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科学的に最も美しい顔?その根拠は何なのか?黄金比美人より、動物顔美人!?

  • 2024.12.15

目と目の間が4センチって、だからどうした!?

「人中が短い?」「中顔面が6.5センチ?」一体何のこと? と思った人も「目と目の間が4センチ」「顔の大きさが17センチ」とくれば、さすがに何の話かわかったのだろう。そしてすかさず、定規を持ち出して、自分の顔の大きさを測ったかもしれない。え、ワタシ、19センチもあるけどっ!と戦慄したかもしれない。

知っている人も少なくないと思うが、先ごろ大炎上した“ダヴの広告”で、デカデカと掲げられたキャッチの数々である。それは美人顔の定義や基準値。そこにマーカーでバツが書かれ、「#カワイイに正解なんてない」というメインコピーも。

もちろん、このメインコピーだけなら何ら問題がなかったわけだが、わざわざ正解とされる基準を、これでもかと挙げ連ねたことが、猛烈な批判を浴びたのだ。 これだけ話題になれば、広告のギミック的には、ある意味の効果をもたらしたのかもしれないが、たとえて言えば、この世に“人種差別”という概念があるなど知らなかった人々に、そういうものがあるんだよ、とわざわざ教えるようなもの。

「人中」も「中顔面」も知らなかった人に、それも美の基準の物差しとなるんだよということを教え、「目と目の間は4センチが一つの正解」なのだと教えてしまった。そもそもが、2人に1人は“自分の顔に自信が持てない”でいるという10代の女子へのメッセージだというが、逆に、何でまぁ、そんな余計なことを、と大半がそう思ったはずなのだ。

確かに“美人の黄金比”と呼ばれる基準は昔からあって、額から目、目から鼻下、鼻下からあご先……この3つの距離が均等であるべきとか、目の幅と、目と目の間の距離が同じであるべきとか、それはもう事細かに比率が決められている。

さらに言うなら、日本人は“黄金比”より“白銀比”と呼ばれる、もう少し横長の顔のほうが好みであると言われたりもする。それこそ余計なことを、と思うかもしれないが、結論からいって、こうした黄金比的な正解を示す顔は、整ってはいるが、何ともつまらない顔になるという見方が主流で、今やこの黄金比の話はめったに聞かれなくなっている。

つまりこうした“顔の正解”にまつわる話は、すでに一度終わっている話題で、測り方を変えても、結局は「だからどうした」という話に終わる。所詮、正解美人顔は“つまらない顔”なのだから。

実際に、黄金比通りの顔をコンピューター上でつくって感想を聞くと、魅力のない顔、野暮ったい顔、古くさい顔、どうでもいい顔、と散々な言われ方をするらしい。従って、大炎上した正解もまた「だからどうした」的な話なのである。

科学的にもっとも美しい顔は、ディオールの顔、アニャだった!

そういう意味で興味をそそられたのが、ロンドンの有名な美容外科が割り出したという「科学的に美しい顔」。これまた“科学的に”って、「なんじゃソレ?」とも思ったが、その第1位が、アニャ・テイラー=ジョイであるという記事を見て、面白いじゃないか!と。この種の“美しい顔”の話で初めて心を動かされたのだ。

言うまでもなく、アニャは今やクリスチャン・ディオールの顔。Netflixの『クイーンズ・ギャンビット』で注目を浴び、ゴールデングローブ賞の主演女優賞も獲得した実力派にして、個性が半端ではないキュート顔。ただの美人女優じゃなく、どちらかといえばファニーフェイスのアニャに白羽の矢を立てたのは、さすがディオールと感心したけれど、その顔を科学的にもっとも美しいとした“科学”にも、何だか敬意を表したくなった。

しかもその基準は、古代ギリシャの黄金比に基づく調査というのだから、もはや正しいとか正しくないという概念を超えている。なぜ古代ギリシャか、それ自体が、何やら神秘的にしてアカデミック。もともと、1:1.618……という普遍的な黄金比を編み出したのは古代ギリシャ。それこそ、巻き貝や花びらのつき方にまで共通する鳥肌モノの比率を見出して、それをパルテノン神殿などの建築にも応用した正真正銘の黄金比、これを考えたのはギリシャ時代の数学者とされるから、あながち眉唾な話ではなさそうだ。

