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「結婚しないの?」現状に満足しているのに実家に帰ると結婚を急かされる…帰省ストレスを臨床心理士が解消!

  • 2024.12.18

体と同じく、ココロも健やかな状態でいたいものだけど、メンタルケアはなにかと根性論や「気の持ちよう」で語られがち。悩みは、実は心理学的なテクニックで対処できるものも多いという。そこで、臨床心理士の南舞さんが、読者のお悩みに具体的な対処法をレクチャー。今回は、30歳の女性からのお悩みについて。

帰省が憂うつな理由......

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相談者Hさん:

私は今年30歳になります。現在は地元を離れ都内で生活しているのですが、実家に帰省するたびに母親や親戚から「まだ結婚しないの? 」と言われることが増えました。現在、彼氏はいません。仕事も任されるものが多くなってきて、現状に満足しているので、結婚は急いでいないのですが、そのことを話しても、まだ心配されてしまいます......。どうしたらよいでしょうか?

臨床心理士・南さん:

Hさん、お悩みありがとうございます! 30歳という年齢は、【結婚】の2文字がリアルになってくる頃ですし、家族や親戚としては関心が高いトピックで、自分は避けたいと思っていても、なかなか避けられない話題でもありますよね。

結婚に対しても多様性が認められやすい世の中にはなりつつありますが、それでも親や親戚の世代は、「結婚=幸せ」という価値観がまだまだ強かったりもします。結婚に対する周囲の期待がプレッシャーに感じること、そして、Hさんの中では現状に満足していて、まだまだ仕事を頑張りたいという気持ちでいるという、自分と周囲の間に起きているギャップ、しんどいだろうなとも感じました。特に、帰省したらおそらくまたこの話題が出てくるでしょう。久しぶりに家族親戚で集まっているのですし、その場の空気を乱したくない、でも自分の気持ちも大切にしたいという両方の気持ちがあるのではないでしょうか? 何とかうまく乗り切ってほしいという思いも込めて、対処法をご紹介したいと思いますね。

『結婚しないの? 』の問いかけに困った時の対処法は?

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(1)ユーモアで返してみる

家族や親戚が結婚について触れる時は、「良かれと思って」という気持ちであることが多いと思います。だからこそ、その場の雰囲気を壊すような対応は避けたいと思うこともあるでしょう。そんな時は、ユーモアを駆使して乗り切るのがおすすめです。例えば、

「え、おばさん、周りに誰かいい人いない? 」

「実は今、全国を探し中なんだけどまだ見つからないんだよね〜」

「良い人が多すぎて、選べなくて困ってるんだよね〜」

ユーモアを使うと、相手の質問に答えつつも、結婚という重い雰囲気になりそうなトピックを、軽い話題に切り替えることができます。

(2)主導権を持って、話題を切り替える

結婚の話が続きそうだなと感じたら、こちらから話を振って、別の話題に切り替えてみましょう。例えば、

「そういえば、ご近所の〇〇さん、元気にしてる? 」

「最近、〇〇さん(親戚)のお仕事、どんな感じですか? 」

など、相手が答えたくなるような話題を振ってみると、話の流れをスムーズに変えやすいかも。

(3) 相手の話を受容して、前向きに返す

ユーモアを使ったり、話を切り替えるのが苦手という人は、まずは周りの人たちの気持ちを否定せずに受け止めた上で、現状を前向きに捉えていることが伝わるようなアプローチがおすすめです。例えば、

「まだ焦ってないけれど、良い人に出会えたら考えようかな。」

「最近は仕事で新しいプロジェクトを任されて、毎日が充実してるよ! 」

「今、自分の時間を使って色々挑戦していて、毎日がすごく楽しいんだ。」

など、前向きな姿勢を伝えることで、相手の心配を和らげつつ、自分のスタンスを伝えることができますね。

心が揺れ動く時にこそ意識したい、心理的な境界線とは?

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帰省中は、家族や親戚と物理的にも精神的にも距離が近いため、自分では意識していなくても、無意識のうちにプレッシャーを感じやすくなったり、周囲の意見に影響を受けやすくなるということも。

そんな時に役立つのが、心理的な境界線(バウンダリー)を意識することです。バウンダリーとは、自分と他者の考えや感情を区別する力、そして違いを違いとして認め、守るものです。心理的に苦しくなる時は、このバウンダリーがグッと近くなっていたり、逆に分厚くなりすぎている時が多いと言われます。「心理的な境界線を持つ」と言われても、抽象的でわかりづらいと思いますが、例えば、

「家族や親戚の価値観と、私の価値観とは異なる。それでいい。」

「彼らの言葉はアドバイスの一つ。私の選択を否定しているわけではない。」

「自分の価値観は、私自身が決めるもの」

といったように、自分の中にある価値観を明確にし、心の中の整理をしておくと、たとえ何か揺さぶられるようなことを言われたとしても、必要以上に心が揺れ動くのを防ぐことができます。しかし、自分の中ではバウンダリーを意識したとしても、何度も結婚の話題について触れられるなど、相手が踏み込んでこようとすることもあるかもしれません。そんな時は、バウンダリーを守るために自分の意思を明確に伝えましょう。例えば、

「ありがとう。でも結婚については自分のペースを大切にしたいから、大丈夫だよ。」

「今は仕事に集中しているから、無理に急ぐつもりはないよ。」

「結婚も良いけれど、今は自分の成長が私の幸せなんだ。」

といったように伝えてみてはいかがでしょうか。自分の境界を大切にしつつ、相手を否定したり攻撃せずに伝えることができると思います。

コミュニケーションを工夫して、上手に乗り切ろう

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今回お悩みを寄せてくれたHさんをはじめ、結婚適齢期と呼ばれる時期にある方が帰省しているときは、楽しさよりもむしろ、家族や親戚からのプレッシャーを感じやすいかもしれません。しかし、コミュニケーションを工夫することで、その場の雰囲気を保ちつつ、自分の気持ちを守ることができます。

Hさん、今回の帰省もなんとか乗り切ってくださいね! Hさんの気持ちが家族や親戚の方に届き、Hさんが自分らしく楽しく人生を過ごしていけることを、陰ながら応援しています。

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