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冬の免疫力アップに。ウコンの効果効能と、自宅で作れるウェルネスショットのレシピ

  • 2024.12.14

ウコン(ターメリック)の健康効果とは?

Turmeric root

体に良い成分が凝縮されているウコン(ターメリック)は、自然界で最も強力な抗炎症剤のひとつ。南アジア料理によく使われるこの植物の健康効果は何十年にもわたって研究されており、アルツハイマー病から湿疹まで、さまざまな症状の予防や治療に役立つことが期待されている。

ウコンが持つ力の多くは、その活性化合物であるクルクミンに由来する。この抗酸化物質には、抗炎症、抗酸化、抗菌、抗真菌、さらには抗寄生虫作用があることが証明されているという。以下では、ウコンがもたらす最大の健康効果をいくつか紹介しよう。

1. 抗炎症作用

ウコンの最も有名な効果といえば、炎症を和らげることだ。多くの研究でウコンに含まれるポリフェノールの一種、クルクミンが炎症に良い影響を与えることが示されており、その効果は体全体に表れるとされている。

クルクミンのような化合物の研究を意欲的に進めるカリフォルニア大学ロサンゼルス校の臨床栄養学部長、ザオピン・リー医学博士は、「年齢を重ねるにつれて、私たちが闘わなければならないほとんどすべての症状が、炎症によって引き起こされます」と話す。彼女はこれまでにマイクロバイオームとの関係や、大学の心理学科との共同による認知機能への調査などを行なっている。

2. 認知症などの神経変性疾患の予防

クルクミンには神経保護作用と抗炎症作用があることが研究で示されており、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症などの予防や治療に役立つことも示唆されている。

3. より健康的な肌に

ウコンが肌に良いのは、化粧水クリームに配合されているときだけではない。ターメリックジュースやサプリメントには、肌を内側から和らげる効果がある。

「ウコンには抗炎症作用、抗酸化作用、抗菌作用があるので、バランスのとれた食事に取り入れることは、にきび、湿疹、乾癬など、ほとんどの皮膚疾患に有効でしょう」と、ニューヨークの認定皮膚科医であるエリシー・ラブ博士は説明する。

カリフォルニア州エンシニータスにあるSOMエステティクスの認定皮膚科医、サーミ・カリフィアン博士も、ウコンの腸への働きが肌の健康にもつながると話す。「ウコンに含まれる抗酸化物質、特にクルクミンは、紫外線による肌ダメージからの保護にも役立ちます。また、腸内細菌叢をより健康にすることで肌の透明感を間接的に高め、赤みを抑える効果もあります」

とはいえ、この成分だけで肌の状態を一変させることはできない。「ウコン入りジュース1杯の直接的な影響は、全体的な食事や生活習慣に比べれば微々たるものです」とラブ博士は付け加える。「しかし、低糖質のターメリックショットとオレンジジュースを比べれば、全体的な肌と健康のためにはターメリックショットを飲んだ方がよいでしょう」

4. がん治療に有用な成分も

ウコンに含まれるクルクミンには抗発がん作用があることがわかっており、複数の種類のがんに対する有用な補助的治療法として研究されている。

ウコンはどんな味がする?

ウコンには土臭さと苦味、そして黒胡椒や生姜のような少しピリッとしたスパイシーな風味がある。その色の鮮やかさも手伝って、柑橘類や乳製品、根菜類など、幅広い食材とも相性がいい。

ウコンは1日にどれくらい摂取してもいい?

ウコンの経口摂取における安全な量に関するデータは限られているが、国際機関JECFAはクルクミンの摂取目安量を「体重1kgあたり3mgまで」としている。ターメリックを食事から摂取する程度であれば、心配に及ばないと言っていいだろう。ある用量漸増試験では、最大12gまでのウコンの単回経口摂取は安全であるが、吐き気、嘔吐、胃のむかつきなどの消化器系の副作用があることもわかった。より大量に摂取すると、こういった副作用のリスクが高まる可能性があるため注意したい。

「ウコンを大量に摂取すると、一部の薬の効果を減少させたり増加させたり、腎臓結石のリスクを増加させたり、肝臓障害を引き起こしたりする可能性があります。サプリメントを摂取する場合、服用中の薬やほかのサプリメントとの飲み合わせなど、健康リスクをかかりつけの医者と確認する必要がある」とラブ博士は付け加える。

ウコンを避けるべき人は?

