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【50代ひとり暮らし】模様替えのヒント和室にダイニングテーブルを

  • 2024.12.17

今の暮らしに寄り添いながら、印象を変えることができる模様替えは、気持ちを一新し、暮らしを心地よく整えるいちばん手近な方法です。
発想の転換で住まいをアップデート! そのヒントとなるお家を取材しました。

今回お宅を拝見したのは・・・
「小さな生活道具店 ecru」店主
桐野恵美さん
50代からひとり暮らしを始め、神奈川県・葉山の海にほど近い自宅で、月に1回開くショップのほか、菜食料理教室、ワークショップなどを主宰。

少しずつ集めた木の家具を年季の入った家に合わせる

桐野恵美さんが5年前から暮らすのは築53年のどこか懐かしい平屋です。

飴色になった木の柱に漆喰の壁、玄関やお風呂場の床はモザイクタイル。窓の型板ガラスも昭和の古家ならでは。
なかでも縁側と廊下に囲まれた開放的な続き間は一目で気に入り、丁寧に住み継がれてきたこの家を今度は自分が受け継ぐ決め手になったといいます。

普段はこの続き間が暮らしの中心。大きなダイニングテーブルをどんと据えました。

「もともとは着物の裁ち台で、若いころ知人から譲り受けたもの。お店の日はここに商品を並べ、ワークショップもここで」
畳にテーブルの異質な取り合わせなのに、ここでは違和感なくしっくりなじんでいます。

「昔から木のものが好きで少しずつ集めていました。木が多用されたこの家の雰囲気に私の持ち物が合っているのでは」と桐野さん。

自分の〝好き〟がしっかりあれば、ハコは古いままでも心地よく佇まいの美しい住まいは叶う。この家がそう語っています。

住み継がれた家に使い継がれたものを配して

「タイルのお風呂の冬の寒さは半端じゃない」と笑う桐野さん。
でも畳は足にやわらかくて心地よく、水まわりはゆとりがあって幸せな気分になれる。そんな空間にリサイクルショップや古道具屋で見つけ出した家具や雑貨を配すことで豊かな表情が作りだされています。

お風呂場には海から直接入るための小さな出入り口が。
洗面所の白いワゴンは近くのコーヒー店の不用品。捨てられていた金ダライも救出してこちらに。

木の家ならではの温かな表情に木の家具や小物が溶け込む

大きなガラス窓から日差しがたっぷり入る広縁ではグリーンもすくすく。
「実は大家さんが図面で縁側の寸法を間違えて広くなってしまったそうです(笑)」。
そんな怪我の功名でゆったりと気持ちのいい空間になった。

この家で新調したのは広縁の棚と寝室のベッドだけ。
「棚は葉山のギャラリーカスパールのイベントで見つけたもの。広縁の壁にぴったりで、奥行きの浅さも気に入りました」。
長年かけて集めてきた木の家具や雑貨とともにこの家にすっとなじみます。

古さが味になった小家具をインテリアのアクセントに

玄関にはかつて祖父が手作りし、祖母が愛用していた裁縫箱、ダイニングの壁際には古道具屋で見つけた書類棚。
家の随所にちょこんと置かれた小家具は物入れであり、花やグリーンの飾り台でもあり、小さくても空間をキリリと引き締める役割を果たしています。

緑のあしらいも素敵。
玄関には八和華ゆり、裁縫箱の上では小さな器に小さなエアプランツ、書類棚の上では牛乳瓶に庭のグリーンを挿して。

桐野さんに教わる〈模様替えのヒント〉

「大事なのは置くものの素材感や色のトーンを揃えること」

「この家はキッチンがステンレスの流し台だったので、そこに置くものはシルバーと黒にすると決めました。
自分の好きなものを中心に、使う色を統一させると見え方が決まりやすいですね。
それ以外のものは扉付き収納にしまい、見せるものと見せないものをきっちり分けるのもポイントです」

キッチンで食器棚に使うのは父が昔使っていた本棚。
「あまり詰め込みすぎず、余白を心がけている」と桐野さん。寝室の小棚にはガラスものと乳白色の器。「ものとの出合いは大切。器も気に入ったらエイヤ!と思い切り、小皿なら最低でも4枚買うことにしています」

撮影/松村隆史 文/Nobuko Sasaki

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

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