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視聴数100万人? 麻雀・Mリーグの今後の展望とは #Mリーグ監督座談会こぼれ話

  • 2024.12.15

2018年にはじまり、この秋で7年目を迎える麻雀のナショナルリーグ「Mリーグ」。男女混成のチーム戦、選手達はスポーツのような華やかなユニフォーム姿で対局を行う、などこれまでの麻雀のイメージを大きく変えるようなフォーマットが人気を博し、年々その盛り上がりを大きくしている。 今回は2023-24シーズンでファイナルステージに進んだ、U-NEXT Pirates(U-NEXT)、赤坂ドリブンズ(博報堂)、KADOKAWAサクラナイツ(KADOKAWA)、EX風林火山(テレビ朝日)の4チームの「監督」達に話を伺った。 チームの勝ち負けだけでなく、各会社の事業としてMリーグに携わる監督たち。ビジネス的な視点も踏まえた「今後のMリーグの展望」を聞いてみた。※本稿は『Mリーグ2024-25公式ガイド』(監修:一般社団法人Mリーグ機構/KADOKAWA)より、同書未掲載のインタビュー原稿を編集しました。

現状は成功しているが、10年後20年後にどうなっているかは未知数

——ここまでのMリーグは、視聴数やスポンサー数なども年々増加しており、成功と言って良いのではないかと思いますが、Mリーグの今後について、監督の皆さんから要望やこうしたいといった展望はあるでしょうか。

木下(U-NEXT Pirates):すでにルールとかシステム面はある程度完成しているとは思っていて、だからこそこの先10年とか20年のスパンで考えたときにどうすれば良いかというのは正直ビジョンが見えない状態です。そこが課題といえば課題なのかもしれません。

藤沢(EX風林火山):今の選手たちであと何年やるの、っていう気もするんですよね。麻雀は他の競技と比べて年齢的な衰えがゆるやかじゃないですか。そうなるとどこで引退ということになるのか、同じ選手でずっとやるのか。

越山(赤坂ドリブンズ):それはありますよね。麻雀は60歳になっても全然現役でやれるゲームです。Mリーグを初年度からずっと観ている人、Mリーグ以前から競技麻雀を観ている人からしたら「何年、多井と瀬戸熊で戦ってんの」、となって飽きてしまう可能性もある。

森井(KADOKAWAサクラナイツ):それは難しい問題で答えが出ませんよね。同じメンバーで長年やることで飽きられる可能性はありますが、一方で同じメンバーだからこそ生まれるドラマや愛着もありますし。

越山:そうなんです。なので今は、ファンの感情も含めてこれからどうなっていくんだろうと見守っている感じだと思います。

藤沢:私もそういう意識です。

越山:今後どこを目指していくか、というところで言うならばやはり収益構造の話になるのかなと思います。Mリーグ自体はほっといても広まっていくと思うんですよ。まだまだMリーグを知らない人もたくさんいるわけじゃないですか。でも野球を知らない人はいない。

森井:野球を知った上でサッカーを選ぶ人はいるけど知らない人はいない、ということですね。Mリーグは年々注目度が上がっていると思いますが、まだまだ知らない人も多い。

越山:そうそう。知ってくれる人が増えたら、そのうちの何割かは必ずファンになってくれるので、市場の原理としてMリーグの規模は拡大していきます。その上でどこを目指すのかというと、収益構造の話になるのかなと思います。ビジネスとして各チームや機構自体が儲けていかないといけないけど、その手段もいまいちわからないのが実情です。

藤沢:イベントとかグッズ販売、スポンサー獲得とかいろいろみんなが試行錯誤している段階ですよね。

越山:選手の年俸もどんどん上がっていく世界が理想ですが、じゃあ今からスポンサー収益を2倍3倍にするというのは難しいじゃないですか。そうなるとやっぱり賞金額を1億円にしてもらう、っていう話になるんじゃないかと思っています。

森井:それが大事ですよね。Mリーグ機構が大口のスポンサーをつけて、賞金額が上がってより一層夢のある世界になるというのが現実的な気はします。

越山:賞金5,000万円というのは、Mリーグができた当時の麻雀界からしたら「おお、すげえ」と言われる金額でしたけど、今のMリーグの規模感で考えたらやっぱり億でしょ、って思いますよね。

——現状の入れ替えルール(チームが2年連続、同一メンバーで規定以上の成績を出せないと翌年は強制的に1名以上選手を入れ替えなければならないルール)も、そういったマンネリ化を防ぐためにあるものだと思いますが、監督視点ではどうなのでしょうか。

森井:必要なものというのもわかりますが、自分はチームが一つの完成形になるまで3年かかると思っているので、これ以上規定が厳しくなって毎年入れ替えが発生するようなルールになったらかなり辛いと思います。ファンの皆さんもどこに愛着を持つのか難しくなると思う。

木下:例えば今、堀慎吾選手(KADOKAWAサクラナイツ所属)を応援しているファンの方々が「ドリブンズの堀慎吾」になったときに同じように応援したいのかはまだわかりませんよね。

森井:そうなんです。時々話題になるチーム間の選手トレードについては、麻雀はポジションの概念がありませんからね。野球でいうと長距離打者が欲しいチームと、リリーフピッチャーが足りないチームの利害が一致してトレードになる、ということがないのも選手の動きを生みづらい要因かなと思います。

越山:そう、現状は選手を入れ替える意味が特に無いんですよね。けど長期的に見るならそれを作っていかなきゃいけないんじゃないかと。例えば、もし新チームができるならそのタイミングで「各チーム2名だけホールドできるけどそれ以外の選手は全員放出してドラフトをし直す」みたいな。

藤沢:それが正解かはわからないけど、そういう5年後10年後を見据えてどうしていくべきかという話を、Mリーグ機構と我々とでしないといけないですね。

森井:未来が広がっているからこそ、その未来をどうしていくかというのを考えないといけないタイミングになっている、ということかもしれません。

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