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『ライオン・キング:ムファサ』バリー・ジェンキンス監督が語る前作の魅力と、デジタル技術の進歩「新しい視覚的文法を生み出したかった」

  • 2024.12.17

ディズニー・アニメーション史に残る不朽の名作を、最新の映像技術を駆使した“超実写版”としてよみがえらせ、全世界興収16億6000万ドルを記録した『ライオン・キング』(19)。そのシリーズ最新作となる『ライオン・キング:ムファサ』が12月20日(金)に公開される。監督のバリー・ジェンキンスが前作の魅力と、さらにアップデートされた新作でのデジタルアニメーション技術について語った。

【写真を見る】世界中を魅了した、超実写版『ライオン・キング』のモフモフな子シンバ!

『ライオン・キング:ムファサ』の進化した映像美に注目 [c]2024 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
『ライオン・キング:ムファサ』の進化した映像美に注目 [c]2024 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

前作『ライオン・キング』で、息子シンバを命がけで守った父、ムファサ王と、彼の命を奪ったスカー(タカ)。犬猿の仲として知られる2人だが、実はかつて、血のつながりを超えた“兄弟の絆”で結ばれていたという。彼らは一体なぜ、別々の運命を歩むこととなるのか。本作ではムファサとスカーの知られざる過去が明かされる!

ムファサたちに襲い掛かる冷徹な敵ライオンのキロス(『ライオン・キング:ムファサ』) [c]2024 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
ムファサたちに襲い掛かる冷徹な敵ライオンのキロス(『ライオン・キング:ムファサ』) [c]2024 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

本作のメガホンをとったのは『ムーンライト』(16)で作品賞を含む3部門を受賞したジェンキンス監督。『ライオン・キング』の大ファンと語る監督が、アニメーション版、超実写版にたっぷりの愛とリスペクトを込めて作り上げたのが『ライオン・キング:ムファサ』だ。監督は、超実写版の進化したCG技術に魅了されたという。

公開当時、世間を驚嘆させた超実写版『ライオン・キング』のCG技術

【写真を見る】世界中を魅了した、超実写版『ライオン・キング』のモフモフな子シンバ! [c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
【写真を見る】世界中を魅了した、超実写版『ライオン・キング』のモフモフな子シンバ! [c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

2019年に公開された超実写版『ライオン・キング』は、当時最先端だったCG技術を駆使し、新たな表現でサバンナに生きる動物たちをスクリーンに映しだした。監督はこの超実写版を観た感想を「テクノロジーが非常におもしろく、アニメーション版ともブロードウェイのミュージカルとも一線を画すストーリーを語る方法だと思いました。そして、映画を語るうえでとても興味深い方法だと思いました」と振り返る。

ライオンたちのリアルな表情や動きに心を揺さぶられた(『ライオン・キング』) [c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
ライオンたちのリアルな表情や動きに心を揺さぶられた(『ライオン・キング』) [c]2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

公開当時、世間を驚かせたCG技術については「僕は映画制作のあらゆるツールが大好きで、物語を語るための様々な方法がある時代に生きていることを幸運に感じています」とコメント。さらに、映画製作技術の進化にも触れ、「長い間、映画にはカメラとたくさんの照明を手に入れて、人々を撮影するという1つの方法しかありませんでした。だからCG技術での製作はとても魅力的で、同じストーリーを違うツールでどう語るかというのは本当にクールな実験だと感じました」と、超実写版で行われた新しい表現に対する熱い想いを語った。そんな監督が、超実写版をさらに進化させ作り上げたのが最新作『ライオン・キング:ムファサ』だ。

進化した表現技術!バリー・ジェンキンス監督とアニメーターたちの挑戦

本物の兄弟のような絆を育むムファサ(右)とタカ(左)(『ライオン・キング:ムファサ』) [c]2024 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
本物の兄弟のような絆を育むムファサ(右)とタカ(左)(『ライオン・キング:ムファサ』) [c]2024 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

最新作では、2019年の超実写版を手掛けた同じアニメーターたちが参加している。ジェンキンス監督は、これについて「僕が有益だと感じたのは、アニメーターたちが超実写版を作る時に学んだすべての教訓を、この映画に生かせたこと、そしてさらに先に進むことができたことです。そこは、僕がやりたかったことのいくつかにとっては本当に重要なことでした」と言う。アニメーション版では動物たちにどんな表情もさせられた一方、超実写版は「フォトリアリズムの作品であったため、ライオンの顔の筋肉の動きは限られ、そこから人間の顔のような深い表現力を理解してもらうのは難しいことでした」と、超実写版ならではの表現の課題も感じたそうだ。

「僕たちは、超実写版の技術をさらに推し進め、進化させ、観客が理解できる新しい視覚的文法を生みだしたかったんです。最新作は2019年の映画のおかげで成り立っているんです。なぜなら、同じアニメーターたちが超実写版ですべてのトリックを学んだことで、より深いところまで進むことができたからです」と、超実写版からのアップデートを語る。先日公開となった本予告編は、その圧巻の映像美が話題になると共に、サバンナに生きる動物たちの生き生きとした表情にも注目が集まっている。

『ライオン・キング:ムファサ』は12月20日(金)より公開 [c]2024 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
『ライオン・キング:ムファサ』は12月20日(金)より公開 [c]2024 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

『ライオン・キング:ムファサ』で明かされるのは、これまで語られてこなかったムファサとタカ(後のスカー)との秘密のストーリー。明るい表情でじゃれあいサバンナを駆け巡る若き日の様子から一転、大人になり厳しい表情で対峙する様子など、人間さながらの表情で、変わってしまった2人の関係性を伝えている。監督が明かした制作秘話を聞くと、動物たちに思わず感情移入させられるのは、監督ふくめアニメーターたちの情熱や努力の賜物だと納得。ぜひ大スクリーンで感動の物語『ライオン・キング:ムファサ』を体感してほしい。

文/山崎伸子

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