのほか、熱はなくても下痢や嘔吐があるなど、普段と様子が明らかに違う場合は受け入れることができません。


例えば、朝起きてお子さんの様子を見て「熱はないけど、いつもと少し様子が違うかも」と感じる親の直感は正解であることが多いです。もし、お仕事を休めるなら保育園も休んで自宅でゆっくりするほうがいい場合もあります。でも、なかなか仕事を休めない場合もありますよね。そんなときは必ず「いつもと様子が違う」ということを保育士に伝えてください。

そのことを伝えてもらうだけで、保育士はとっても助かります。なぜなら、外遊びは控えて室内でゆったり過ごすなど、その日のその子の生活が変わるからです。

病気が治りきらないうちに登園する

高熱が出たあとや激しい下痢や嘔吐があったあとなど、病み上がりの場合は体調がよくなるまで自宅療養するほうが、お子さんに負担がかかりません。私は20年以上保育士として働いてきましたが、前日の夜中に解熱剤を服用して熱を下げ、「熱が下がったので、今日は連れてきました」という事例に何度も出会ってきました。しかし、登園後子どもたちの多くが再度発熱していました。また、発熱はしなくても、その日1日機嫌が悪くてグズグズしていることが多かったです。


病気が治りきらないうちに、保育所に無理して行き、病気をこじらせてしまったということもありました。なかなか仕事は休みにくいと思いますが、お子さんのためにも、保育園に通っている他のお友だちにうつさないためにも、体調がよくなってから保育園に登園しましょう。

ちなみにですが、私自身の子どもが体調不良時に目安にしているのは、「平熱に下がってから24時間経過後に登園(登校)する」です。この目安で登園すると、熱をぶり返すことはありませんでした。

急変時になかなかお迎えに来ない

朝は元気に登園したけど、保育園で生活しているときに発熱や下痢、嘔吐など引き起こす場合があります。保育園の職員に看護師がいたり、病児保育施設があったりする場合もありますが、多くの保育園に看護師はいません。

保育士は保育の専門家ですが、病気の専門家ではありません。病気の子がゆっくりできる部屋がない保育園もあるでしょう。お子さんが体調不良になった際、保育園から連絡が入ったら、早めにお迎えに来てください。稀にあるのは、体調不良で職場に連絡をすると親御さんが仕事をお休みしていて、なかなか連絡がつかないということ。仕事がお休みの日は、登園時に伝えるとこも緊急時対応にはとても大切なことですね。

家族が感染症にかかったことを伝えない

新型コロナウイルスはもちろん、インフルエンザ、水ぼうそう、はしかなどの感染症に家族がかかった場合は必ず保育園に伝えてください。感染症の種類によっては、子どもも登園ができないものもあります。感染症にはそれぞれ潜伏期間がありますので、伝えてもらえると、早期発見ができることもあります。また、保育園での感染拡大を防ぐためにも、感染症にかかったらその人が保育園の送り迎えをするのは控えましょう。

以前、私の保育園であった事例です。保育園で発熱のあった男の子がいました。保護者に早めのお迎えをお願いすると、「2週間前にお兄ちゃんが水ぼうそうになったので、水ぼうそうかもしれません」と言われました。それまでの2週間、保護者といろいろな話をしてきたのに、その話題になったことがなかったのでびっくりしました。結果的に、その男の子は水ぼうそうにかかっていましたが、幸い他の子どもたちに感染することはありませんでした。でも、あらかじめ知らせてもらっていたら、発熱前や発熱後の保育園の対応が違ったのではと感じています。


体調不良のときは、本人のためにも保育園に来ている他のお友だちのためにも、親が勇気をもって「休む」という判断をしていただく必要があることもあります。子どもたちみんなが、元気に登園してもらうためにも心がけてくださったらうれしいです。

作画:はたこ


著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨

0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。

ベビーカレンダー編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる