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齊藤工が撮った池田エライザと清水尋也の異彩。

  • 2024.12.22

大勢の人がいても、見回した時に「その人」のところで目が留まる。他の人とは違う輝きを持つ、異彩を放つ人物とはそういうものだ。池田エライザと清水尋也、このふたりも異彩を放っている。歩く時の所作、ふとした時の表情などに人目を引く、ある種の美学がないと、世界中から注目されるラグジュアリーメゾンがキャスティングしたり、ファッション誌のモデルとして登場することを求められたりしないだろう。華があるのに個性もある。そういう魅力を持ったふたりだ。

実際、フィガロジャポン本誌でも過去に池田エライザに表紙を飾ってもらったことがあり、madameFIGARO.jpでは清水尋也が出演するショートフィルムを公開したこともある。いずれも、モード界では誰もが憧れるスーパーブランドが関わる件だった。

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2024年秋、神奈川のスタジオにて撮影。以下同。

「エライザさんは本読みの時から素晴らしい端島音頭を唄って下さり、一瞬でその空間を"あの頃の端島"にしてくれました。隣で鳥肌が立っていました。清水さんは、新たな時代の邦画のインディーズとメジャーの架け橋、アイコン的な方で、どんな時代にも世界観にもその佇まいは圧倒的な存在感なのですが、おふたりとも、徹底的に台本や現場と向き合い、葛藤されながら役を生きていらっしゃった印象です。その姿勢を間近で見て、背筋が伸びました」(齊藤)

2024年12月22日(日)に最終回を迎える『海に眠るダイヤモンド』では、島に現れた素性の知れない女性を池田エライザは演じ、清水尋也は主人公たちの幼なじみでありながら、どこかしら自分自身を島の異物として感じている炭鉱長の息子役だ。物語が進行していくうえで中心人物の心情だけでは奥行が表現しきれないところを、ふたりが魅せる「居心地がしっくりこない異物としての感情」がドラマのアクセントとなり、舞台である端島(軍艦島)の青春群像がいっそう鮮やかになっていた。

「清水さん演じる賢将が土屋太鳳さんの百合子と寄り添い、父親と折り合いを付け、親友鉄平と共に端島の未来を信じ、自分の役割りを不器用ながら邁進する姿には泣きそうになります。荒木家の人間として、賢将は家族だと思っています。実は映ってはいなくても、各シーンでスキンシップしていて、特に7話では『端島を託したぞ』と言うバトンを渡して来ました。一島一家。もう一人の頼もしい弟と思わせてくれた清水さんに心から感謝しています。そして、エライザさんが徹頭徹尾、光と陰を注いでくれたリナでなければ、自分が演じた進平の心が解き放たれることはなかったと思っています。それぞれが抱えて来た十字架が何処となく重なり、共鳴し、闇に輝く光に向かえました。いまは一視聴者としても荒木リナと誠、端島の皆さんの幸せを願うばかりです」(齊藤)

「海に眠るダイヤモンド」は、日本の昭和史と、そこから続く個々の人々の人生が、現代と対比されながらヴィヴィッドに描かれていて観る人を引き込む。展開が気になって仕方ないし、同じような時代を生きてこなかった視聴者までも、それぞれの人物に共感したり共鳴したりしながら、どぎまぎして次回を楽しみにしてきたに違いない。最終回を迎えるのはさみしいけれど、再びこのような素晴らしいドラマに巡り合うことを願うばかり。

そして、「異彩」の意味をあらためて考えさせてくれたふたりの若き俳優たちの、これからの出演作品も楽しみだ。 

池田エライザ/ELAIZA IKEDA
1996年4月16日生まれ、福岡県出身。2011年『高校デビュー』で映画初出演。『夏、至るころ』(20年)では映画監督にも挑戦した。21年からELAIZAの名前で音楽活動もスタート。近作ではNetflixドラマ「地面師たち」に出演。主演を務めたドラマ「舟を編む~私、辞書つくります~」(NHK BS)が東京ドラマアウォード2024で作品賞を受賞。

清水尋也/HIROYA SHIMIZU
1999年6月9日生まれ、東京都出身。主な出演作に映画『渇き。』(2014年)、『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(15年)、『ちはやふる 上の句・下の句/結び』(16年、18年)、『ホットギミック ガールミーツボーイ』(19年)、『さがす』(22年)、「東京リベンジャーズ」シリーズ(21年、23年)、『リボルバー・リリー』(23年)、配信ドラマ「幽☆遊☆白書」(23年)、ドラマ「Eye Love You」(24年)など。現在、Amazon Originalドラマ「No Activity Season2」が独占配信中、映画『オアシス』が公開中。

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齊藤工/TAKUMI SAITOH
12月22日に最終回を迎えるTBS日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」にて池田エライザ、清水尋也と共演。企画・プロデュースした12月20日公開の児童養護施設のドキュメンタリー映画『大きな家』に続き、ハリウッド映画『ボクがにんげんだったとき/When I was ahuman』のエグゼクティブプロデューサーも務める。

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