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【匠の技が光る】人気ドラマ「それぞれの孤独のグルメ」第4話の撮影現場に潜入ルポ

  • 2024.12.15

松重豊さん演じる井之頭五郎の〈自由に空腹を満たす姿〉が愛され、大ヒットとなったドラマ「孤独のグルメ」(テレビ東京)。
放送開始から12年、シリーズ11作目となったいまもなお、視聴者を魅了しつづける「孤独のグルメ」はどうやってできるのか?

出演者やスタッフインタビュー、撮影ルポなど、全3回の記事でその魅力をお伝えする当企画。



最終回は現在放送中の「それぞれの孤独のグルメ」第4話撮影現場ルポを多くの写真とともにお届けします。




いまをさかのぼること4カ月前、オレンジページは「それぞれの孤独のグルメ」の撮影現場におじゃましてきました!
「孤独のグルメ」は各回ドラマパートとお店パートを分けて、2~3日で撮影しているそう。
今回は、ユースケ・サンタマリアさんが主役を務めた、第4話のお店パート撮影日でした。

 

撮影は店との共同作業。1日貸し切りで本番スタート!


埼玉県川口市8月某日、朝8時。のろのろ進む台風の進路が気になる空もようです。
撮影現場は、商店街の中にある洋食店「キッチン オニオン」。
少し年季の入った看板、どこか心なごむオレンジ色の日よけテント。
そのたたずまいに「孤独のグルメっぽい!」「うんうん、五郎が好きそう」と思わずうなずきます。

店の前には照明やモニターがセッティングされ、スタッフがきびきびと準備にとりかかっていました。

現場は、保育園の園児や買い物客が行き交う商店街。通行人のじゃまにならないようスタッフが細やかに気をくばりながら、順調に撮影が進んでいきます。


スペースの関係で監督をはじめ、ほとんどのスタッフは店外でスタンバイ。
モニターで店内の様子をうかがいながら、トランシーバーでやりとりします。

「孤独のグルメ」Tシャツを着たスタッフたちは、店外から演技を見守ります。

トランシーバーで店内とコミュニケーションする監督の北畑龍一さん(手前)といっしょにモニターを見つめる脚本家の田口佳宏さん。
店外のモニターは3台。店内の様子を同時にチェックできる態勢です。

 

モニターに映る料理をチェックする監督の北畑さんと脚本家の田口さん。

シリーズ当初から培った勘で、細かな調整をスタッフに伝えるVEの赤松さん(右)。

ドラマのオープニングにも登場する原作コミックのワンシーンが脚本の表紙に! 原作へのリスペクトが伝わってきます。
まずは第4話の主人公・湊部屋の行司を務める木村正基役のユースケさんが登場し、店の入り口に待機。
そんなタイミングで、通りからゴミ収集車のメロディが……。
スタジオ撮影にはない生活感に「ああ、朝の街で撮影しているんだなぁ」と実感します。

すでに現場入りして、スタッフとの打ち合わせを終えた松重さん。
井之頭五郎になるべく上着をはおると、店内に入っていきました。

「よーい、スタート!」
スタッフの声がかかり、カメラがユースケさんの姿を追います。

 

入店前のユースケ・サンタマリアさん。役柄の生まじめなキャラクターが伝わる、ダークスーツ姿です。
メニューを吟味するシーンや注文シーンなど、場面ごとにリハーサルも行いながらていねいに撮影が進められていきます。

 

真剣さと集中力が伝わってくるカメラマンの背中。

写りこみが気になるときは、機敏な動きでスタッフが対応。

「孤独のグルメ」ならではの魅力あるシーンを撮るため、カットがかかるたびに店外と店内をフットワーク軽く行き来する赤松さん。
撮影日は朝から熱中症の危険大な蒸し暑さ。
撮影中は冷房を切って臨むため、本番の合間にはスタッフがユースケさんら出演者の背中を電動ファンや保冷剤で冷やします。

 

カットごとにモニターをチェックしに店外へ。ひとときの涼をとります。

「食べるシーン」の本番前にエアで練習するユースケさん。

監督ともにこやかに段取りを確認していらっしゃいました。

暑さの中、疲れを見せずに真剣に台本を読み込む姿もすてき!
11時過ぎ。いよいよユースケさんの食べるシーンの本番がスタートしました。
今回のメニューは、ハンバーグやえびフライがワンプレートなった盛り合わせスタイル。

 

