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感性の赴くまま旅がしたいなら。可能性が無限大な「アイランドホッピング」のススメ

  • 2024.12.14

こんにちは!トラベルライターの土庄です。突然ですが、「アイランドホッピング」という言葉を聞いたことがありますか?

これは、一度の旅行で複数の島を巡るスタイルのことで、もともとフィリピンやギリシャのエーゲ海、カリブ海の島々が有名です。

しかし、最近では日本でもアイランドホッピングが密かに人気を集めています。

今回は、50以上にわたる国内の離島を旅してきた筆者が、アイランドホッピングの魅力とおすすめの旅行先についてご紹介します。

日本におけるアイランドホッピングの魅力とは?

日本のアイランドホッピングが海外と異なる点は、陸路でも楽しめることではないでしょうか?日本には400以上の有人離島があり、その多くが瀬戸内海に点在しています。

例えば、広島県の尾道市から愛媛県の今治市を結ぶ「しまなみ海道」は、海峡を縦断しながらサイクリングでアイランドホッピングができる稀有な場所です。

また、とびしま海道やかきしま海道、ゆめしま海道など、各島々を結ぶ海道がいくつも整備されており、その道中の港から、さらに小さな島々へ船で渡ることができます。

このように、海道という陸路を使いながら、時折あみだくじのようにバリエーション豊かな海路に接続できるアイランドホッピングは、世界的に見ても非常にユニークと言えるでしょう。

個性的な島と、それをつなぐワクワク感

皆さんのなかには、離島がまるでひとつの国のように感じられたことがある方もいるのではないでしょうか。離島には、漁港や町、山など、その島を形作る要素が詰まっており、各島ごとに異なる独自の雰囲気を楽しむことができます。

さらに、離島を船で巡る時間もまた、旅情あふれるものです。見知らぬ島から見知らぬ島へ渡る時間は、日常を離れた特別な体験であり、次にどんな出会いや風景が待っているのかと、好奇心を刺激してくれます。

可能性は無限大!コースどりを考えるのが楽しい

前述したように、特に瀬戸内海において、アイランドホッピングで組めるルートは無限大です。つまり旅程の組み方を工夫することで、自分オリジナルの旅が出来上がります。旅に出る前、ルートを練る楽しさがありますよ。

一方で、いざ現地を旅しているなかで、こっちのルートの方が面白いのでは?と柔軟に変えていける点も面白いです。船に乗る回数が増えれば増えるほど、瀬戸内海の懐の深さが実感できると思います。

海路と陸路で楽しむ「久米島」2つの絶景

それでは次は具体的に、私が今まで経験してきたアイランドホッピングのなかから、おすすめのコースとその魅力をお伝えします。

まずは沖縄県の久米島をご紹介します。沖縄の離島のなかでもこぢんまりとした島で、沖縄本島から飛行機や船でアクセスすることになります。この時点でアイランドホッピングの始まりです。

久米島の魅力は、そこからさらに海路と陸路の2つのアイランドホッピングコースがある点にあります。まずひとつ目のコースは、久米島でもっとも人気と言われる「はての浜」です。青い空とエメラルドグリーンの海、そして果てしなく広がる白い砂浜が特徴です。

日中に訪れるのも素晴らしいですが、サンセットツアーを予約することで、海上の浜辺で日没を楽しむという特別な体験ができます。

もうひとつのコースは、久米島から橋で渡れる奥武(おう)島です。沖縄の離島らしい鮮やかな海を横目に進むと、不思議な幾何学模様の畳石とソーダブルーの海が広がる景観が待っています。この独特の景色もまた、一見の価値がありますよ。

海道to海道へ。自転車でめぐる「ゆめしま海道」

しまなみ海道のすぐ横にある愛媛県上島町の4島。もともと弓削島・佐島・生名島(いきなじま)の3島が橋でつながっていたのですが、2022年に岩城島(いわぎじま)をつなぐ最後の橋が完成し、正式に「ゆめしま海道」として開通しました。

