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【ラフランスの保存】保存の前に完熟状態を見極めるのがコツ!完熟前と後では保存方法が違うんです!

  • 2024.12.20

管理栄養士のともゆみです。芳醇な香りと濃厚な甘味、そしてなめらかでとろけるような食感のラフランス。高級感がありますが、値段はお手頃です。フランスで栽培が途絶え、絶滅寸前だったラフランスの苗を日本に持ち込み栽培し、長い年月を経て日本で広まったそう。そんな意外な歴史のあるラフランス、完熟の見極め方や保存方法をニチレイフーズのホームページ内にある食サイト「ほほえみごはん」より学びたいと思います。

冷凍食品をはじめとする加工食品を扱う大手食品会社「ニチレイフーズ」はホームページ内に「ほほえみごはん」という食サイトを運営しています。サイトには、さまざまな食材の保存方法やレシピなどが掲載されており、とても勉強になります。

今回はその中からラフランスについて紹介したいと思います。ラフランスは完熟前と完熟後では保存方法が異なる果物だそうです。完熟の見極め方と、完熟前・後それぞれの保存方法、食べ切れなかったときの冷凍保存方法も学びます。また、ラフランスの歴史についても触れていきたいと思います。

ラフランスが日本で栽培されているワケ

フランスで発見されたラフランスですが、現在フランスでは栽培されておらず、日本でしか栽培されていないそう。いったいどういうことなのでしょうか?

フランスで発見されたラフランスは、あまりのおいしさに「フランスを代表するにふさわしい果物だ」と讃えられ「ラフランス」と名づけられました。しかし、ラフランスは他の果物に比べて雨風の影響を受けやすく、病気になりやすい繊細な果物でした。その上、フランスの気候はラフランスの栽培に適しておらず、安定して収穫することが困難だったため、フランスでのラフランス栽培は1900年初頭にはやめてしまいました。

そんな時、絶滅寸前のラフランスの苗が日本に持ち込まれたのですが、寒冷で湿度の高い場所を好むラフランスは、日本での栽培に適していました。はじめは他の西洋梨との受粉樹としての栽培でしたが、今では盛んに栽培されています。特に山形県はラフランスの栽培が盛んで、昼夜の寒暖差が激しく、梅雨の時期に雨量が少ないことや、周囲の山々によって台風の被害が抑えられるなど、ラフランスの栽培に適した気候だったのです。

そのような歴史があって今に至っているというワケ。でもあの時、絶滅寸前のラフランスの苗を、よくぞ日本に持ち込んでくれました。そのおかげで今ではこんなにおいしいラフランスが身近に買える環境にあるのですから。

完熟前か後か、ラフランスの状態を見極める

ラフランスの状態は表面の色や軸のまわりの様子、香りなどで確認します。

〈完熟前の状態〉
軸が緑色で真っ直ぐ立っている
軸のまわりの皮がピンと張っている
軸が瑞々しく張りがある

〈完熟した状態〉
お尻が黄色~茶褐色になっている
軸が茶色になり、軸と軸のまわりの皮がシナシナとしている(シワが見える)
甘い香りがする

完熟前のラフランスの保存方法

完熟前のラフランスは、食べごろになるまで常温に置いて追熟させます。

【保存方法】
ラフランスが乾燥しないようにキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れます。直射日光と冷暖房の風が当たらない室内に保存します(完熟まで1~3日、完熟してからは3~4日保存可能)。ラフランスの追熟具合は個体差が大きいので、こまめに様子をチェックします。一緒にりんごを入れると、りんごが発するエチレンガスがラフランスの追熟を早めてくれますよ。逆に追熟を遅くしたい場合は、キッチンペーパーに包んでからポリ袋に入れ、野菜室に保存します。

完熟ラフランスは冷蔵保存

完熟したら野菜室で保存します。完熟前のラフランスで追熟を遅くしたい場合も、同様に冷蔵保存します。

【保存方法】
キッチンペーパーで完全に包み、さらにポリ袋に入れて乾燥を防ぎます。冷蔵庫の野菜室で保存します(完熟の場合は冷蔵で3~4日、完熟前は冷蔵で7~10日保存可能)。一度冷蔵したものを常温で追熟させる場合は、温度変化で傷む速度が早まるため熟度をこまめにチェックします。

完熟ラフランスの冷凍保存(約1か月保存可能)

完熟してもすぐに食べない場合は冷凍保存します。全解凍すると食感がやわらかくなるので、半解凍でシャーベットのように食べるのがおすすめです。

【冷凍方法】
1. 半分にカットし、変色を防ぐため切り口にレモン汁を塗ります。

2. 断面にラップをぴったりと密着させて包み、冷凍用保存袋に入れます。金属製のバットにのせて急速冷凍します。

【解凍方法・食べ方】
凍ったままか半解凍の状態で、スプーンですくってシャーベットのように食べます。冷蔵庫で2~3時間で半解凍の状態になります。種の部分もスプーンでくり抜けます。

冷蔵庫で3時間ほど置いておきました。半解凍より少し全解凍に近い状態ですが、ひんやりしていて少しシャリっとした食感があります。口の中で溶けるとやわらかくコンポートのようです。甘さもちゃんとあってジューシーでおいしく食べられますね。ただ、置けば置くほど色がくすんでしまうようなので、半解凍で食べちゃうのがおすすめですね。

番外編:「コンポート」にしてから冷凍するのもおすすめ!

電子レンジで加熱してコンポートにしてから冷凍すると、変色せずきれいに冷凍できます。

【材料】
ラフランス…1個(正味約200g)
りんごジュース…50ml ※ジュースの代わりに水50ml+砂糖25gでも良い
レモン汁…小さじ1

【作り方】
1. ラフランスの皮を剥いてくし形に切り、すべての材料を耐熱ボウルに入れます。

2. 1のボウルにラップをふんわりとかけ、600Wの電子レンジで約6分加熱します。かたい場合はラフランスの上下を返してさらに3分加熱します。今回は3分でやわらかくなりました。

3. 粗熱をとり、冷凍用保存袋や保存容器に入れて冷凍庫へ入れます(冷凍で約1か月保存可能)。食べるときは冷蔵庫で約30分、自然解凍します。

やわらかくて甘くておいしいです。色がきれいなままなので、コンポートにしてから冷凍するのもいいですね。アイスを添えてデザートにしたい感じですね。

ラフランスの成分

ラフランスの栄養成分は日本なしとほとんど変わらず、9割近くが水分で、ビタミンやミネラル類はあまり多く含みませんが、疲労回復作用のあるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸を含みます。また、穏やかな便通を促す糖アルコールのひとつソルビトールや豊富な食物繊維がたっぷり含んだ水分との相乗効果で便通の改善が期待できます。


いやぁ、ラフランスが日本に来た経緯も知れたし、完熟の見極め方もわかってよかったです。実は今まで完熟しているかわからず、時々完熟前の硬いラフランスを剥いてしまい残念な状態で食べていました。これからはおいしい状態で食べられそうです。冷凍するとシャーベットのようにして食べられるし、コンポートもおいしかったです。よかったらお試しくださいませ。

参考web:
ラフランスの栽培は日本だけ?祖国での絶滅から日本で栽培されるようになった経緯を解説! | ラフランス | 新米好評販売中!JAさがえ西村山公式通販|山形県の特産品のお取り寄せ

参考文献:
からだのための食材大全 監修者 池上文雄 他 NHK出版

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