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「テルマエ」「翔んで埼玉」に続く“武内コメディ”の真価を発揮!永野芽郁&佐藤健W主演『はたらく細胞』がヒットスタート

  • 2024.12.16

12月13日から12月15日までの全国映画動員ランキングが発表。シリーズ累計発行部数1000万部を突破し、テレビアニメ化も大好評を博した同名コミックを、永野芽郁と佐藤健のダブル主演で実写映画化した『はたらく細胞』(公開中)が、抜群の好成績を収めて初登場No. 1を獲得した。

【写真を見る】人間の体内にいる細胞たちを擬人化!大人も子どもも楽しめる、エンタメコメディの決定版

『はたらく細胞』が、2024年の実写日本映画第3位の大ヒットスタート!

【写真を見る】人間の体内にいる細胞たちを擬人化!大人も子どもも楽しめる、エンタメコメディの決定版 [c]清水茜/講談社 [c]原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 [c]2024 映画「はたらく細胞」製作委員会
【写真を見る】人間の体内にいる細胞たちを擬人化!大人も子どもも楽しめる、エンタメコメディの決定版 [c]清水茜/講談社 [c]原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 [c]2024 映画「はたらく細胞」製作委員会

全国365劇場で、IMAXや4DXを含む494スクリーンの大規模で公開を迎えた『はたらく細胞』。初日から3日間の観客動員は61万1000人、興行収入は8億4400万円と、今年公開された実写日本映画としては『キングダム 大将軍の帰還』(公開中)と『ラストマイル』(公開中)に次いで第3位の初動成績。配給元のワーナー・ブラザース映画は、最終興収50億円を視野に入れているようだ。

本作でメガホンをとったのは「テルマエ・ロマエ」シリーズや「翔んで埼玉」シリーズなどで知られる武内英樹監督。前者は2本で興収100億円超、後者も2本で60億円超という屈指のヒットメイカーであり、今回の『はたらく細胞』はそれら4作を上回る初動成績を記録している(「テルマエ〜」は土曜日公開だったため、直接比較することはできないのだが)。この4作と今作からも分かる通り、コミック原作で、かつ特殊な世界観を舞台に大勢の登場人物が入り乱れるタイプのコメディを得意としている作り手といえるだろう。

新米の赤血球を演じた永野芽郁。主演映画の初登場No. 1獲得は今作が初めて [c]清水茜/講談社 [c]原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 [c]2024 映画「はたらく細胞」製作委員会
新米の赤血球を演じた永野芽郁。主演映画の初登場No. 1獲得は今作が初めて [c]清水茜/講談社 [c]原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 [c]2024 映画「はたらく細胞」製作委員会

この10年ほどの日本のコメディ映画での成功作を振り返ってみると、三谷幸喜の監督作品や古沢良太の脚本作品はオリジナルにこだわることで“作家性”というブランディングを重視し、福田雄一作品はいわゆる“福田組”と呼ばれるキャストの魅力を引き出すことに徹している印象が強い。対して武内作品の場合は、とにかく世界観重視。コメディと一口に括っても、それぞれの作り手の得意スタイルが棲み分けできていることが各々の成功の決め手となっていることはまちがいなく、それが日本のコメディジャンルを支えてくれていると考えることができる。

今回の『はたらく細胞』では原作コミックで描かれた“人体のなか”で擬人化された細胞たちの働きぶりを忠実に再現し、スピンオフ漫画「はたらく細胞 BLACK」をもとにシリーズで初めて人間側の物語を展開。このように特殊な世界観の内側と現実世界に即した外側を併行して描くスタイルは、先述の武内作品を代表する2シリーズでも取り入れられた手法であり、観客が特殊な世界観にスムーズに入るための的確なワンクッションとなり、いくつかのストーリーを一本の映画にまとめ上げる役割も果たしてくれる。

シリーズで初めて人間側の世界も描かれていく [c]清水茜/講談社 [c]原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 [c]2024 映画「はたらく細胞」製作委員会
シリーズで初めて人間側の世界も描かれていく [c]清水茜/講談社 [c]原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 [c]2024 映画「はたらく細胞」製作委員会

