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「音楽を聴くと色が見える」シャーロット・デイ・ウィルソンが、最新作に込めた思い【FAB FIVE】

  • 2024.12.18
今秋、朝霧JAM 2024出演と単独での東京公演のために初来日を果たしたシャーロット・デイ・ウィルソンは、ドレイクやジョン・メイヤーにサンプリングされパティ・スミスにもカバーされた逸材だ。Photo_ Jessica Foley
Culture_fabfive_Charlotte1.jpg今秋、朝霧JAM 2024出演と単独での東京公演のために初来日を果たしたシャーロット・デイ・ウィルソンは、ドレイクやジョン・メイヤーにサンプリングされパティ・スミスにもカバーされた逸材だ。Photo: Jessica Foley

音楽を聴くと色が見える、という音楽家は少なくない。カナダはトロント出身のシンガー・ソングライター兼プロデューサー、そしてマルチな楽器演奏者でもあるシャーロット・デイ・ウィルソンにも、突然そんな不思議な才能が舞い降りたという。2012年のデビューEP『Palimpsest』以来、着実に人気と高い評価を獲得し、最新アルバム『シアン・ブルー』では、青や緑を感じる歌やサウンドを追求する。

「アルバムの曲を制作中に、ふと色が見えたような気がしたんです。これまでそんな経験はありませんでした。ギターやドラムの音色はもちろん、歌っている言葉の意味や形状からも青や緑色を感じました。このアルバムは、それらの色に導かれて作ったものです。ほかの色が見える音楽を排除して、同系色の色だけでまとめました」多くの彼女の楽曲と同様に、その表題曲「シアン・ブルー」は、幼い頃の自身に向かって歌われる。

「特に意識はしていませんが、音楽によって眠っていた記憶や感覚が呼び覚まされることがよくあります。辛いことが多かった当時の自分を癒してあげたい。そんな気持ちで、曲を通して幼い私に話しかけているのかもしれません」ミュージカル映画『オズの魔法使』の劇中歌「虹の彼方に」を取り上げたのも、幼い頃の自身を再訪したかったからだという。「私たちのDNAに刻み込まれている曲ではないかと思います。でも本当は歌詞を替えたかったんです。“虹を越えれば夢が叶う”という歌ですが、“幸せな虹が終わる”という歌詞にしたかったんです。少しシニカルですが。でも許可が下りなくて」と肩をすくめて苦笑する。

1 幼い頃に夢中になった音楽やアーティストは?

父親の影響で、モータウンやソウル・ミュージックに私も夢中でした。家の中や車の中ではいつもレイ・チャールズ、テンプテーションズ、アレサ・フランクリンなどがかかっていました。中でもスティーヴィー・ワンダーは私の大のお気に入り。アルバム『インナーヴィジョンズ』が大好きでした。

2 あなたが創造のインスピレーションを得るうえで不可欠なものは?

なぜだかわかりませんが、動いていることです。曲を作っているときも気づけば部屋の中を歩き回っています。座っているよりインスピレーションが湧くようです。アルバム『シアン・ブルー』はLAのローレル・キャニオンで制作をし始めたのですが、アルバムのジャケットにも写っている愛車で毎日スタジオまでドライブする間にも、さまざまなアイデアが浮かんできました。

3 とっておきの気分転換の方法は?

来日時にはオフタイムにテニスを楽しんだという。Photo_ Courtesy of Beggars Japan
culture_fabfive_Charlotte2.jpg来日時にはオフタイムにテニスを楽しんだという。Photo: Courtesy of Beggars Japan

スポーツをすること。学生時代にずっとアイスホッケー選手だったこともあり、今でもスポーツが大好き。来日中も東京でテニスをしました。面白いのがスポーツをしていると、いつも私の頭の中で音楽が鳴っていること。瞑想的な感じで繰り返されるループのような音楽が鳴っています。スポーツが音楽を誘発するのか、音楽がスポーツを誘発するのか、自分でもよくわかりません(笑)。直接的には私の音楽に影響を与えているとは思えないのですが、スポーツをしていたおかげで忍耐力や規則正しい生活リズムが培われたのは間違いないです。ツアー中以外の普段は、細かく一日の予定を立てて、スケジュール通りに生活しています。

4 お勧めのLGBTQをテーマにした映画は?

燃ゆる女の肖像』という作品。2019年に公開されたフランスの映画(セリーヌ・シアマ監督)で、とても美しく描かれたラブストーリーです。

5 色を感じる音楽は?

ジェイムス・ブレイクの音楽からは、青と緑を感じます。ディアンジェロの音楽は濃い黄色。彼の代表作『ヴードゥー』は私の最も好きなアルバム。彼のステージはまだ生で観たことがないのですが、音楽家として、シンガーとして、作曲家として、比類なき才能の持ち主だと思います。

Text: Hisashi Murakami Editor: Yaka Matsumoto

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