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171・三角連絡法…非常時の連絡方法にチャレンジ

  • 2024.12.26
防災ニッポン

災害用伝言サービス(171)や三角連絡法など、災害時に電話が繋がりにくくなったときに役立つ連絡方法について、防災ニッポンではこれまでも紹介してきました。やり方はなんとなくわかるけど、実際に使ったことはなかったわが家。実際に子どもと一緒に試してみました。

災害時の代表的な連絡方法

災害時の代表的な連絡法として、災害用伝言ダイヤル(171)、災害用伝言板、三角連絡法の3つを紹介します。

災害用伝言ダイヤル(171)

災害用伝言ダイヤルはNTT東日本、NTT西日本が提供するサービスです。音声メッセージの録音・再生が可能です。
被災地の固定電話、携帯電話などの番号を宛先にして、音声メッセージを登録します。

(1)「171」にダイヤル
(2)録音の場合「1」、再生の場合は「2」を押す
(3)連絡を取りたい人の電話番号を入力(市外局番から)
(4)録音(30秒以内)、もしくは再生

災害用伝言板

災害用伝言板は携帯電話キャリア各社が提供する、文字で伝言を登録・確認できるサービスです。伝言を登録できるのは被災地域内の携帯電話やスマートフォンに限られ、伝言の閲覧は地域外からも可能です。パソコン、タブレットからも閲覧できます。
伝言の登録は契約しているキャリアの伝言板を利用します。

三角連絡法

災害時は、被災地内の人同士の通話、被災地域外から被災地域内への架電がつながりにくくなることがあります。そんなときに便利なのが三角連絡法です。
被災地域外に住む親類や知人に伝言を預けることでやり取りをする方法です。例えば、関東圏に住んでいるなら、関西圏に住む知人を中継地点に指定し、その知人を経由して伝言のやり取りをします。

171にチャレンジ

毎月1日と15日、正月三が日などに体験利用できます。体験利用できる日に家族でメッセージを残す・メッセージを聞く手順を確認しながらやってみました。

防災ニッポン

171は被災地の人の電話番号に紐づいてメッセージが登録・再生できる仕組みです。家族間でどの電話番号にメッセージを残すかを事前に決めておくことをおすすめします。
今回は私の電話番号を使用することにしました。私の電話番号宛てに、私を含む家族全員が安否を報告します。私の電話番号宛てのメッセージを再生すると、家族全員の安否が確認できるようになります。

メッセージの登録

まずは、メッセージの登録をしてみます。
171をダイヤルし、音声ガイダンスに従い、今回は伝言の登録なので「1」をプッシュしたあと、電話番号(今回は私の番号)を入力します。
メッセージを話し、話し終えたらガイダンスどおり「9」をプッシュ。
確認のために一度登録した伝言が再生されて終了します。録音のやり直しも可能です。
私の電話番号宛てに夫と子どもにも伝言を録音してもらいました。

ガイダンスどおりに進めればよいので、大人は迷うことなく操作できました。「171」の番号さえ覚えていればスムーズに利用できそうです。
しかし、どんなメッセージを残せばよいか慌ててしまいました。録音は30秒間なので、手短に自分の状況とこれからどうするかなど、言うことをまとめてから利用するのがよさそうです。

小学校低学年の子どもはまだ自分の端末を持っていないので、操作に手こずってしまい、自動音声にも緊張していたようです。非常時に使うのは難しそうだと感じました。

防災ニッポン

メッセージの再生

次に、メッセージを再生してみます。
171をダイヤルし、今回は再生なので「2」をプッシュしたあと、電話番号(今回は私の番号)を入力します。
先ほど登録した家族3人分のメッセージが続けて再生されました。繰り返し再生することも可能です。

171を家族間の安否確認に利用する場合、使用する電話番号をあらかじめ決めておくことがポイントです。私は夫の番号宛てに伝言を残し、夫は家の固定電話宛てに伝言を残し、子どもは私宛に伝言を残し…とバラバラにやっていると、メッセージを確認しなければいけない番号が増えて時間がかかってしまいます。「災害時はこの番号で全員が安否を報告し合う」というのは、日ごろから家族間で話し合っておきましょう。