こうした娯楽映画に必要不可欠な“観やすさ”を担保し、かつ原作が持ち合わせている「身近だけど見ることができない人体の仕組みを学ぶ機会」を守り、キャスト陣の魅力もしっかりと引き立てるという3本の軸が揃った本作。永野はこれが主演映画として初のNo. 1獲得であり、佐藤は代表作「るろうに剣心」のアクション監督と再タッグを組んで大立ち回りを披露。「半分、青い。」以来となる2人のコンビネーションは両者のファンにはたまらないものだ。年末年始に年齢層を問わず観られる実写日本映画の代表として、さらなる旋風を巻き起こす可能性は充分だろう。

『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』『クレイヴン・ザ・ハンター』も初登場

前週1位の『モアナと伝説の海2』は好調キープで2位に [c] 2024 Disney. All Rights Reserved.
前週1位の『モアナと伝説の海2』は好調キープで2位に [c] 2024 Disney. All Rights Reserved.

先週ロケットスタートを決めて初登場No. 1に立ったディズニーの『モアナと伝説の海2』(公開中)は、公開2週目末も絶好調を維持して2位にランクイン。週末3日間で動員44万5000人、興収5億9800万円を記録し、累計成績では動員135万人&興収18億円を突破。早くも動員100万人の大台を突破している。

一方、前週2位の『劇場版ドクターX』は3位となり、週末3日間で動員27万1000人、興収3億7000万円を記録。客層的に平日も動員が落ちない安定感のある興行となっており、こちらも累計成績では大台突破の動員103万人&興収13億円を超えてきた。

人気児童小説を実写映画化した『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』は4位スタート [c]2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会
人気児童小説を実写映画化した『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』は4位スタート [c]2024 映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」製作委員会

初登場タイトルは他に2作品。日本のみならず世界中の子どもたちのあいだで絶大な人気を誇る廣島玲子の児童小説を、ホラー映画のイメージが強い中田秀夫監督が実写映画化した『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』(公開中)は、初日から3日間で動員12万1000人、興収1億5700万円を記録し4位にランクイン。

老若男女、幸運な人だけがたどり着くことができるという不思議な駄菓子屋「銭天堂」を舞台に、そこで売られる駄菓子を購入した人々の顛末を描きだす本作。天海祐希が大掛かりな特殊メイクで「銭天堂」の店主である紅子役を演じ、そのライバルとなる「たたりめ堂」の主人であるよどみ役には上白石萌音。さらに大橋和也(なにわ男子)や伊原六花らが共演。作品のメインターゲットである小学生が冬休みに突入してからが本当の勝負となるだろう。

アーロン・テイラー=ジョンソンがスパイダーマンの宿敵に! MARVEL and all related character names: [c] &TM 2024 MARVEL
アーロン・テイラー=ジョンソンがスパイダーマンの宿敵に! MARVEL and all related character names: [c] &TM 2024 MARVEL

また、マーベルコミックでヴェノムと並んで“スパイダーマンの宿敵”といわれているヴィランの誕生を描いた『クレイヴン・ザ・ハンター』(公開中)は5位スタート。公開3週目を迎えた藤井道人監督と横浜流星のタッグ作『正体』(公開中)は3ランクダウンの6位となり、公開5週目を迎えた『室井慎次 生き続ける者』(公開中)は7位で累計興収15億円を突破している。

以下は、1~10位までのランキング(12月13日〜12月15日)

1位『はたらく細胞』

2位『モアナと伝説の海2』

3位『劇場版ドクターX』

4位『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』

5位『クレイヴン・ザ・ハンター』

6位『正体』

7位『室井慎次 生き続ける者』

8位『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』

9位『うちの弟どもがすみません』

10位『六人の嘘つきな大学生』

今週末は、ディズニーの名作アニメを最新鋭の映像技術で蘇らせた“超実写版”『ライオン・キング』(19)の前日譚『ライオン・キング:ムファサ』(12月20日公開)、人気アニメ「忍たま乱太郎」の13年ぶりの長編劇場アニメとなる『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』(12月20日公開)、中村光の人気ギャグ漫画を実写映画化した『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメン VS 悪魔軍団~』(12月20日公開)。そしてドラマシリーズ「【推しの子】」の続きが描かれる『【推しの子】-The Final Act-』(12月20日公開)など、注目タイトルが多数待機している。

文/久保田 和馬

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