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京都の街に根付き、ますます進化するクラフトジン【京都特集Vol.2】

  • 2024.12.16

【京都蒸溜所 / 季の美 House】発売から8年で日本が誇るクラフトジンの造り手に

11種類のボタニカルを6つのグループに分けて別々に蒸留。
11種類のボタニカルを6つのグループに分けて別々に蒸留。

京都ジン探訪で外せないのが、2014年にジン専門の蒸溜所として誕生し、京都のみならず、日本のクラフトジンブームを牽引してきた「京都蒸溜所」だ。フラッグシップの「季の美 京都ドライジン」は、権威あるIWSCで、2018年に最高位の「トロフィー」を受賞。蒸溜所自身も2018年と2021年の2度にわたり、トロフィーを受賞するなど、 世界的にも評価が高い。

季の美の奥深さの秘密は、柚子、山椒、生姜や日本茶の玉露など、京都産の素材を中心に選んだ11種類のボタニカルを6つのグループに分けて浸漬・抽出する蒸溜原酒にある。エレメントと呼ばれるその6種類の蒸溜原酒を、毎年わずかに違う味や香りを調整しながら、理想的な味わいになるようにブレンドしていく。この緻密で丁寧な仕事こそが、今や日本中のレストランやバーで引く手あまたのジンを生み出すのだ。

宇治抹茶のほのかな苦味とトニックウォーターの優しい甘みのバランスが絶妙な抹茶トニック。
宇治抹茶のほのかな苦味とトニックウォーターの優しい甘みのバランスが絶妙な抹茶トニック。

2020年には河原町御池に近い京都市の中心部に、カクテルバー、ショップと会員限定のバーを兼ねた「季の美 House」をオープン。築100年以上の町家を改修し、もともとあった梁や土壁、石畳はできる限り活かし、インテリアは地元の職人とコラボレーション。「森の工房 in wood」の手作りケヤキ家具や「KIRA KARACHO」の唐紙の壁紙、西陣織「細尾」のテキスタイルなどをあしらった洒落た空間で、世界が認める季の美のオリジナルカクテルや原酒を味わうことができる。

季の美の飲み比べやオリジナルカクテル、テイスティングセミナーなどが体験できる「季の美 House」。
季の美の飲み比べやオリジナルカクテル、テイスティングセミナーなどが体験できる「季の美 House」。

季の美 House

京都市中京区河原町通二条上る清水町358

Tel./075-223-0457

kyotodistillery.jp/house_kinobi/

【京丹後舞輪源蒸留所】Z世代の2人が造るフレッシュクラフトジン

ハイブリッドスチルの蒸留器を使用。茨城県の酒造メーカーで技術を磨いてから蒸留所をオープンした。
ハイブリッドスチルの蒸留器を使用。茨城県の酒造メーカーで技術を磨いてから蒸留所をオープンした。

京都の北部、日本海に突き出た丹後半島のほぼ中央にある「京丹後森林公園スイス村」。キャンプ場、バンガロー、ホテルなどからなるレクリエーション施設内に、2024年4月、「京丹後舞輪源蒸留所」がオープンした。かつてはミラーボールが輝く社交場として多くの利用客で賑わったものの、近年は老朽化して閉鎖状態になっていた「ヴィラ・マイリンゲン」をリノベーションし、Z世代の若者2人がクラフトジンの製造を始めた。

蒸留所の周辺に自生する植物を中心に、新鮮なボタニカルを使うフレッシュクラフトジン。
蒸留所の周辺に自生する植物を中心に、新鮮なボタニカルを使うフレッシュクラフトジン。

蒸留所は丹後天橋立大江山国定公園の豊かな大自然に囲まれ、周囲にはジュニパーベリーをはじめ、300種類以上の薬草薬樹が自生する。その日の朝に手摘みしたクロモジやクマザサなどのフレッシュな植物に、近隣の農家が育てた農薬不使用のレモンなどを加えた14種類のボタニカルを、個性が引き立つように抽出し、掛け合わせる。また、標高620メートルの高地に位置する蒸留所では、気圧の低い環境の下で蒸留が行われるため、フルーティな香りと軽やかな口当たりのジンに仕上がる。

山のジュニパーベリー「ネズミサシ」と海のジュニパーベリー「ハイネズ」、それに天然生蜂蜜を加えた3種類のボタニカルだけで造った限定377本のプレミアムライン「Mairingen Extra Fresh Craft Gin 2024 (PREMIUM)」も好評。蒸留所にはカフェも併設し、完全予約制でフレッシュクラフトジンの試飲や蒸留体験も可能だ。

事前に予約すれば、フレッシュクラフトジンの試飲や蒸留所の見学も可能。
事前に予約すれば、フレッシュクラフトジンの試飲や蒸留所の見学も可能。

京丹後舞輪源蒸留所

京都府京丹後市弥栄町野中10329-1

Tel./0772-66-3705

mairingen.jp

【SiCX京都蒸留所】100%自然由来に、オーガニック。次に目指すはカーボンネガティブ

ジュニパーベリーに加え、ヨモギ、オレンジピールやコリアンダーなど、自然由来のボタニカルのみを使用。
ジュニパーベリーに加え、ヨモギ、オレンジピールやコリアンダーなど、自然由来のボタニカルのみを使用。

オーナーのジン好きが高じて、2020年1月に東京・池尻大橋に専門店を開業したものの、コロナ禍で営業停止に。そんな時に、16世紀にオランダで薬として生まれたジンの起源に立ち返り、健康増進や免疫強化に貢献できるおいしくて身体に優しいジンを造ろうと、決意を新たに2022年に開業したのが「SiCX京都蒸留所」だ。オーガニックで砂糖不使用のクラフトジンを造り、併設するカフェバーで料理とともに提供している。

薬用酒として誕生したジンの原点に帰って、“カラダによいジン”を目指している。
薬用酒として誕生したジンの原点に帰って、“カラダによいジン”を目指している。

シグニチャーの「EBISU GIN」は、メインのボタニカルに、抗酸化作用を持ち、血をキレイにするといわれるヨモギを使用。人工的な香料や添加物を一切使わず、100%自然由来のボタニカルの風味だけを閉じ込めた。無農薬ヨモギのヘルシーなハーブ感と、オレンジピールやレモンピールの爽やかな香り、コリアンダーやカルダモンのエキゾチックな刺激が同居する。

また日本初のカーボンネガティブを目指す蒸留所として、ジン発祥の地、オランダ生まれで40以上の特許を持つ最新蒸留機「iStill」を導入。100分の1度単位の温度、蒸留時間をコンピューターで制御し、ロボットがヘッド、テールと呼ばれる不純物の多い部分をカットする最先端のシステムにより、圧倒的に少ないエネルギー消費量で高品質のジンを製造している。

店は京都市の中心部と東山を結ぶ七条通沿いにあり、観光客も多い。
店は京都市の中心部と東山を結ぶ七条通沿いにあり、観光客も多い。

SiCX京都東山蒸溜所

京都市東山区鞘町通七条上る下堀詰町234

Tel./075-708-5855

www.sicx.jp

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