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体を温める食べ物・飲み物はこれ!冷え性のタイプ別に管理栄養士が指南

  • 2024.12.17

手や足先が冷える人と、脚全体が冷える人では冷え性の改善アプローチが異なる! 自分のタイプを知って対策すればこの冬は冷え知らず!

Maryviolet

冬に特につらい冷え。カイロを使っても、靴下を重ね履きしても、一時的な効果はあっても、冷えはなかなか改善しにくいもの。体の中から、つまり食べ物や飲み物に気を付けて、根本的な改善を図ってみませんか。管理栄養士の篠原絵里佳さんによると、冷え性のタイプは大きく分けて3つ。自分のタイプを知って、その原因に合った対策をとればこの冬は冷え知らず!

全タイプ共通!体を温める食べ物・飲み物

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まず最初に、冷えを感じるときにとると一時的に体が温まる食べ物・飲み物をご紹介! タイプ別の対策はこのあとに。

シナモン …シナモンの香りの成分「桂皮アルデヒド」が、血管を健康に保って血流を良くする働きがあるため、冷え予防にも効果的。体を冷やすといわれているコーヒーは、体を温める効果のあるシナモンパウダーを加えてみてはいかが。

生姜 …生姜の辛み成分のジンゲロールが、血管を拡張して血流を良くする。加熱すると、ジンゲロールの一部がショウガオールになり、ショウガオールには熱を作り出す働きがある。血行促進には生で、体の冷えには加熱するのがおすすめ。おすすめは生姜ご飯。ご飯を炊くときに、千切りにした生姜を加えて。スープやみそ汁、紅茶などにすりおろしの生姜を加えるのもよい。

あさり …鉄不足は冷えを招く。鉄分が豊富な食材のなかでは手軽なあさり。女性は鉄が不足している(国民健康栄養調査結果より)ため、積極的にとりいれよう。あさり佃煮をご飯に添えて食べたり、ご飯を炊くときにあさりの水煮缶を入れてあさりご飯に。この際、生姜も加えれば相乗効果も期待できる。

じゃがいも …糖質が豊富な上に、糖質の代謝を促すビタミンB1も含まれるため、温め効果が期待できる。スライサーでサッとスライスしてフライパンで炒めたところにとろけるチーズを加えて、たんぱく質も摂ろう。

かぼちゃ …かぼちゃに豊富なビタミンEは、血行を良くする効果のあるビタミン。おかずにとり入れるのはもちろん、甘く煮てシナモンパウダーをかけておやつに食べるのもおすすめ。アーモンドにもビタミンEが豊富に含まれるので、おやつにアーモンドを食べるのもよい。その際には、よく噛んで食べよう。

長ねぎ・玉ねぎ …辛み成分のアリシンが、血行を良くする効果がある。汁物や炒め物、いろいろな料理に加えてみて。体を冷やすサラダには、すりおろした玉ねぎをドレッシングに加えるとよい。

みかん・りんご …冬に旬を迎えるみかんやりんごは、体を温める効果が期待できる。りんごをくし切りにしてレンジで加熱しシナモンパウダーをかければ、相乗効果!

体を冷やす食べ物に注意!

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夏が旬の食材や暑い土地で採れる食材は、体を冷やすといわれている。

・夏が旬…トマト、キュウリ、ピーマン、ゴーヤ、ズッキーニなどの野菜/スイカ、メロン、桃、マンゴー、梨などの果物

・暑い土地で採れる食材…コーヒー、唐辛子、バナナ、パイナップルなど

サラダは、夏が旬の野菜が多く使われている上に、料理そのものを冷やして食べることが多く、体を冷やす。

夏野菜でもそのまま生で食べずに、炒めたり、煮たりするなど、温めて食べたり、体を温める食材と組み合わせたり(サラダのドレッシングに玉ねぎを加えるなど)工夫してみて。また、食事の最後は温かいスープやみそ汁などの温かいもので〆ると、冷えを予防することができる。

あなたの冷えはどのタイプ?

