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夫婦別姓が認められない今を未来のギャルが笑い飛ばす日を想像する

  • 2024.12.16

振り返ると、今では考えられないことは多い。

電車の中でタバコが吸えたこと、飲酒運転に対して罰則がなかった時代、会社での打刻後の残業や、強制的な飲み会参加が当然だった日々。小指を立てて「彼女?」と聞くおやじがいたことや、12月の極寒の中でM-1の敗者復活戦が野外で行われていたことなど、思い返すと、あれもこれもあり得ないことばかりだ。

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だけど、当時はそれが当たり前だと思っていたし、大きな違和感を持つことも少なかった。時が経ち、変化した今、振り返ると「あり得なかったよね」という感覚が湧いてくる。そういうふうに、時代は少しずつ変わっていくものなのだ。

そして、選択的夫婦別姓が認められていないことも、「あり得なかった」と言われる日が来るような気がしている。「え、なにそれ、きもい」と、未来のギャルが笑ってくれる日を想像する。

フェミニストでもないし、最近のダイバーシティに対する過剰な強要や、敏感であることが一種のトレンドのように扱われる風潮には、気持ち悪さすら感じている。だけど、選択的夫婦別姓に関しては、なぜ認められないのか、正直理由がわからない。

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私自身、結婚して7年が経ち、当たり前のように旦那の姓を名乗っている。
氏名の変更手続きが面倒だったことも今ではすっかり忘れてしまったし、元々は日本人に多い、平凡な姓を持っていたことから、変われたことは嬉しいまであった。だから、今さら選択的夫婦別姓が認められたとしても、正直私にはあまり関係ない。

でも、時代が進むにつれて、例えば平成から令和へ、ガラケーからスマホへ、ブラウン管から液晶テレビへと、あらゆるものが新しく便利に、その時代に合ったものへと変化するように、それくらいの感覚で、姓を選択できることが当たり前の世の中になればいいな、と思う。難しいことはよくわからないけれど、選べた方が、いいじゃんね、みたいな。

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もちろん、育ってきた時代の違いで、理解できない人たちがいることもわかっている。知人は最近結婚し、婿養子を選んだ。彼の父親は大変怒り、最終的には縁を切られて結婚式にも出席してくれなかったという。その話を聞いて、とても胸が痛くなった。家族や家系を重んじる気持ち、伝統を守りたいという思いがあることは理解できる。

そのような考えや価値観を持つことが悪ではなく、押し付けることが悪なのだ。少しだけでいいから、自由を尊重する思考が広がって欲しい。そうすれば、もっと多くの人が幸せに生きられる世の中になるのでは、と、考えている。

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ひとりごとのようなこの文章を書きながら、電車に揺られている。
ノイズキャンセリングのためにBluetoothのイヤホンを耳に挿しながら、ふと、昔はコードがあったことを思い出した。変わることは自然なことだし、新しい意見が生まれることも当たり前だ。それを受け入れたり、共有したりすることで、少しでも誰かの支えになれたらいいなと思う。

メディアは過激な意見ばかりを取り上げるけれど、もっと柔軟でナチュラルな意見や考え方があることを伝えたい。固くなった思考をちょっとだけほぐして欲しい。選択肢が増えれば、それだけ多くの人が自分らしく生きられるようになるはず。少しでも心が温かくなるような世の中になったら、いいじゃんね、みたいな。

■余白のプロフィール
神戸在住、女性、既婚、旦那と二人暮し 本とお酒を愛しています

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