三角連絡法にチャレンジ

遠方の親類に協力してもらい、手順を確認しながらやってみます。

防災ニッポン

まずは遠方に住む私の母に、「三角連絡法の中継役になってほしい」とお願いします。三角連絡法の概要を伝え、そちらで災害が起きたら私が中継役になるからね、と話しました。あまり災害について話し合うことが無かったので良いきっかけになりました。

最初に子どもが私の母に電話をかけ、伝言を残します。
次に夫が私の母に電話をし、子どもが残した伝言を受け取ります。
今回は、遊びも兼ねて子どもには「今日食べたいおやつ」を伝言として伝えてもらいました。今日食べたいのはドーナッツとのこと。しっかり伝えられました!

とてもシンプルな方法なので、小さい子どもにとっては171よりわかりやすいと思いました。今回は祖母と通話したので171の音声ガイダンスと比べるとリラックスして話ができたようです。子どもが利用するなら、わが家は171より三角連絡法のほうが良いと思いました。

災害用伝言板にチャレンジ

こちらも171と同じく毎月1日と15日、正月三が日などに体験利用が可能です。
今回は私が契約中の楽天モバイルで試してみました。

まずは「災害用伝言板」のページにアクセスします。災害時の伝言板サービス提供中にはトップページに案内が表示されますが、今回は「楽天モバイル_災害用伝言板」とウェブ検索しました。
「利用する」のボタンをタップして、楽天モバイルのIDとパスワードを入力してログインします。

防災ニッポン

案内に従って登録します。コメントは100文字まで登録可能です。

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防災ニッポン

登録した伝言を閲覧するには、登録した人(今回は私)の電話番号を入力して検索します。
この検索機能は、各社の伝言板を横断して検索ができます。
ドコモと契約している人の伝言を閲覧したい場合でも、ドコモのウェブサイトを訪問する必要はなく、自分が契約しているキャリアの伝言板から検索をします。伝言の登録でも閲覧でも、自分が契約しているキャリアの伝言板だけを利用すればOKです。

画面もシンプルで、案内どおりに入力するだけだったので操作は簡単でした。

会社によっては、事前に登録したメールアドレスにメッセージを自動で送信する機能もあるようです。詳しくは、利用している携帯電話会社のウェブサイトで確認してください。

今から準備できること

災害時に家族とスムーズに連絡を取り合うために、今から何が準備できるでしょうか。
まずは家族の間でどんな連絡方法があるのか話し合ってみましょう。

緊急時の連絡方法、第一選択は?

災害時に携帯電話を紛失してしまい、何日も家族と連絡が取れなかったという体験談を聞いたことがあります。インターネットを利用できる状況なのか、電話はできるのか、被災時にどのような状況なのかはわかりません。
1番目の方法ができなければ2番目、3番目…と連絡方法には優先順位をつけておくと良いでしょう。
今回こちらの記事で紹介した方法以外にも、LINEなどのメッセージアプリやSNSのメッセージ機能なども有効な手段です。家族で話し合って連絡方法の優先順位を確認し合いましょう。

緊急連絡先を紙に書いて携帯しよう

防災ニッポン

171を使う際にも、災害用伝言板を使う際にも、連絡を取りたい相手の電話番号を入力する必要があります。家族の電話番号はスマホに入っていて記憶していないという人は、スマホの充電が切れたり紛失してしまったりしたときに、連絡が取れず困ってしまいます。
家族や大切な人の電話番号は紙に書いて携帯するのを強くおすすめします。普段から防災ポーチや財布の中などに入れて備えましょう。

まとめ

離れ離れの家族と安否確認ができないと、とても不安になります。災害時の環境でもできるだけスムーズに連絡が取れるように、どんな方法で連絡を取るかまずは家族で話し合ってみてください。実際に試してみるところまでやってみると安心です。

まもなくやってくる正月三が日は171や災害用伝言板が体験利用できるので、ぜひ家族で試してみてほしいと思います。

<執筆者プロフィル>
シマサキアヤ
フリーランスライター

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