Linda Raymond

ここからは、冷えのタイプ別におすすめの食べ物・飲み物をご紹介。まずは自分のタイプを確認してみよう。

・手の先や足先が冷える、ほてるときもある → 「自律神経の乱れ」タイプ

・足先から脚全体が冷える、朝に足がつりやすい → 「筋肉量の減少」タイプ

・平熱が36℃未満 → 「栄養不足」タイプ

上記3タイプのほかに、手足が冷たいというよりは全身に寒気を感じたり、おなかや肩などある一部だけ冷えを感じたり、また寒いのに汗をかきやすかったり……と冷えの症状の現われ方はさまざま。タイプが合併した混合型も。それぞれのタイプの特徴で思い当たる症状や生活習慣をチェックして、それらに合わせた対策をしていこう。

「自律神経の乱れ」タイプ

Stefan Tomic

手の先や足先が冷える、ほてるときもある方は 「自律神経の乱れ」タイプかも。

以下が3つ以上当てはまれば、下部で説明する対策を試してみて。
□就寝時刻と起床時間がまちまち、不規則である
□夕食を食べる時刻が21時を過ぎる、1日2食になることが多い
□朝起きるのが辛い、寝ても疲れが取れない
□ストレスを感じることが多い
□休日も仕事をしていることが多い
□夜中に何度も目が覚める

【原因の解説】
自律神経の乱れからくる冷え性は、過度なストレスや疲労、不規則な生活などが原因で起こる。睡眠不足や眠りの質が悪いと、睡眠によるストレス解消につながらない。

冷えは血行不良が原因。血行は自律神経(交感神経と副交感神経)によって調節されている。自律神経のバランスが乱れて交感神経が優位になると血管が収縮して末梢血管の血行が悪くなり、手や足先が冷えやすくなる。

冷えの8割を占めるのがこのタイプ。デスクワークなど長時間同じ姿勢が続く方、肩こりがひどい方に多い。

【おすすめの食べ物・飲み物】
リラックスできる(鎮静作用のある)ハーブティー
・カモミールティー
・ラベンダー
・レモングラス

【実践的な対策】
・平日も休日もできるだけ同じ時刻に起床・就寝する。
・1日3食、できるだけ同じ時刻に食べる。
・リラックスする時間を作る(お風呂に入る、好きな香りやアロマをかぐ、ハーブティーを飲むなど)。
・ストレス解消法をみつける。

「筋肉量の減少」タイプ

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足先から脚全体が冷える、朝に足がつりやすいなら「筋肉量の減少」タイプかも。

以下が3つ以上当てはまれば、下部で説明する対策を試してみて。
□駅では階段を使わず、エレベーターやエスカレーターを使うことが多い
□定期的な運動はしていない
□仕事はデスクワーク中心
□車で移動することが多い
□朝食を食べないことが多い
□運動習慣がないのに、体重が減ったり、増えたりする
□食事はパンや麺(パスタやラーメン、うどん、そば等)を食べることが多い

【原因の解説】
熱をつくる筋肉の量が減ることから冷えを感じやすくなる。運動不足は筋肉量が減るだけでなく、筋肉が動かないため、血行不良にもなりやすい。

【おすすめの食材・飲み物】
・鶏肉…たんぱく質とたんぱく質の代謝を促すビタミンB6が豊富
・納豆や豆乳などの大豆製品…たんぱく質も多いが、エストロゲンに似た働きをするイソフラボン(ポリフェノール)もとることができる。
・赤身の魚(カツオ、マグロ、サバ、イワシなど)…たんぱく質とたんぱく質の代謝を促すビタミンB6が豊富。鉄も豊富。

【実践的な対策】
・1日3回食べる。特に朝食にもたんぱく質が豊富な「主菜(肉、魚、卵、大豆製品)」や「乳製品」を不足しないように食べる。
・日常生活の活動量を増やしたり(階段を使ったり、徒歩で買い物に行くなど)、ヨガやウォーキングなどの運動をする。
・主食・主菜・副菜を揃えたバランス食を心がける。たんぱく質だけでなく、たんぱく質の利用に欠かすことのできない炭水化物やビタミン・ミネラルも摂る。

「栄養不足」タイプ

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平熱が36℃未満なら「栄養不足」タイプかも。

以下が3つ以上当てはまれば、下部で説明する対策を試してみて。
□朝食を食べない
□肉や魚などの動物性食品をあまり食べない
□食事の量が少ない(お弁当や外食では残したり、すぐにお腹がいっぱいになる)
□ほぼ毎日、甘い物を食べたり飲んだりする
□野菜はサラダを食べることが多い
□軽く体を動かしても、なかなか体が温まらない
□生姜など体が温まる食べ物や飲み物をとっても、体が温まった気がしない

【原因の解説】
食事をとると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱になる。つまり体が温まる。熱(エネルギー)の素は、ご飯や芋などに豊富な炭水化物。また、炭水化物からエネルギーを生み出すために必要な鉄やビタミンB1・B2などのビタミン、ミネラル。これらの栄養素が不足していれば、体が温まると言われていることをしても、冷えを緩和することはできない。また、たんぱく質は、消化するときに熱が生まれやすいため、たんぱく質が豊富なものを食べることも大切。

