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婚約指輪のメンテナンス完全ガイド。クリーニングの頻度など、美しく保つ秘訣を専門家が解説

  • 2024.12.16

結婚指輪を大切に扱うためのヒント

婚約したばかりで、日常的にハイジュエリーを身に着ける習慣がない人々にとって、婚約指輪のお手入れはまるで赤ん坊の世話のようなもの。輝く指輪を眺めながら、「寝るときは外すべき?」「シャワー中はどうする?」「食器用洗剤で洗えるの?」といった疑問が浮かぶのは当然のこと。婚約指輪は、おそらく人生で最も高価なジュエリーのひとつで、それを日常に取り入れる方法に戸惑うのも無理はない。ここでは、婚約指輪を正しくケアするための、業界のエキスパートたちからの実用的なアドバイスを紹介する。

1.定期的なクリーニング

「ダイヤモンドは光との相互作用がその美しさの鍵。汚れや皮脂がたまると、その輝きを妨げてしまう」と語るのは、クリスティーズ国際ジュエリーディレクター、トム・バースタイン。「美しくカットされたダイヤモンドを手に入れたのに、それが汚れていては台無し。お手入れをしないのは、その石のポテンシャルを引き出していないということ」。

プロによる定期的なクリーニングには敵わないが、自宅でのクリーニングは、汚れや皮脂の一部を除去する助けにはなる。ぬるま湯に数滴の石鹸を加え、指輪を沈める。数分、もしくは一晩置いてから、柔らかい毛の歯ブラシで石とバスケット部分を優しく磨く。最後に水で流し、糸くずの出ない布で優しく拭くか、時間がない場合はドライヤーで乾かすのがおすすめ。「少なくとも数週間に一度はお手入れを!」。また、「自宅でケアするときは、排水口をしっかり塞ぐことを忘れずに」とのアドバイスも。

2.指輪を磨きすぎない

指輪の輝きを保つために研磨を考える人も多いが、やり過ぎには注意が必要だ。「頻繁に研磨すると、爪の金属部分が薄くなり、指輪全体が弱くなるリスクがあります」とジュエリーデザイナー兼、宝石学者のソフィア・カマン。また、指輪をクリーニングに出す際には、研磨の要、不要を明確に伝えることが重要。「ポリッシュは3~5年に一度が理想的」と、ジュエリーストア、アルカ デザインズのオーナー、ヴィト・クレイヒアンも推奨している。

3.ダイヤモンドは丈夫だが、無敵ではないことを覚えておく

ダイヤモンドは自然界で最も硬い素材だが、それでも割れたり欠けたりすることがある。これらは時間や摩耗の影響ではなく、強い衝撃によるものがほとんどだ。「1か月しか経っていない指輪に欠けができているのを見たこともある」とバースタインは言う。そのため、ハードなアクティビティを行う際には指輪を外すのがベスト。「たとえば、ロッククライミングなどのアクティビティをする際は、指輪を家に置いていくのが賢明だ。誰も欠けた指輪や緩んだ石(あるいは失くした石)を見たくはないだろう」。

4.ホワイトゴールドのジュエリーには、刺激の強い化学薬品は避けるべき

「ホワイトゴールドの指輪は通常、ロジウムメッキで仕上げられていますが、この加工は化学薬品に弱い」とカマンは説明する。漂白剤や強い洗剤はメッキにダメージを与える可能性があるため注意が必要。日常的なケアを心がけ、コーティングの耐久性も守ろう。

5.指輪を外すタイミングと、つけたままにするタイミングを見極める

手を洗うたびに大切な指輪を外したくなるのは自然なこと。それでも、その衝動を抑えるべきだ、と語るのは、デビアスのニューヨーク店ディレクター、ダニエラ・バルザーノ=ハル。「大切に扱いたいという気持ちはわかりますが、レストランで手を洗い、指輪を置き忘れてしまう花嫁が本当に多いのです」。

一方、指輪を外すべきタイミングもあるという。例えば、ビーチで過ごす日などだ。バルザーノ=ハルは、泳ぐことで体温が大きく変化し、指が細く縮む可能性があると警告する。さらに、ヴィト・クレイヒアンもビーチでの指輪着用には反対の姿勢。長時間砂にさらされることで、リングの金属が弱くなるリスクがあると指摘する。

では、ダイヤモンドを身につけるべきタイミング、外すべきタイミングの正解はいつなのか?そのルールは、リングに使われている石の種類によっても変わる。「マイクロパヴェのような繊細な石がついたリングの場合、テニスゴルフ、激しい運動時には避けるべき」と語るのは、バースタイン。こういった石は他のセッティングよりも外れやすい傾向がある。

