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生粋の東京人から見た東京は最先端で便利でもどこか虚しい街だった

  • 2024.12.14

東京人からして、九州や北海道は、どこか憧れの地な気がする。

美味しい食べ物、肥沃で広大な土地、水や山など透き通った天然の恵まれた大自然、四季がはっきりとした過ごしやすい気候、その土地に根付いた文化……。

「東京って、色々な人が集まる街。文化があって無いようだよね」中国地方出身で、東京で働く同僚に、東京について、そんな風に言われたことがある。

よく、テレビなどで地方出身の学生が、ずっと東京への憧れを求めて、大学や就職で上京するシーンがある。

その後も、東京から田んぼ畑が広がる地元にもどると、「都落ち」といわれたり、逆に、就職で県外でも東京でなければ、「どこか私は(東京で)挑戦しきれなかった」と心残りを抱く二十代後半の子もいたりするそうだ。

学生時代、みんなそんなに東京への憧れを抱いているんだ……と、私は地方転職して同世代の同僚たちと話していると、驚いたものだった。

◎ ◎

私は、根っからの東京人だ。東京23区(それも山手線のターミナル駅のすぐ近く)に生まれ育ち、小学校も制服を着て電車で都内の学校に通っていた。
いわゆる、「東京シティガール」というステータスが生まれた時からあったようだ。

その生活が普通だったし、転職するまでは、東京を出たことがなかった。都内にいるので、旅行も国内はほとんど行かず、どうせならアクセスの良い海外に行くことが多かった。

生まれた時から東京にいると、留学以外、なんでも都内で完結してしまうので、なかなか地方と接点を持つ機会がない。とくに、「東京人」というステータスやプライドがあるわけでもない。
ただ、生まれ育ちが東京。友人も皆東京。どこまでも都内で完結できてしまう、そんな生活圏に生まれ育ったから、「東京人」と言われるだけだ。

地方転職しなければ、国内で越境の機会がなかったので、「東京人」というプライドやステータスすらも自覚したことがなかった。東京で生まれ育ち、生活を送るのは、当たり前の日常だったからだ。

◎ ◎

そんなこんなで、地方転職し、東京に憧れる同世代と過ごすと本当に驚く。

「東京って、そんなに憧憬の的なの!?」

たしかに、便利は便利。最先端は東京に詰まっている…でも、どこか虚しい街でもあると私は思う。

私は年に数回、東京に帰省するが、帰るたびに駅前の店舗やファッションがガラッと変わっていて、びっくりする。
特に洋服は如実で、どのお店にいっても、「今年の流行り」が置いてあるが、私は東京時代、いままでこんなのに散財してたのか…と思ってしまうほど、流行がワンシーズンで一気に変わってしまう。

自覚はなかったが、流行りが変わるたびに服を買い替えていたし、いつでも先端の自分でいたいという欲求がどこかにあったのかもしれない。こんなに商業的で、ワンシーズンで変わってしまう造られたものに取り憑かれていたのかと、思ってしまった自分がいた。

それくらい、東京は先端がつまっている。
地方は、変化とは無縁な、東京で流行ったものが、全国展開されてジワジワ入り始める……こと、美容やファッションに関しては、そんな気がしている。

◎ ◎

それもあってか、たまに鉄道で、九州や北海道を旅すると、どこか地方都市での生活に憧れてしまう。私にとっては、まだ見ぬ場所であるし、便利さとコスパ、育児のしやすさなど、ソフト面も理にかなっている気がする。

次の転職先はまだ考えていないが、生粋の東京人の私は、いつか、地方都市に住んでみたいと思うようになった。

■満島のプロフィール
元大手企業の営業職OL。いまは隠居して営業職。旅行好き。

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