【おすすめの食材・飲み物】
牛ヒレ肉・豚ヒレ肉…血液の材料になるたんぱく質・鉄・ビタミンB群が豊富
じゃがいも…糖質と糖質の代謝を促すビタミンB1が豊富
レバー…たんぱく質、鉄、ビタミンB1・B2が非常に多い。頻繁に食べる必要もないが、月に1回位は食べたい。
ツナ缶…カツオやマグロで作られているため、比較的鉄が多い。たんぱく質やビタミンB群も摂りやすい。こまめにとり入れやすいのが良いところ。

【実践的な対策】
・朝食を食べることで体温が上がる。朝食を食べる習慣がない方は、まずは、豆乳を飲む、ヨーグルトを食べる、スープを飲むなど、液体のものからとり入れて、徐々に品数を増やしていくと、無理なく朝食を食べる習慣ができる。
・主食のご飯は炭水化物が豊富なため、しっかり食べるようにする。目安はおにぎり2個くらい。主食が少ないとエネルギー不足になりやすいため、貧血のリスクにもなる。
・スイーツ好きの方は、スイーツを食べることで食事量が減りやすいため、食事に影響が出ない程度に留める。(スイーツは含まれている栄養素が糖質と脂質が多く、栄養が不足しやすい。食事は、糖質や脂質の他に、たんぱく質、ビタミン、ミネラルも含まれており、代謝が上がりやすくなり、体が温まりやすくなる)。

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朝食を食べよう! 1カ月チャレンジ

朝食を食べないと、体は温まらない。なのに、朝食を食べない方は意外と多い。

朝食を食べれば、規則正しい生活に近づけて、自律神経も整いやすくなったり、筋肉量を維持したり、増やしやすくなる。

朝食を食べていない期間が長いほど、いざ朝食を食べようとしても、胃腸が受け付けてくれないこともあるので、徐々に朝食を食べる習慣を付けよう。

最初の1週間…インスタントのポタージュスープの粉末を豆乳や牛乳で溶いて飲む。もしくは、インスタントの豆腐の味噌汁を飲む。液状のものから始めると、胃腸の負担も少なくて済む。たんぱく質をとれるもので。たんぱく質を摂ると熱が生まれやすくなる。

・2週間目…チーズトーストを追加する(トーストにスライスチーズをのせて焼く)。もしくは納豆ご飯や卵かけご飯を食べる。糖質をとることで、体も温まりやすくなったり、24時間より少し長い体内時計も24時間にリセットされ、安眠に繋がる。眠りが良くなれば、自律神経も整いやすくなる。

・3週間目…みかんを追加する。冬が旬の果物で体を温め、食物繊維やビタミンCも摂ることができるため、美容にも効果的。

・4週間目…茹でたブロッコリーを追加する。マヨネーズを付けて食べる。冬が旬の野菜をとり入れて、ビタミン・ミネラルをとる。免疫力アップにもなる。マヨネーズから摂れる脂質も、エネルギー源として重要。

1週間スパンでなく、2週間スパンで2カ月チャレンジでもOK。長いスパンをかけて、朝食を食べる習慣が付けば、体温が上がりやすくなったり、筋肉も付きやすくなるため、それにより冷えの予防にもつながる。

お話を聞いたのは管理栄養士 篠原絵里佳さん

Women's Health

<冬を快適に過ごすためのひと言アドバイス>
太りたくない、という思いから、必要以上に糖質や食事量を減らす、朝食を食べないなど、カロリー不足になっている方が多くいらっしゃいます。カロリー消費(カロリーを燃焼)させることで体が温まるので、カロリー不足の状態では冷えはなかなか改善されません。ご飯などの主食や、肉や魚、卵、大豆製品などの主菜をしっかり食べることが冷えの予防になります。食事は即効性がないため、続けるのが難しいかもしれませんが、続けることで、知らないうちに冷え知らずの体が作られていることに気付くことと思います。まずは、生姜ご飯から始めてみてはいかがでしょうか。

Profile●日本抗加齢医学会認定指導士、睡眠改善インストラクター、上級睡眠健康指導士、野菜ソムリエプロ。総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験から、体の中から健康に美しくなる生活習慣を見出し、わかりやすく発信することを得意とする。また、働く女性の健康支援に注力し、フィーカレディースクリニックにて、栄養相談・睡眠相談を担当。

From: ELLE JP

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