大体が、こういう顔こそギリシャ時代の美人だったといわれれば、なるほどそうかもしれないと思えるし。

そして2位以降を見ると、2位ゼンデイヤ、3位ベラ・ハディッド、4位がマーゴット・ロビーで、5位はソン・ヘギョ、6位ビヨンセ、って一体どういう基準なのだろうと、さらに不思議になってくる。多様性を意識したのか、いろんな地域の血が入っている人が多く選ばれているのに気づかされる。ただその黄金比に合致するパーセンテージも出ていて、1位アニャは、94.66%合致、2位は94.37%、3位は94.35%と、もっともらしい数値になっているが、それにしてもこの顔ぶれ、ちょっと極端すぎやしないか。むしろ動物顔の個性派美人のランキングとしてしまったほうがいいくらい。でも、それでよいのだと思う。それこそが正しいのだ。

同じ美人でも、退屈な美人と、面白い美人がいるのは事実。昔から、ただ顔が整っているだけの美人はつまらないと言われてきたが、いよいよ面白い美人のほうが美人という時代になってきた、と捉えるべきなのではないか。面白い=魅力的、洗練されてる、一度見たら忘れられない、一緒に生きたら面白そう、そしてどこか動物的、というふうに、黄金比な美人の退屈さと対極にあることは確かなのだから。

シャネルがグローバルで、小松菜奈の顔をプレタポルテのアイコンとして使ったことがあったが、これにも激しく納得した。小松菜奈は顔そのものがモード。アニャに匹敵する面白さである。

そして、夫の菅田将暉はこの小松菜奈に最初の共演で一目惚れ。「ずっと見ていられるほど、カワイイ」とゾッコンで、以来4年間片思いを続けた末に恋を実らせたことを明かしている。“顔が好き”って、実は強固な意志と忍耐をもたらすほど強烈な感情なのである。いや、そこには顔立ちと生き方の、抜き差しならない関係がある。

よく言われるのが、爬虫類系の顔の人はミステリアスで何を考えているかわからないとか、犬顔の中でも柴犬顔は謙虚で献身的であるのに対し、チワワ顔は貪欲なまでに愛されようとする、など動物顔診断は決して無視できない正しさがあるものだけれど、顔は何らかのDNAを引き継いで、そういう形になっていると考えるべきなのだ。つまり、地球上の生き物が長い間に培ってきた法則に従って、人の顔も形づくられていると考えるべき。だから動物顔の美人ほど、生命力と行動力にあふれているとも言える。動物顔美人ほど面白い人生を生きていて、だから人を強く惹きつけるとも言えるのだ。

であるならばこの際、意識を変えよう。冒頭で挙げた「カワイイの正解」も、従来の退屈な黄金比美人もいらない。ギリシャ時代の黄金比に基づく科学的検証……端的に言って動物を思わせる美人ほど美人……その面白提案に、ここぞと従ってみたいのだ。

少なくとも、アニャもゼンデイヤも若くして頭角を現し、さまざまな才能に恵まれ、ファッションアイコンとしても超一流で、これからさらに活躍の場が広がっていくに違いない逸材。人間としてのそういうポテンシャルの高さが顔にそっくり出ているという考え方もできるはず。それこそが古代に遡ってまで引っ張り出してきた科学的根拠なのである。このランキングは面白い。面白すぎる。私たちも、もっと面白い美人を目指したい。強烈な魅力を持つ動物顔を。

この際、意識を変えよう。「カワイイの正解」も、従来の黄金比美人もいらない。ギリシャ時代の黄金比に基づく「動物顔の美人こそが美人」という面白提案に、ここぞと従ってみよう。

撮影/戸田嘉昭 スタイリング/細田宏美 構成/寺田奈巳

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