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鶏むね肉を「レモン果汁」に漬け込むと柔らかくなる【研究結果】

  • 2024.12.13

ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社は、鶏肉(むね肉)をレモン果汁に漬け込む事により、鶏肉のやわらかさ等に及ぼす影響について研究を行いました。

その結果、加熱調理後の食感がやわらかくなることが確認されたとのことなので、内容を紹介します。

パサつきや硬さが気になる「鶏むね肉」

物価高が気になるときも、鶏むね肉はお値段もリーズナブルで高たんぱく質、低脂質。栄養も豊富なので自炊に活用している人も多いでしょう。

しかし、気になる「鶏むね肉のパサつき」「硬さ」。なんとレモン果汁に漬け込むことで、調理後も柔らかさが保てるのだとか。

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同社は、鶏もも肉をレモン果汁に漬け込むことによって、お肉の保水性がアップする件については、保水量が向上することを実証していました。

今回はさらに踏み込んで、加熱調理後の鶏肉(むね肉)のやわらかさや嗜好性に及ぼす影響、そのメカニズムについて検証を行ったとのことです。

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研究方法

(1)試験食品:2.5cm×2.5cm(約10g)にカットした鶏肉(むね肉)

(2)浸漬液(※1):未処理、純水、100%レモン果汁

(3)調理方法:茹で:100℃、4分間、焼き:200℃、10分間、揚げ:180℃、2分間

(4)評価方法

1.官能評価:当社パネル11名による基準サンプル(※2)との相対評価

2.物性評価:山電社製クリープメーター RE2 33005Cを用いた破断強度および60%歪率を測定
噛み切りやすさ:楔型(NO.64)による鶏肉の破断荷重[N]
変形のしやすさ:円板型(NO.2)による歪率60%時の荷重[N]

3.メカニズム解明
・ミオシン含量:SDS-PAGE(※3)による220KDaのバンドの濃さを検出
未処理を100とした場合の鶏肉中のミオシン量の相対比
・コラーゲン量:コラーゲンに特徴的に含まれるヒドロキシプロリン量をHPLC(※4)により定量
未処理を100とした場合の鶏肉中のヒドロキシプロリン量の相対比

※1…浸漬液:鶏肉10gあたり30ml
※2…評価基準[1]:純水へ6時間浸漬サンプル、評価基準[5]:レモン果汁に6時間浸漬サンプル
※3…タンパク質の分子量の差を利用して分離するタンパク質分析法
※4…液体中の成分を分離・検出する分析手法

鶏肉をレモン果汁で漬け込んだ結果……

1.官能によるレモン果汁の浸漬がやわらかさに及ぼす影響の評価

鶏肉をレモン果汁で漬け込むことで、やわらかさ等の項目で差がありました。(図1)

2.浸漬、調理、喫食工程がやわらかさへ及ぼす影響

(1)レモン果汁では、浸漬0.5時間以降「噛み切りやすさ」の尺度となる破断荷重が有意に低下し、茹でた鶏肉がやわらかくなることが確認されました。(図2)

(2) 2時間レモン果汁に浸漬した鶏肉は「焼き」および「揚げ」において「変形しやすさ」の尺度となる荷重の値が有意に低下し、加熱方法に問わずレモン果汁への浸漬でやわらかくなることが確認されました。(図3)

(3)「茹で」後の経時的変化への影響として、調理後1時間、2時間経過したレモン果汁において、「変形しやすさ」が有意に低下し、時間が経過しても鶏肉が硬くなりにくいことが確認されました。(図4)

なぜレモン果汁で柔らかくなる?

レモン果汁では、レモンのクエン酸の作用によって鶏肉のpH(※5)が酸性に偏ることで保水率の上昇が見られました。

また、クエン酸が浸透することで、鶏肉が硬くなる要因である筋原線維タンパク質(主にミオシン)や、結合組織タンパク質(主にコラーゲン)の分解・溶出が促され、鶏肉にやわらかさを与えることが確認されました。(図5)

※5…pHは水溶液の性質を測る指標で数字が小さくなるほど酸性が強いことを表す

時間が経過しても柔らかさは持続

レモン果汁に鶏肉(むね肉)を浸漬することで、茹でる・焼く・揚げるといった加熱調理後の食感がやわらかくなることが確認されました。

しかも時間が経過してもやわらかさが持続することも明らかになりました。

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<Edit:編集部>

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