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【丸の内】テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする@東京ステーションギャラリー2025年1月5日(日)まで

  • 2024.12.18

サー・テレンス・コンランの人物像に迫る日本で初めての展覧会

丸の内の東京ステーションギャラリーでは、「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」展が2025年1月5日(日)まで開催されています。

日本でも展開している「ザ・コンランショップ」の創業者としてご存知の方も多いかと思います。本展覧会は、イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、デザインブームの火付け役にもなったサー・テレンス・コンランの人物像に迫る日本で初めての展覧会です。

出典:リビング東京Web

展覧会場入口

サー・テレンス・オルビー・コンラン Sir Terence Orby Conran(1931-2020)

イギリスの家具デザイナー、インテリアデザイナー、ライフスタイルショップ経営者、レストラン経営者、著述家。ロンドン南西部サリー州出身。セントラル・スクール・オブ・アーツ・アンド・クラフツ(現セントラル・セント・マーチンズ)でテキスタイル・デザインを学びます。テキスタイル、食器、家具のデザインを手がけるうち起業に目覚め、ライフスタイルショップ「ハビタ」や「ザ・コンランショップ」の経営で成功を収めました。その他、レストラン事業や出版業、都市開発まで多才を発揮し、1983年に英国王室より騎士(Knight Bachelor)に叙勲、サー(Sir)の敬称を許されました。 2020年、自邸バートン・コートで88年の生涯を閉じました。

起業の志:ハビタとザ・コンランショップ

1970年代に展開した「ザ・コンランショップ」は、今でいうセレクトショップの先駆けとして日本を含む世界のデザイン市場を大きく変えました。会場入口はまるでインテリアショップのショールームの様な設えでスタイリッシュな空間となっています。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

戦後まもなくテキスタイルや食器のパターン・デザイナーとして活動を始めたコンランは、1960年代、ホームスタイリングを提案する画期的なショップ「habita」(ハビタ)をチェーン化して成功を収め、起業家としての手腕を発揮します。こちらの展示スペースは「habita」ブランドのインテリアグッズが展示されています。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

コンランのデザインの理念、「Plain, Simple, Useful(無駄なくシンプルで機能的)」なデザインが生活の質を向上させると信じていました。展覧会場で実際に商品のディスプレイを鑑賞することで彼のデザインコンセプトがリアルに感じられるかと思います。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

展覧会会場では、パターン・デザインした食器やテキスタイルなどの初期プロダクトも展示されています。第二次世界大戦後のイギリスでブリティッシュ・ポップアートが生まれた頃、コンランはその先導者エドゥアルド・パオロッツィからテキスタイル・デザインを学びました。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

政府による文化施策「英国祭」などが開催されたことが追い風となって斜陽だったテキスタイルをはじめとするデザイン産業が活気づくと、コンランが手がけたテキスタイルや食器のパターン・デザインが注目されるようになりました。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

バートン・コート自邸

「ザ・コンランショップ」の経営で成功を収めたコンランは、レストラン事業や出版業、都市開発まで多才を発揮しました。1970年代後半、コンランはバークシャー州キントベリーに建つ18世紀後半の赤レンガ邸宅「バートン・コート」を自邸としました。自邸ではレストラン用のレシピ開発や雑誌用の撮影をすることもあれば、隣接する家具工房ベンチマークのためのスケッチに没頭することもありました。展覧会会場3Fの展示室でのコンランショップのディスプレイ風景とは変わって2Fの展示室ではバートン・コート自邸内の仕事部屋の一部が再現された展示となっています。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

ものづくり:ベンチマークとプロダクト

バートン・コートの敷地内にある家具工房ベンチマークは、1984年、ショーン・サトクリフという若者にコンランが制作の場を与えたことから始まり、約40年たった今、有名建築家や企業から注文を請け負うヨーロッパ随一の工房になりました。家具職人を自称していたコンランにとって、まず自らの手を動かすことがものづくりの基本でした。マケット(小型の模型、雛型)も展示されています。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

日本でのプロジェクト

コンランは、1994年日本に「ザ・コンランショップ」を出店後、赤坂のアークヒルズ内の「アークヒルズクラブ」内装デザインに始まり、リゾートホテル「二期倶楽部」や六本木ヒルズのレジデンス棟などを手がけ日本でのプロジェクトに携わるようになります。展示室のモニター動画ではコンランと仕事で関わったデザイナー、出版社等の担当者がコンランについて語っている様子が伺えます。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

ミュージアムショップ

ミュージアムショップではオリジナルのTシャツ、エコバッグ、図録と云ったオリジナルの商品が販売されています。

出典:リビング東京Web

ミュージアムショップ

コンランはホームスタイリングを提案するショップの創業者としての起業から家具などのプロダクト開発、廃れていたロンドンの倉庫街を一新させた都市の再開発、書籍の出版やレストラン事業と多岐に渡る事業を展開しました。彼が私財を投じて実現させたデザイン・ミュージアムはデザインの魅力だけでなくデザインが社会に果たす役割や意義を考える重要な発信地となっています。

出典:リビング東京Web

会場展示風景

会場に展示されている愛用品、著書、写真、映像、「バートン・コート」の自邸の再現といった300点以上の作品や資料からコンランの多才でデザインやものづくりに対する熱量が伝わってくる展覧会です。彼から影響を受けた人々のインタビュー映像資料も彼のデザイン哲学が窺えるとても興味深い内容です。会場で是非テレンス・コンランの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

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