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引きこもりの陰キャだったはずが、スレンダー美女に転生した――けど!? 思わず一歩踏み出したくなる、転生ダイエットストーリー!【書評】

  • 2024.12.14

太っているから、陰キャだから、何をしてもどうせ明るく可愛い子みたいにはなれない。それなら無理にダイエットなんて頑張らず、好きなものを食べて生きても一緒。心のどこかでそんな諦めモードになってしまい、自分磨きをやめてしまった人も多いはず。筆者も、一時はそれで86キロまで体重が増えたことがある。

『転生してスリムになったのにまた太った私が生まれて初めて努力して10kg痩せるまで』(みずさわるる:著、とがわ愛:監修/KADOKAWA)は、そんな筆者みたいに諦めモードになっている人が、「今からでもやってみようかな?」と思うきっかけをくれる、自分自身を見つめ直せるダイエットストーリー。物語形式で進んでいく転生ファンタジーでありながら、累計70万部『はじめてのやせ筋トレ』(とがわ愛:著、坂井建雄:監修/KADOKAWA)の著者であるとがわ愛氏が監修した筋トレやストレッチ、ダイエットコラムなども盛り込まれており、実際のダイエットにも使うこともできる嬉しい本。

この物語の主人公は、無職で陰キャな引きこもりの30歳女性・藤崎綾目。太っていることで頑張っても報われず、仕事も続かず辞めてしまい、面接を受けてもアルバイトすら落ちてしまうどうにもならない日々を送っていた。そんな自暴自棄な生活を送りながら暴飲暴食を続けていた綾目は、ある日自宅で意識を失ってしまう。そして目が覚めると、ナイスボディな24歳の美女・藤井アヤに生まれ変わっていた――。

藤井アヤになってからの生活は、本当にキラキラと輝かしいものだった。アヤはカリスマショップ店員で、SNSのフォロワー数も8万人超えの、誰が見ても美女と言える姿。ファッション誌からゲスト出演のオファーもかかり、モデルレッスンを受ける中で、正しく歩くだけでも思った以上にハードなことを知る。そして、「美人で痩せているから生きるのが楽そう」に見えていた人たちも実は陰で努力をしていたのだ、ということに気づく。

そんな努力する美人の一人であるモデル仲間・サツキの頑張る姿を見て「なんかカッコイイ!!」と思ったアヤは、一緒にジムへ通ってトレーニングをするなど、努力を試みる。その甲斐あって、パーティーで知り合った男性の心を射止め、一時は美人リア充生活を満喫していた。だが、容姿は変わっても中身は綾目。食欲に抗えず好き放題食べてはそのまま寝る生活に戻ってしまい、体も心も少しずつ重くなって――気がつくと、藤崎綾目だったころと変わらない姿になっていた――。

ごく稀に例外もいるが、基本的には痩せていようが太っていようが、所詮は同じ人間の体。大抵の人間は、食べるものや量、生活習慣などであっという間に体形も体重も変わってしまう。しかし裏を返せば、ちゃんとした生活を送れればしっかり痩せられるということでもある。そして「一度失敗したら終わり」というものでもない。いつからでも、何度でも始められる。「体重が○キロ戻っちゃったからもういいや」ではなく「また明日から頑張ろう」と思えることが大事なのだと、本書を読んでいると改めて感じさせられた。

自暴自棄になってしまったアヤは、失意の中、赤信号で車の通っている道へフラフラと歩いていく。だがサツキに助けられ、そこから家賃滞納で退去勧告の来ていたマンションを引き払い、サツキの家でお世話になりながら改めてダイエットについて学び、浮上していく。アヤに限らずこれまでの生活を変えるのは、習慣化するまでは誰でもかなり苦しいもの。しかし小さなことから少しずつでも変えていけば、いずれそれが定着して自分の普通になっていく。そうして変化を実感できるようになれば、案外頑張れるものだ。

サツキの助けによって立ち直ったアヤは、再び自立を目指して同居生活に終止符を打つ――はずだったが、ここでまた予想外の展開が!? 藤井アヤが、藤崎綾目がここからどうなっていくのか、ぜひとも最後まで見届けてほしい。筆者も最近ダイエットがおろそかになっていたが、本書を読んで、改めてまた頑張りたくなった。

文=月乃雫

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