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【博多区】進化を続ける日本茶を思う存分愉しむ SABOE HAKATA

  • 2025.1.4

皆さん、こんにちは。リビングふくおか・北九州Web地域特派員のkurinaです。今回は 2024年11月3日(日・祝)に福岡市博多区御供所町(博多旧市街)にオープンした日本茶専門店「SABOE HAKATA」をご紹介します。

「SABOE HAKATA」は1階に売店、2階に茶房が併設されているお店で、前回ご紹介した「BASE GALLERY HAKATA」とは別棟でありながら回廊で繋がっているというとても面白い構造になっています。 場所は「大博通り」沿い西鉄バス「奥の堂」バス停から徒歩1分、石畳風の「奥の堂通り」を聖福寺に向かって歩みを進めるとひと際白がきわ立つ建物を左側に見ることができます。その真白の建物が「SABOE HAKATA」です。

近隣には栄西(ようさい)禅師によって日本に初めて持ち帰られた茶樹が佇む聖福寺(しょうふくじ)、宋から「饅頭」「うどん」「そば」などの製法を持ち帰り粉食文化を広めたことで知られる聖一国師(しょういちこくし)を招いて開山された承天寺(じょうてんじ)が存立しており、歴史的背景からも「お茶」と「お茶菓子」にとても造詣の深い場所に「SABOE HAKATA」は位置しています。まさに在るべき場所にあるお店!という感じがしますよね(^^♪

出典:リビングふくおか・北九州Web

すべてがバージョンアップしてました!!!

1階の売店では日本茶は勿論のことお茶菓子から茶器に至るまで取り揃えられているのですが、その商品全てにおいて私が日本茶や茶器として想定していた概念を大きく超えた商品ばかりで、只々驚いてしまいました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

まずは日本茶の特徴をとらえた独自の製法による10種類のブレンド茶「T., Collection」です。朝目覚めてから就寝までの時間それぞれにおいてお勧めのブレンド茶があり、起床後すぐの時間帯(7:00頃)のブレンド茶には1の番号が振られています。(※番号とは別にそれぞれブレンド茶には名称があります。) 就寝前にお勧めの「10 豊 Ho」はカフェインレスで、「5 紅 Beni」以降はカフェイン含有量が少なくなっていくそうです。 「1 果 Ka」から「4 蒸 Jo」までが煎茶ベースのブレンド茶で、「5 紅 Beni」が紅茶ベース、「6 熟 Juku」・「7 酵 Moto」が番茶ベース、「8 香 Ko」・「9 焙 Bai」が焙じ茶ベース、「10 豊 Ho」は大麦やとうもろこしなど穀物や薬草がブレンドされています。

私は幸いなことに取材前に「1 果 Ka」と「5 紅 Beni」を頂いたことがあり取材日には「2 煎 Sen」をいただいたのですが、「1 果 Ka」に関してはそのフルーティーで爽やかな香りを今でも思い出せるくらいに香りが立っていました。ちなみに「1 果 Ka」は煎茶に柚子と黒文字がブレンドされています。まさに目覚めの一服に最適なすっきりとした味わいと爽やかな香りでした(^^♪

そもそも日本茶に果実や穀物をブレンドするという発想も面白いし、時間帯(その時の体の状態)に合わせたお茶を提案してもらえるというのは何だかちょっとしたオーダーメイド感覚で特別感があるし、嬉しくなりますよね!

出典:リビングふくおか・北九州Web

お茶は購入前に利き酒ならぬ利き茶(試飲)をすることができるそうなので、初めてのブレンド茶の中からでも好みの一品を購入することができるようになっています。茶葉の香りをあらかじめ確認することもできるので、選ぶことそれ自体も楽しめますよね!

出典:リビングふくおか・北九州Web

取材終了後にT., Collectionを購入したのですが、T., Collectionは蓋付きの湯呑の形をしたパッケージに収納された状態で販売されています。 こちらのお店ではお茶をテイクアウトできるのですがその時にこのパッケージが湯呑として使用されています。なんと紙製で、最終的には土に還る大変ecoな湯呑なんです。 紙製なので本来は一度きりの使い切りだそうですが、実はわたくし家で3度使いました。というか使えました(^^♪

この湯呑、紙製なのにとても薄くて持ちやすく吸い口が滑らかなんです。80度くらいの温度であれば熱さを感じることなく持つことができます。 この湯呑が作られるまでにどれだけの労力が費やされたのだろうか?と思わず考えてしまうくらいに計算されつくした湯呑です。ほんと~にすごい!!!

