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『鬼の花嫁』6巻では、新たなライバルが現れ柚子を誘拐!? 最強のあやかしに見初められた女子高生の、和風シンデレラストーリー!

  • 2024.12.13
ダ・ヴィンチWeb
『鬼の花嫁』6巻(富樫じゅん:作画、クレハ:原作/スターツ出版)

人はどうしても自分と他人を比べてしまう生き物で、自分がほしいものを手に入れた相手を妬み、憎んでしまいがちだ。「私はこんなに辛いのに」「私はずっと努力してきたのに」と、嫌悪感を「手に入れた人」に向けてしまう。心の内で思っているだけなら仕方がない面もあるが、ときには実際に足を引っ張ろうとする、もしくは逆の立場となり引っ張られてしまうことも――。

『鬼の花嫁』(富樫じゅん:作画、クレハ:原作/スターツ出版)は、そんな周囲からの横やりや攻撃的な言動を乗り越え、幸せを掴んでいくシンデレラストーリー。先日2024年11月22日には、待望のコミックス『鬼の花嫁』6巻が発売された。

本作品の主人公は、家族から不遇の扱いを受け、愛されずに育った女子高校生・柚子。人間とあやかしが共生する世界で、妹の花梨が人間の上位存在であるあやかし妖狐の「花嫁」に選ばれて以降、柚子の立場は一層弱くなり、何もかもを花梨に奪われ邪魔される辛い日々を送っていた。

「花嫁」とは、あやかしたちが人間の女性の中から見出す運命の相手のことを指す。あやかしにとって「花嫁」は、己の霊力を高めてくれる唯一無二の存在。それゆえに、生涯にわたって花嫁を絶対的に愛す性質を持つ。

そんな中、ある事情から悲しみに暮れていた柚子は、あやかしの中でも最上位である鬼のあやかし鬼龍院家の次期当主・鬼龍院玲夜(きりゅういん れいや)に出会い、花嫁に選ばれる。

そこからは家族のもとを離れて鬼龍院家へ迎えられ、玲夜に溺愛され甘やかされる生活が始まった。途中、柚子を妬みすべてをぶち壊そうとする花梨、手のひらを返し取り入ろうとする両親など、柚子に近づき問題を起こす者も現れるが、柚子と玲夜は襲い来る困難を乗り越えていく。

元々は虐げられてきたゆえに自信を持てなかった柚子も、玲夜の絶対的な愛に触れ、少しずつ彼を信用して心を開いていく。ずっと家に居場所がない中で生きてきた柚子にとって、温かく迎えてくれる家ができたことはどれだけの救いになったことだろう。学校へ行けば柚子にも信頼できる友人がいるが、「帰る場所」というのはその人の土台となる部分だ。これを持てて初めて、人は強さを培っていけるような気がしている。心優しい柚子にそうした家ができたことに、筆者としてもたまらなく嬉しくなった。

花梨や両親とのいざこざはひとまず収束へと向かうが、それで平穏な日々へ――とはいかない。あやかしや花嫁を含む人々が通う特別な学校「かくりよ学園」へ通うこととなった柚子は、玲夜の花嫁になるというのがどういうことなのか、そこで改めて突きつけられる。また、最新6巻では、玲夜が学園へ通っていた当時同級生だった陰陽師・津守、学園で出会った蛇のあやかしの花嫁・梓、柚子の幼なじみで初恋相手の浩介が新たな波乱を巻き起こしていく。

しかも今度は、柚子が津守と共謀した梓によって誘拐され、津守の家に監禁されて――!?

また、玲夜が生み出した柚子の護衛を務める使役獣の子鬼ちゃんたち、新たに現れた謎の猫2匹の活躍と可愛さにも注目してほしい。

玲夜は陰陽師である津守に打ち勝つことができるのか、この戦いがどういう結末へ向かうのか、早くも続きが読みたくて仕方がない。そして改めて、自分は誰かの足を引っ張ることに執念を燃やすなどせず、人としての道を踏み外さずに生きていきたいと心から思った。

文=月乃雫

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