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【ことし一番の絶景】気象条件が合わなければ見られない…贅沢な朝のマジックアワー/北海道・十勝

  • 2024.12.18

数多くの「絶景」を持つ北海道。
観光情報にはなかなか載っていない、「日常の絶景」も多くあります。

今回は、HBC帯広放送局のカメラマン・大内孝哉さんが撮影した、十勝平野に雪が積もった早朝の風景をお届けします。

連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」

ことし一番の写真も

11月1週目の十勝平野、紅葉も終わりを迎え、カラマツがまだ少し彩りを残している時期に、雪が舞い降りて来ました!

夜中のうちに降り始め、朝起きたら、うっすら地面に積もっていました。

天気は晴れの予報。東の空を見て雲がないことも分かり、天気が良い日だというのは確信しました。

でもなんとなく、きょうは撮影はいいかな…と迷っていたのですが、外に出てみると、絶景が待っていました。

11月に見た景色の中で最も美しい光景だったので、みなさまにお伝えさせてください。
僕の中で、ことし一番の絶景写真になったかなという一枚も撮影できました。
向かった先は芽室町。

道中から積もっている雪の量も増えてきて、朝霧も発生。すでに幻想的。

「あれ、きょうすごい早朝になるかも」と思わず独り言が出てしまいました。

太陽が昇ってくるちょっと前の時間帯、この光景です。

Sitakke

・撮影日:2024年11月
・場所:芽室町

・シャッター速度 1/100
・絞り f/13
・ISO 2000

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

日高山脈も雪化粧をまとっています。たびたび見ている景色なのに、空の色のグラデーションも濃く、雄大さに圧倒されました。

この景色を見ただけで、やはりきょうの朝はいつもと一味違う!と確信です。

Sitakke

・撮影日:2024年11月
・場所:芽室町

・シャッター速度 1/100
・絞り f/13
・ISO 400

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

一本に続くまっすぐな道。
傍らに防風林。両脇には雪が積もり、畑の緑色もうっすら見えてます。

北海道らしい光景ですよね。

これはまだ日の出前の、早朝6時頃です。
でも、あと数分で太陽が昇ってきます。

この先に上がってくると予想していたのでじっと待ってみました。
ちなみに気温も一桁台。しかし美しさで寒さは忘れています。

Sitakke

・撮影日:2024年11月
・場所:芽室町

・シャッター速度 1/8000
・絞り f/11
・ISO 3200

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

待った甲斐がありました。

やはり一本道の先に太陽が浮かび上がって来ました。

奥には朝霧が発生していて、そのおかげで太陽のフォルムがくっきりと見えます。

ここからが時間との勝負。朝のマジックアワーが始まります。

Sitakke

・撮影日:2024年11月
・場所:芽室町

・シャッター速度 1/100
・絞り f/13
・ISO 1000

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

太陽の光によって赤とオレンジ色に染められている日高山脈。
実はこの光景、とても貴重な景色であり、一瞬の光景です。

登山用語でもあるのですが、「モルゲンロート」と呼ばれています。
ドイツ語でモルゲンは「朝」、ロートは「赤い」という意味だそうです。

まさにその通りの光景ですね。

先に述べた通り、本当にわずかな時間の光景です。太陽がまだ低い位置にあるときに出る色合いです。

少し時間が経つとこの色合いも薄まっていき、消えてしまいます。

Sitakke

・撮影日:2024年11月
・場所:芽室町

・シャッター速度 1/800
・絞り f/11
・ISO 3200

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

後ろを振り返ると、防風林もこの色合いです。
手前は青く、奥はオレンジ。陰影がしっかり出るのもこの一瞬ならではの光景です。

周囲のどこを見渡しても美しくて、シャッターを切る時間が足りません。
時間がもっとほしい!この色合いが一日中続けばいいのに!
なんて思いながらシャッターを切っていました。

Sitakke

・撮影日:2024年11月
・場所:芽室町

・シャッター速度 1/800
・絞り f/10
・ISO 3200

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

僕の中でことし一番の写真になったかなという一枚です。
何度もお伝えしますが、本当に特別な光景でした。

手前の緑は、これから越冬する秋まき小麦です。

薄い緑色ときれいな稜線、そして雪のコラボレーション。
そして奥には、朝霧とまだモルゲンロート現象をわずかに残している日高山脈。

気象条件が合わなければ撮れない、贅沢な光景を一枚に詰め込んだ写真となりました。

一瞬の光景を撮影でき、感無量です。

Sitakke

・撮影日:2024年11月
・場所:芽室町

・シャッター速度 1/800
・絞り f/10
・ISO 3200

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

カラマツの色合いも残っていて、秋と冬のコラボレーションです。
オレンジと雪の白がとても相性がいいです。

Sitakke

・撮影日:2024年11月
・場所:芽室町

・シャッター速度 1/320
・絞り f/11
・ISO 3200

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

冒頭で、この日は写真を撮りに行くか迷っていたとお伝えしましたが、こういう気持ちのときほど、いい意味で景色が裏切ってくれることが多いです。

撮影が終わった後、カメラマンとして朝の感情に反省の念を抱きつつも、こんな景色にめぐり会えて本当にラッキーだったなと感じました。

Sitakke

雪が降っている日は、くもりの日が多いように感じます。この日のように日高山脈がはっきりと見える晴天も、なかなかないなと思います。

Sitakke

もちろん撮影に行って、撮れ高なしのダメだった日も多々あります。
朝は眠いですし、寒いですし、この気持ちを乗り越えるのが一番目の試練。

しかしそんな気持ちも乗り越え、自然相手に何度でも挑むことで、ごほうびのような1日もあるのだなと感じた日でもありました。

Sitakke

早朝の撮影を終え、満足していたところ…またなかなか出会えない、貴重な自然現象が起きているのを発見しました。
これは逃せない…と、向かった先があります。

次回の記事でお届けしたいと思います。
【樹氷のトンネルをくぐった先に…「ここに来てよかった」冬の北海道】

連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」

撮影・文:HBC帯広放送局 大内孝哉
2015年からテレビカメラマンとして、主にニュースやドキュメンタリーを撮影。担当作品に映画/ドキュメンタリー「ヤジと民主主義」や、ドキュメンタリー「核と民主主義」「ベトナムのカミさん〜共生社会の行方〜」「101歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~」「クマと民主主義」など。
2023年10月から帯広支局に異動。インスタグラム@takayasunset0921では、プライベートで撮影した北海道の写真を公開中。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は記事執筆時(2024年12月)の情報に基づきます

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