※上記写真の湯呑はT., Collectionのパッケージに漆を塗って仕上げたもので、一生ものとして使えるそうですよ!!持たせていただいたのですが素材が紙ということもあり驚くほど軽量でした。

出典:リビングふくおか・北九州Web

こちらは蓋に茶こしがついている茶器なのですがなんとこの茶こし、マグネットで蓋に付いているんです。 こちらの茶器で淹れたお茶をそのまま湯呑に注ぐことができるよう、この仕様にしたそうです。 この工夫のおかげで煩わしい茶葉の後始末も随分と楽になりそうです。本当に発想が面白いですよね~!

出典:リビングふくおか・北九州Web

こちらはお店で実際に蒸している甘酒饅頭、お値段一個200円(税込み)。甘酒のほのかな香りがして、なかの小豆も甘すぎずとても優しいお味でした。 私は取材終了後に2個購入して持ち帰り家でいただいたのですが、肉まん方式でほんのちょっとだけ水をたらしてレンジ(500W)で30秒温めてみたところ、ふわっとして美味しかったですよ!もちろん蒸したてには及ばないのでしょうが、テイクアウトして温めなおしても十分美味しくいただくことができました。

様式美にふれて・・・

2階は茶房になっており、なんとお店のご厚意で「一服一煎の小茶会」をいただけることに・・・お店の一押しメニューとのことなのですが、アフタヌーンティー又はコース料理を彷彿とさせるお品書きの内容にちょっと恐縮してしまいました(^^♪ ですがせっかくのご厚意ですのでしっかりと皆さんにリポートさせていただきますね!!!

出典:リビングふくおか・北九州Web

こちらが2階店内の様子です。8席と席数は決して多くはありませんが、ゆったりとしたサイズの椅子のおかげで一人分のスペースが広めに確保されており圧迫感を感じません。 御供所町(博多旧市街)「奥の堂通り」にお店が面しており、こちらは以前「BASE GALLERY HAKATA」をご紹介した際にもお伝えしましたが、博多の中心部とは思えないほど静かなエリアなので、あえてBGMは流されていないそうです。 取材中私のお相手をしてくださったスタッフの森岡さんも「ここでは、ゆったりとした時間を過ごしていただきたいんです。」と仰っていました。確かにお茶をいただくことに集中できる空間になっています。

出典:リビングふくおか・北九州Web

テーブルにはむくの木が使用されているそうです。柄杓のサイズも大・中・小と3サイズありそれぞれ煎茶用・抹茶用・玉露用と使い分けているそうです。 四角い柄杓は見たことがなかったのですが、注がれるお湯の流れが美しく見えるように(急須に向かってお湯が一直線に流れるように)注ぎ口にもちょっとした鋭角の切込みが入っていました。道具の細部に至るまで本当にこだわりを感じます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

着席早々このおしぼりとお品書きが出されたのですが、このおしぼりの形とても可愛いと思いませんか(^^♪ 今まで考えたこともなかったのですが、おしぼりに高さを出すという工夫のおかげで手に取り易くなっています。ありとあらゆるところに施された配慮に感服です!

