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しまおまほ、タナカカツキらが大切にしている、人生の一行

  • 2024.12.18
クリエイターや文化人が大切にしている、人生の一行。Vol.2

しまおまほ(エッセイスト)

しかるより
ほめて育てよ
宇宿の子

『まほちゃんの家』
しまおまほ著/WAVE出版

父方の祖父母と叔母が暮らしていた鹿児島・宇宿町(うすきちょう)にあった小学校の標語です。1986年、8歳の頃に目にして、本当に感動して。「褒めて育てる」という発想が珍しかった時代の中で子供時代を過ごしていたので。それ以来、親に対して「私を褒めて育てろよ!」という気持ちになりました。今でも小言を言われると、そう思います。

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エッセイスト・しまおまほ

しまおまほ(エッセイスト)

TBSラジオ『アフター6ジャンクション2』に定期的に出演中。うるし漫画家の堀道広との共作絵本も準備中。

タナカカツキ(マンガ家)

夢のドリーム

長嶋茂雄の球場でのインタビュー時の発言

長嶋監督はいくつもの名言(迷言?)を残しています。「昨夜は遅かった。ホテル帰って、シャワー食べて、ウドン浴びたら、もう12時でしたから」なども最高です。監督の言葉は日常の中でしばしば思い出され、そのたびに私の心を軽くします。「夢のドリーム」も目の前がパァーと明るくなる、力のある一行だと思います。

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マンガ家・タナカカツキ イラスト

タナカカツキ(マンガ家)

カプセルトイ「コップのフチ子」企画・デザイン。著書『サ道』(PARCO出版)でサウナブームの火つけ役に。

牟田都子(校正者)

人間のすることに真に「絶対」というものはない

『校正夜話』
西島九州男著/日本エディタースクール出版部

西島九州男は岩波書店の初代校正課長で『広辞苑』など数々の書籍に携わり、「校正の神様」と呼ばれた人。校正者でさえ「絶対」にミスをしないということはない。誰もが必ずミスをするという前提ですべてを(自分自身をも)疑うことでしかミスは防げないのだ、と。仕事においても日々の生活においても、心に留めています。

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校正者・牟田都子

牟田都子(校正者)

むた・さとこ/出版社の校閲部に勤務後、独立。著書に『文にあたる』(亜紀書房)、共著に『本を贈る』(三輪舎)など。©Hikita Chisato

堀道広(うるし漫画家)

常に本流を歩め。
支流を歩む者は消えてなくなる。

石川県立輪島漆芸技術研修所で学んでいた時、教室に貼られていた蒔絵師(まきえし)・松田権六の格言の一つ

漆芸の第一人者で「漆聖」とも呼ばれる松田権六先生の言葉。まごうことなき名言だが、自分は絶対に支流側にあるという目でも見ていて、「支流は支流として、消えてなくならないようにするにはどうしたらよいか?」という抜け道を考えていた(そしてなぜか漫画家になった)。「消えてなくなる」という言葉もクールで怖い。

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うるし漫画家・堀道広

堀道広(うるし漫画家)

ほり・みちひろ/漫画制作の傍ら金継ぎによる漆器の修理も行う。単行本『金継ぎおじさん』(マガジンハウス)が発売中。

野川かさね(写真家)

平凡なものの強味は豊かな余韻にある。

『麓からの山 浅間・八ヶ岳 田淵行男写真集』
田淵行男著/朝日新聞社

山の写真を撮り始めてしばらくした頃、図書館で開いた写真集に添えられた随筆の中の言葉。山に向かい合う視線や、作品作りにおいて自分自身が大切にしていることがまさに言語化されていて驚きました。壮大な風景の作品も多い田淵さんの根底にこのような視線があるのだと知り、作品作りの励みになったことを覚えています。

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写真家・野川かさね

野川かさね(写真家)

のがわ・かさね/山や自然の写真を中心に発表。共著に『山と山小屋』(平凡社)、『山小屋の灯』(山と溪谷社)など。

川瀬慈(映像人類学者)

基地をもつ国は基地で亡び
核を持つ国は核で亡ぶ

沖縄・伊江島にある反戦平和資料館〈ヌチドゥタカラの家〉の壁に記された言葉

民謡の調査で何度か訪れた伊江島。反戦平和資料館〈ヌチドゥタカラの家〉には、非暴力による基地返還を訴えた「沖縄のガンジー」こと阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)さんにより収集された米軍の武器など、戦争の悲惨さと同時に平和を求める人々の力強さを伝える豊富な資料が展示されています。今日、この言葉の重みがさらに増しています。

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映像人類学者・川瀬慈

川瀬慈(映像人類学者)

かわせ・いつし/国立民族学博物館教授。エチオピアを中心に音楽文化に関する人類学研究と民族誌映画製作に取り組む。

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