しまなみ海道から船で島へわたり、その中でゆめしま海道を巡るという、海道to海道をとれるルートは国内でも極めて稀有と言えます。そんなこのアイランドホッピングを楽しむなら、おすすめしたい巡り方はやはり自転車です。

一度船で渡らないとアクセスできないため、交通量が少なく、穏やかな島時間を感じながら、爽快なサイクリングを楽しむことができます。マイ自転車がない方でも、しまなみ海道でレンタサイクルを利用し、船で渡ればゆめしま海道を走ることが可能ですよ。

少し中級者向けのルートとしておすすめなのが、岩城島の積善山(せきぜんざん、標高370m)。なかなか体力が必要なヒルクライム(自転車で坂を上がること)が強いられますが、山頂の展望台からの眺めは絶景!特に春、桜と瀬戸内海の織りなす風景は圧巻です。

キリシタンの祈りの歴史をめぐる「五島列島」

日本の西端に位置する五島列島。名前の通り、主要な5つの島からなり、海路と陸路を組み合わせて、多彩なアイランドホッピングを楽しむことができます。

五島列島は、上五島(中通島、若松島など)と下五島(福江島、奈留島、久賀島など)に分かれ、それぞれに独自のアイランドホッピングの魅力があります。

まず上五島は、陸路が発達していることが特徴です。中通島と若松島は橋でつながっており、さらに橋を通じて世界遺産に登録されている頭ヶ島天主堂のある頭ヶ島にもアクセスできます。入り組んだ島々の地形を感じながら、各所で潜伏キリシタンの祈りの歴史に触れられるのが魅力です。

一方、下五島は海路で島々がつながっています。久賀島や奈留島には、1日に数便しかない船でアクセスするため、それ自体が何だか特別な体験です。2つの島にはいずれも世界遺産に登録された教会があり、キリシタン史跡を巡りながらアイランドホッピングを楽しめる、国内唯一の場所と言えるでしょう。

トレッキングと冒険が待つ「利尻島」と「礼文島」

日本の北の果てに位置する利尻島と礼文島では、アイランドホッピングを楽しみながらトレッキングをするのが定番です。

まず、日本百名山のひとつであり、利尻富士と称される「利尻山(標高1,721m)」は、海からそびえ立つ美しい姿と、多彩な高山植物が咲き誇ることで、多くの登山愛好家の憧れの山として知られています。

一方、礼文島には島全体にトレッキングコースが整備されており、そのなかでもおすすめなのが、港からすぐの桃岩展望コースと、礼文島のハイライトとされる岬巡りコースです。また、中級者以上には、西海岸を歩く8時間コースというワイルドなコースもあります。

利尻島には空港があり、羽田空港や新千歳空港から直接アクセスできますが、礼文島へは海路でのアクセスとなります。利尻山の登山の予備日も含めて、5日から1週間ほどの余裕を持って、利尻島と礼文島を行き来する旅を計画すれば、国内屈指のアドベンチャーなアイランドホッピングが楽しめるでしょう。

アイランドホッピングで感性にしたがう旅を

モデルコースに縛られず、自分の感性に従って自由に旅を楽しみたい方には、アイランドホッピングの旅をおすすめします。各島々の独自の雰囲気を味わいながら、忘れられない風景や人との出会いが待っています。

北海道なら利尻島・礼文島と焼尻島・天売(てうり)島、東北なら松島湾に浮かぶ浦戸諸島。関東なら伊豆諸島、東海なら三河湾や伊勢湾の島々。

関西・四国・中国なら瀬戸内離島や隠岐、九州なら壱岐と対馬・五島列島・甑島(こしきじま)列島。奄美諸島、沖縄なら沖縄離島など、日本全国のどのエリアにも素晴らしいアイランドホッピングスポットがたくさんあります。ぜひ身近なエリアからチェックをしてみてください。

All photos by Yuhei Tonosho

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