出典:リビングふくおか・北九州Web

「一服一煎の小茶会」は上記「T., Collection」の中からお茶を選ぶことからはじまります。かなり悩みましたが、私は「2 煎 Sen」を選びました。おそらく私がよく飲食店や実家で飲んでいる煎茶のイメージに一番近く、淹れ方や茶葉の違いでどれくらい味が変わるのかを確かめてみたい!という思いもあり選びました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「主菓子」も選ぶことができるんですよ!季節に合わせたお菓子が取り揃えられていました。私は左下の焦蜜羊羹をいただくことに。この焦蜜羊羹は1階でも購入できるんですよ~♬

出典:リビングふくおか・北九州Web

こちらは「一献茶(いっこんちゃ)」と「水菓子」のシャインマスカットです。「一服一煎の小茶会」はじまりの一服です。「一献茶」に使用されているのは八女の伝統本玉露。伝統本玉露と日田の天領水を使ってなんと8時間かけて抽出した(水出し)お茶なんです。 写真ではわかりづらいかもしれませんが、と~っても澄んだきれいな緑色のお茶でした。もはや透明に近い感じで・・・お味は、えっ!これお茶ですか?と何度も森岡さんにお尋ねするぐらい何と言ったら良いのか・・・お茶のお出汁を飲んでいるようでした。お茶の旨味がギュッ!と凝縮されていました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

スタッフの森岡三保子さん

「一献茶」と「水菓子」のあとにいよいよ私が「T., Collection」から選んだ「2 煎 Sen」のお茶を淹れていただくことに。静かな店内でお湯が流れる音を聞きながら、いつの間にか森岡さんの所作に目が釘付けになっていたのでした!

出典:リビングふくおか・北九州Web

最後の一滴の落ちる様があまりにも美しくて思わず写真を撮っていました。室内の静けさの中で一滴の波紋の広がる様子はとても美しく、見ているだけでとても心が和みました!!

出典:リビングふくおか・北九州Web

私が選んだ「2 煎 Sen」のお茶の一煎目と「主菓子」の焦蜜羊羹です。 2番のお茶は宮崎県産の茶葉が使用されているそうですが、渋みも苦味も雑味も一切ない、とにかくまろやかな味わいでした。香りもスッと鼻の奥に優しく広がり、気持ちがとても和らぐ柔らかい香りで、日本茶ってこんなに美味しかったんだなぁ~とつくづく感心した一服でした。 焦蜜羊羹は焦がした砂糖蜜が使用されているそうですが小豆の味を生かしたさっぱりとした甘さで、まろやかな一煎目のお茶ととても良く合っていました。ほっとするおいしさでした(^^♪

出典:リビングふくおか・北九州Web

上記写真は二煎目なのですが色の違いにお気づきいただけるでしょうか? 一煎目よりちょっとだけ黄みが強めの色をしているのですがとても鮮やかな色で綺麗でしたよ! 香りも一煎目よりちょっと強めに香っていましたが、なんだか懐かしさを覚える香りでした(^^♪ 「一服一煎の小茶会」では、選んだお茶は二煎目までいただけます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

二煎目と一緒にいただいたお茶菓子は「棗(なつめ)バター」というお茶菓子でこの「棗バター」は店頭で購入できる商品です。 棗椰子に発酵バターが挟んでありクルミが載っているこのお茶菓子。あ~っという間に口の中に溶けていきました。ちょっと渋みの効いた二煎目のお茶に絶妙にマッチする組み合わせでほんと~に美味でした!!

出典:リビングふくおか・北九州Web

続いて番茶(「季節のブレンド茶」)をいただくことに。茶葉は熟成番茶といり番茶が使用されています。こちらの番茶は店頭購入ができない商品で、茶房でしか味わえないそうです。 この番茶の何がすごいって・・香りが衝撃的でした! とてもスモーキーな香りで、森岡さんは「シガーのような香り」と仰っていたのですが飲み終わるまで香りが損なわれることがなく、しばらく香りの余韻が鼻の奥に留まり続けてとにかくインパクトの強いお茶でした。ちなみに購入できる茶葉では、「6 熟 Juku」が一番似ている味わいだそうです。 湯呑も美しい流線形を描いていますよね!こちらは店頭でも販売されており、お客様からの人気がとても高い湯呑だそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

ちょっとクセのある?番茶に合わせた「あて八寸」、こちらは「一献茶」で使用された伝統本玉露(八女)の抽出後の茶葉を食材として使用したおひたしです。橙(だいだい)、酢、塩、醤油で味付けされたこのおひたしですが、とても美味しい一品でした。 お茶を抽出した後であるにもかかわらず、茶葉本来のうま味が残っていて本当に絶品でした。茶葉がこんなにも美味しいものとは・・・世の中知らないことがまだまだたくさんあるんですね~。 自宅でも使用済みの茶葉(硬い茶葉は除く)でおひたし作れるそうですよ!味付けは柑橘系のポン酢がお勧めだそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