ウコンは体内の多くのシステムに有益だが、カリフォルニア州ラホヤを拠点とする認定皮膚科医ソフィア・アキヤット博士によれば、出血性疾患を患っていたり、血液をサラサラにする薬を服用している場合はリスクを伴う可能性があるため、注意が必要だという。

「血液をサラサラにする抗凝固薬(アスピリン、ワルファリン、アピキサバンなど)を服用している場合、ウコンは出血のリスクを高める可能性があるので、必ず医師に相談してください」と彼女は強調する。また、生姜やビタミンEなど、血液をサラサラにする作用のあるほかのサプリメントとウコンを一緒に摂取すると、出血やあざのリスクがさらに高まる可能性があるという。さらに彼女は、ウコンとの関連が疑われる肝障害が報告されていると指摘。「胆嚢炎、胆石症、胆道閉鎖症など、肝・胆道系疾患のある人は、ウコンの入った栄養補助食品を避けるべきです。胆汁の分泌を促進し、症状を悪化させる可能性があります」と注意を促す。

ウコンと一緒に飲んではいけない薬

前述のように、血液をサラサラにする薬やサプリメントとウコンの飲み合わせには注意が必要だ。皮膚薬で言うと、イソトレチノインや皮膚の光感受性を高める薬の効果を高める可能性があるため、日焼けしやすくなったり、あざができやすくなったりと、皮膚が弱くなってしまうことがあるとカリフィアン博士は指摘する。

「ウコンの抗炎症作用は、過酸化ベンゾイルやレチノイドのような炎症を抑えることで効果を発揮する治療薬の効果を、理論的には低下させる可能性があります。このような相互作用は危険ではありませんが、日焼け止めを使用して光線過敏症(日光アレルギー)の可能性を相殺し、サプリメントの摂取については皮膚科医と相談して、最適な結果を得るようにすべきです」

ウコンは妊娠中に摂取しても安全?

ウコンを食品から気軽に摂取することは一般的に安全と考えられているが、妊娠中や授乳中の人はウコンやクルクミンのサプリメントを避けたほうがいいと指摘する医師もいる。ターメリックジュースやサプリメントを取り入れる前に、医師に相談をしよう。

ウコンはいつ飲むべき?

ウコンは一日中、好きなタイミングで摂取することができる。しかし、アキヤット博士が指摘するように、ウコンと一緒に「何を摂取するか」が重要となる。

「ウコン単独では、ウェルネスショット、ジュース、スムージー、タブレットとして摂取することができます」と彼女は説明する。しかし、クルクミンそのもののバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)は比較的低いという。「ウコンだけを経口摂取しても、消化管ではあまり吸収されません。黒胡椒(ピペリン)や脂肪類(油、アボカド、ナッツ類)を加えれば、クルクミンの吸収率を高めることができます」

ニューヨークの人気カフェ発、ターメリックショットのレシピ

Raw turmeric curcuma powder

昔から活力と美容のための万能薬として使われてきたウコン。生ウコンが手に入れば、ミキサーにかけたものをシンプルにストレートで飲んでもいいし、お好みで生姜やレモン汁を加えてもいい。粉末のものをココナッツミルクに混ぜるのもありだ。

以下に紹介するのは、今は閉店してしまったニューヨークの人気ベジタリアンカフェ「El Rey」のトニックレシピ。体内への吸収を助けるために、小さじ1杯のココナッツオイルかギー(オメガ3が豊富な溶かしバターのこと)を加えるのが一般的だ。ウコンの量はお好みで調節してもOK。多ければ多いほど強力な強壮剤になる。

材料:

  • すりおろした生ウコン 大さじ2
  • すりおろした生生姜 大さじ1
  • カルダモンポッド 1個
  • 水 2カップ
  • はちみつ 1/4カップ
  • ドライカモミール 大さじ1
  • レモン 1個
  • スパークリングウォーターまたはココナッツウォーター

作り方:

1. ウコンと生姜の皮をピーラーでむき(ウコンの色素が付着しやすいので手袋をすると◎)、中くらいの鍋にすりおろす。カルダモンポッドのさやをつぶして殻をほぐし、種を取り除いて鍋に加える。水を加え、中火で10分ほど煮る。

2. ウコンを煮ている間に、ドライカモミールと生はちみつを別の鍋に入れ、軽く温めて香りを出す。

3. 1.と2.それぞれを目の細かいストレーナーかさらしで漉し、冷ましておく。

※密閉できるガラス容器に移して冷蔵庫で保管すれば、どちらも1週間ほど持つ。

4. 1.を1/3カップ、2.を大さじ1/2、レモン汁を半分、そしてスパークリングウォーターかココナッツウォーターを混ぜ合わせたら出来上がり。

Text: Taylore Glynn Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.COM

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