ボレートは、イタリア北部のフリウリの郷土料理でオリーブオイルを使わず、ビネガーで煮るのが特徴です。真っ黒に焦がしたにんにくがポイント!現地では白ポレンタを添えますが、ご飯やパンもよく合います。人気の出張料理人岸本恵理子さんに気どらないふだんの料理を教えてもらいました。
■“ボレート”のつくり方
◇材料 (4人分)
さば:小1尾
いか:1杯
にんにく:2片
ワインビネガー:50ml
油:大さじ2〜3(ひまわり油やピーナッツ油)
塩:適量
黒胡椒:適量
(1)さばといかをさばく
さばは頭と内臓を取り、3〜4等分の筒切りにする。いかは内臓ごと足を引き抜く。胴は軟骨を取り除いて幅3cmの輪切りにする。足は内臓を切り落としてくちばしを取り除き、食べやすい大きさに切り分ける。さばといかをバットに並べ、上から塩少々をふる。
(2)にんにくを焦がす
深さのあるフライパンに油を入れて強火にかけ、皮をむいたにんにくを入れ、鍋を傾けてオイルに浸しながら真っ黒になるまで焦がす。
(3)さばを焼く
鍋を傾けてオイルを奥に流し、手前にさばを塩をふった面を下にして入れ、上に塩少々をふる。鍋を平らに戻し、さばを焼き付ける。油が飛びやすいので、さばを裏に返すときもまた鍋を傾けてオイルを逃し、返したらまた塩をそれぞれにふり、鍋を平らに戻す。
(4)ビネガーを加える
ワインビネガーと水100mlを鍋肌から少しずつ入れる。徐々に汁気が乳化し、水分が減ってきたら味をみて、足りなければ塩で調える。酸味が強すぎたら水を足す。
(5)仕上げ
さばに火が通ったらいかを加え、さらに加熱する。いかに火が通ったら、胡椒を多めにふる。
――教える人
「岸本恵理子」
イタリアの伝統料理を軸に出張料理人として活動。個人宅や各地イベントでの料理のほか、雑誌へのレシピ提供や映画の料理制作など、食に関わる仕事全般を手がけている。厳選した材料でつくるフォンダンショコラなどの菓子も人気。自然派ワインにも精通している。
この記事は『四季dancyu 2023 秋』に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:宮濱祐美子