「お子さまランチのイメージ」にこだわって探し当てたという「キッチン オニオン」のメニュー。 取材に応じてくれた湊部屋の行司・木村元基さんが、ときどき食べたくなるのが「お子さまランチのようなメニュー」なんだそう。
カットの合間に「ハンバーグ食べて、それからご飯いきます」「えびフライ、空中で1回止めましょうか」など、細やかにスタッフと打ち合わせしている姿が印象的でした。

 

ユースケさん「えびフライは、このあとふた口でいきます。ひと口だと、ちょっと厳しい」。 監督「なるほど、了解です」。

ドラマのハイライト、食べるシーンの直前。緊張感が高まる一瞬です。

いざ本番! 「そこ、映っちゃいそう!」。リハーサルでのカメラチェックで映り込みそうな場所にいたスタッフはみんなかがんで。
ハンバーグ、揚げもの、おみそ汁、ご飯をきれいに食べきり、12時半過ぎに無事にフィニッシュ。
濃密な時間があっという間に過ぎていきました。

 

スマホで台本の修正個所をチェックする田口さん。この手もとから名モノローグの数々が!
お次は休む間もなく、松重さん演じる五郎の撮影に。
「スタート」の言葉に、一瞬で五郎スイッチが入り、迷いなく食べつづける松重さん。
まさにユースケさんがインタビューで語ってくれた「一発勝負」の潔さ!

「ハーイ、カット。オッケー」
見ほれているうち、あっという間に五郎シーンの撮影は終了したのでした。

 

本物のお客さんと見間違うような、リアルなエキストラのかたたち。店舗わきのスペースで台本を確認しながら待機します。

「料理も人も大切にするいい現場だと感じました。料理おいしかったです!」。お客さん役で出演した中山博道さん(左)。
「あと20分で雨が降りだすようです」

すばやく路上撮影の準備に入っているところに、天気予報を知らせるスタッフの声が響きます。
ビニール傘を片手に店探しをするユースケさんを追い、カメラが移動。
私たちも撮影隊を追いかけます。

 

通行の人に気をくばりながら、手際よく路上撮影。

「どの店にしようかな?」。お決まりの店探しで迷うシーン。のれんをくぐって、店をのぞくも……?

「キッチン オニオン」の看板にひかれ、立ち止まる。

ラストカットとなった入店のシーン。
雨がポツポツと降りだすタイミングで、無事に撮影が終了しました。
街に迷惑がかからないよう注意しながら、どんどん撮影していくチームプレイの見事なお手並み!
モノローグのレコーディングのため、松重さん、ユースケさん、スタッフが乗り込んだ車を見送りながら、思わず拍手をしてしまったオレンジページ一同でした。

撮影の裏側を知ってから見ると、一度見たドラマもまた新たな味わいに。
第4話の再視聴は、ぜひ配信で!



 

年明けは劇場へ! 2025年1月10日「劇映画 孤独のグルメ」全国公開。

©2025「劇映画 孤独のグルメ」製作委員会
「それぞれの孤独のグルメ」に続き、新春1月10日からは「劇映画 孤独のグルメ」が公開に。
井之頭五郎を演じてきた松重豊さんが、主演・脚本・監督の3役を務め、「これがひとつの集大成」と語る自信作です。

舞台はパリ、韓国、日本。
世界を舞台に五郎に何が起きるのか⁉
内田有紀さん、磯村勇斗さん、杏さん、オダギリジョーさんなどの豪華キャストも発表され、期待が高まります。 

『オレンジページ』1月17日号(12月27日発売)の連載「気になるあの人」では、松重豊さんにインタビュー!
映画の話はもちろん、近況や現在の心境など、たっぷりとお届けします。
こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

 

テレビ東京開局60周年連続ドラマ 孤独のグルメ特別編「それぞれの孤独のグルメ」

■放送日時
毎週金曜深夜24時12分~24時52分
■放送局
テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送
■配信
各話放送終了後から、動画配信サービス「Lemino」「U-NEXT」にて第1話から最新話まで独占見放題配信
広告つき無料配信サービス「ネットもテレ東」(テレ東 HP、TVer、Lemino)にて見逃し配信

「劇映画 孤独のグルメ」

■2025年1月10日(金)全国公開
■監督:松重 豊 脚本:松重 豊 田口佳宏(「孤独のグルメ」シリーズ)
■出演:松重 豊 内田有紀 磯村勇斗 村田雄浩 ユ・ジェミョン(特別出演) 塩見三省
杏 オダギリジョー
■制作:共同テレビジョン FILM

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