こちらも「あて八寸」として出された、いぶりがっこ、竹炭大豆、かりんとうです。 このいぶりがっこ、少々パンチの効いた番茶にほんと~によく合う!竹炭大豆も噛めば噛むほど大豆本来の甘味を感じて美味でした。 このちょっと平たいかりんとうは、サクッと噛める硬さで口当たりが柔らかく甘さもさっぱりとしていてまさに絶品でした!!

出典:リビングふくおか・北九州Web

こちらは最後の締めの抹茶(「お薄一服」)の前に出された「ひと口果子」です。 一見練り切り和菓子のようにみえたのですが、つぶし栗のなかにブランデー寒(寒天)が入った果子でどちらかというと食感はモンブランに近く、しっとりとしているのに軽やかさも感じさせる果子でした。 お抹茶の前に出された果子なので甘さはありましたが、栗本来の甘さが生かされているので、あと1,2個は食べられるなぁ~(^^♪とつい思ってしまいました。美味しかったです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「一服一煎の小茶会」最後の締めの一服「お薄一服」は八女産の抹茶です。 抹茶独特の苦みはあるもののまろやかな味わいで、本当に美味しい一服でした。茶道を嗜んだ経験がある方ならお分かりになると思いますが抹茶を綺麗に立てるのは本当に難しいんです。 かくいう私も多少(ほんの少々)茶道の経験があるのですが・・だからこそ抹茶をたててくださった森岡さんの技術の高さがうかがえます。抹茶の泡もきめ細やかで、泡の舌触りもほんとうに滑らかで美味でした!! 森岡さん曰く「八女産の抹茶は京都さんの抹茶よりも苦みが少ない」そうなので、抹茶が初めての方には飲みやすい一服だと思います。ちなみに抹茶だけではなく、抹茶を立てるための茶道具一式を1階で購入できるそうなのでご興味のある方は茶道を初めてみてはいかがでしょうか?(^^♪

出典:リビングふくおか・北九州Web

2階茶房ではお茶はもちろんのことお茶を使ったカクテルなども愉しめるそうですよ。お茶を使ったカクテル、なんて素敵な響きでしょうか!取材でなければ一杯いただいているところです(^^♪ 茶酒はお昼からでもいただけるそうです。 ※お酒の取り扱いがあることから、2階茶房への入店は中学生以上に限られているそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「一服一煎の小茶会」で提供されたお茶菓子の一部は1階でも販売されていますので自宅でプチ贅沢な茶会を開くこともできますよ!所作や様式美の美しさは「SABOE HAKATA」にて堪能していただくとして、もっと気軽に自宅で美味しいお茶とお茶菓子を愉しむのもいいですよね(^^♪

森岡さんとのお話の中で「先日会社帰りの女性客の方がそれぞれ個別にお一人ずつ3名来店されていたのですが、次にご来店された時には3名ご一緒にいらしゃったんです。この茶房で意気投合されたようです。」と仰っていたのがとても印象的で、一人でゆったりとした瞬間を愉しみながら同時に「日本茶」を通して新たな輪が広がっていっているということが、なんだかとっても素敵なことだなぁ~と感じました。

取材を終えて、一番身近にあったはずの「日本茶」がいつからか遠い飲み物になっていたことに改めて気づかされました。朝食にパンを食べるようになってからは日本茶からコーヒーに、ケーキやクッキーを食べるようになってからはコーヒー・紅茶へと、私自身食生活の移り変わりに伴って、随分と日本茶を飲まなくなっていたんですよね。だからこそ、「日本茶」の世界がこんなに進化していたなんて・・・と良い意味で驚かされました!今「日本茶」は、健康志向の海外の方からも高い人気と評価を得ているそうです。

皆さんも進化を続けている「日本茶」の世界を「SABOE HAKATA」で体験してみませんか?新しい「日本茶」の魅力に気が付くこと間違いなしです!!

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