では、寝る時はどうするのか?これについては、バースタインもバルザーノ=ハルも同意見。すべては快適さと個人の好みに委ねられる、と話す。

6.できるだけ早く石に保険をかける

「保険をおすすめします」と語るのは、ジュエリーストア、アルカ デザインズのオーナー、ヴィト・クレイヒアン。「指輪を失くしたり盗まれたりした場合、少なくとも支払ったお金が無駄になりません」。婚約指輪のような特別なジュエリーは、既存の保険契約に特約を追加することで守ることが可能だ。多くの保険会社が、この特約ポリシーを提供しており、査定書を基に指輪の価値を詳細に保証してくれる仕組み。「この査定書には、購入時の領収書を超える情報が含まれており、宝石商が発行する公式な証明書」とバルザーノ=ハルが説明。「一部の男性は指輪を購入後、プロポーズまで数か月待つこともあります。だからこそ、購入後すぐに査定書を保険会社に提出することが重要です」。ジュエリーは美しいだけでなく、資産としての価値もある。それを守るために保険の特約を活用するのは、賢い選択といえる。

7.結婚指輪のサイズ直しは慎重に

季節による気温の変化、体重の変化、旅行などはすべて指輪のフィット感に影響する。デビアスは、むくみを考慮し、午後遅く(特に午後2時30分)か、運動をした後にサイズを測ることをお勧めする。「もしも、あなたが南国の出身で、ニューヨークで指輪を試着するのであれば、ワンサイズ大きくすることをお勧めします」という。また、「妊娠中にサイズを変えることはおすすめしません」。ほとんどの女性が選ぶのは、結婚指輪のみを身につけるか、指輪を一切つけないこと。変化の期間を無理なく受け入れるという選択肢も重要だ。

もし一年を通して指輪が緩いと感じるなら、サイズを下げるのがベスト。「指輪が緩ければ緩いほど、ダイヤモンドが摩耗しやすくなり、セッティングが歪む原因にもなる」。

そしてもうひとつ、忘れてはならない重要なポイントは、カルティエCARTIER)やハリー・ウィンストンHARRY WINSTON)、グラフGRAFF)といった名門ジュエリーメゾンのリングをサイズ調整する際、シグネチャーが損なわれないように注意すること。「1930年代の美しいヴィンテージピースが、知らない宝石商によってシグネチャーをカットされてしまった例を目にすることがあります。シグネチャーは、そのリングにおける最も重要な要素のひとつなのです」。価値あるジュエリーを守るために、細心の注意を払うこと。それがタイムレスな美しさを維持する秘訣だ。

8.リングの爪とセッティングを定期的にチェックする

婚約指輪のケアにおけるもう一つの“ゴールデンルール”。それは、爪留めや石の状態を常にチェックすること。多くのジュエラーでは、年に一度の「ブロング・チェック」を推奨している。しかし、バースタインによれば、プラチナにセットされたソリテールなど、クラシックなセッティングの指輪であれば、頻繁にチェックする必要はないそうだ。「自分で爪を確認してみてください。他の爪より短いものがないか? 指輪を指の間に挟み、耳元で軽く振ってみる。もし何か音がしたら、すぐにジュエラーで調整を」。

9.家のあちこちに指輪用の食器を置いておく

ソフィア・カマンが何度も強調し、おすすめするのは“「リング用の小皿」を家のあちこちに置いておくこと”。「ポケットに入れてしまって、その後『あれ、どこに行ったの?』と慌てることが何度もありました」。バスルーム、キッチン、ベッドルーム。それぞれの場所に指輪を置ける専用のスペースを設けることで、外した後の行方不明を防ぐ。婚約指輪をケアする基本ルールの一つ。それは、指輪を失くさないようにすることだ。

10.指輪をアップグレードする前に考えよう

より大きな石に "アップグレード "することは、カップルにとって大きな節目や人生のイベントを祝う一つの方法である。しかし、カラットが大きければ大きいほど、石も大きく見えるとは限らない。カラットは単に重さであり、大きさではないことを忘れないで」とバースタインは警告する。「もしも、カラーやクラリティのアップグレードを求めるのであれば、それが目に見えて分かるものであることが必要。そうでなければ、投資する価値はない」。婚約指輪の再購入やレベルアップは、価値ある変化を見極める目が肝心なのだ。

また、もうひとつ気を付けるべき点いついてバースタインはこう続ける「情報を人やインターネットに頼るのはいいことだが、専門的な情報が多すぎるとかえって損をする。気に入った石や指輪が見つかり、それが自分の条件に合うなら、それを手に入れなさい 。そして、その指輪がそもそも“何を象徴しているのか”を決して忘れないように」。

Text: Kristi Kellogg, Boutayna Chokrane Adaptation: Saori Yoshida

From VOGUE.COM

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