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なにわ男子・大橋和也、演技への不安を吹き飛ばしてくれた“天海祐希”の気配りに感謝

  • 2024.12.13
なにわ男子・大橋和也 クランクイン! 写真:松林満美 width=
なにわ男子・大橋和也 クランクイン! 写真:松林満美

天海祐希が主演を務め、中田秀夫監督とのタッグで世界累計発行部数1100万部を突破する人気児童小説を実写化した映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』。原作を忠実に再現した天海による紅子のビジュアルや、上白石萌音が初の悪役に挑戦することなども話題の本作で、なにわ男子の大橋和也がストーリーテラー的存在の小学校教師・等々力小太郎を熱演する。グループデビュー後、初の映画出演となる大橋に、本作撮影の裏話や、演技の仕事に対する思いなどを聞いた。

【写真】さすがアイドル! さわやかな笑顔を見せる大橋和也

◆先生役初挑戦 生徒役の子どもたちと積極的にコミュニケーション

老若男女、幸運な人だけが辿り着ける、ふしぎな駄菓子屋“銭天堂”を舞台に、願いが叶う「ふしぎ駄菓子」を買った人々の顛末が描かれる本作。短髪×黒髪で作品に臨んだ大橋が演じるのは、映画オリジナルのキャラクター・等々力小太郎。15年ぶりに生まれ故郷に舞い戻り母校のわかば南小学校で5年生の担任を務めるが、内向的な性格で自信が持てないながらも、生徒に悟られないよう気丈に振る舞う新米教師だ。ある日、受け持ちの生徒や家族、思いを寄せる大学の後輩など周囲に「ふしぎ駄菓子」をめぐる騒動が勃発し、事態を究明しようと奔走する。

2021年のグループデビュー後初の映画出演オファーに「よっしゃー!と思った」と明かす大橋。「ストーリーテラー的な存在で、視聴者の皆さんと同じくらいの目線で演じる役というのを聞いて。ストーリーテラーって言葉だけ知っていて何か分からなかったんですけど、名前カッコいい!と思いました」と笑う。アニメも見たそうで、「大人も子どもも楽しめるような作品だったので、実写化に参加できることがうれしい」と思ったという。

「プレッシャーというよりも、(ストーリーテラーという)名前がカッコいいというのが勝ってしまったから、俺カッコいい役するんや!って」ワクワクした気持ちで撮影に臨んだ。「ただ、先生っていうのは緊張しましたね。今までは生徒役が多かったんで」と初の教師役には特別な思いも。「小学校の時の先生ってめっちゃ大人なイメージがあったんで。27歳ってめっちゃ大人だから年齢的には先生の役をするっていうのも普通なんですけど、ちょっと自分の精神年齢を上げなきゃあかんなっていうのはありましたね。ちょっと大人なクールな感じや、面倒見のいいお兄ちゃん感も考えながらやっていました」と役作りを明かす。「先生って字きれいだよなって思って。僕、丸っこい字なんですよ。リハーサルで一回黒板に書いたらめっちゃ指摘されて、何回もやり直しました」と苦労もあった。しかし「生徒役の子たちがいたから大人になった気分で。いつも周りがメンバーとか同世代なんでワチャワチャしちゃうんですけど、生徒のみんなに囲まれると母性観が芽生えて。そのおかげで、胸を張ってやれました」と笑顔を見せた。

撮影中は生徒役の子どもたちとも積極的にコミュニケーションをとった。「教室に入って見渡すシーン。緊張しているシーンなんですけど、内心ではかわいいなぁと思って見てました」とにっこり。「本番が始まったら、みんな顔つきがコロッと変わるんですよ。それに感化されて、俺も気を引き締めてやらなあかんなっていうのもあったし、逆にカットがかかったら、みんな楽しそうにキャッキャしゃべっていて。『小学校で流行ってるの、なに?』って聞いたら、俺、『BeReal』知らんくて教えてもらいました(笑)。クランクアップの時には“小太郎先生へ”って色紙を書いてくれて、うれしすぎて泣きそうでしたね」と充実した先生体験を教えてくれた。

◆演技に対する不安も、天海祐希の存在で吹き飛ぶ


久しぶりの映画出演に「演技をするっていうこと自体に不安はありました。セリフを覚えるのが苦手なので、つまったりせえへんかなとか思ったり…」と率直な気持ちを吐露。「ダンスや歌は自信がなくなることはないんですけど、いまだに演技する時やセリフを言う時は、自信があんまりないですね。正解がない分、何が正解なのか分からへんから…」とも明かす。

だが、「天海さんといるだけで、不安は全部なくなるくらいでした。1聞いたら1じゃなくて10返してくださるんです。全部教えてくださるんですよ。ご自分の役だけじゃなくて僕の役のことも一緒に考えてくださって、めちゃくちゃ面倒見がよくて、すごい方やなと」と座長・天海祐希に助けられたと振り返る。「初日が全部グリーンバックでの撮影で、『俺、ここで演技できるかな』って不安もあったんですけど、始まったら皆さん迫力があって、ここに何があると想像できるくらいの演技をされていたので、すごいなって思って。皆さんに引っ張られて、演技も楽しかったなっていう気持ちになりました」。

小太郎が思いを寄せる相田陽子を演じる伊原六花とのシーンも見どころだ。相田は、上白石が演じるたたりめ堂店主・よどみが作る駄菓子に翻弄される。「(伊原の演技に)圧倒されて! リハの時、口ぽかーんとしてましたもん」と明かす。伊原の印象を尋ねると、「女優さんではあるけれど、ダンスもすごいですし、歌も歌えるしってなって、何ができひんの?って感じでしたね。一緒のシーンも多かったんで、話しかけてきてくださったり。僕としゃべると関西弁が出るって言ってましたけど(笑)」と打ち解けた様子だ。

「中田監督はホラー系を多く撮られていますが、でも一番撮りたいのは恋愛系だとおっしゃっていて。だから僕と六花ちゃんのシーンとか映像を見ながらすごいニヤニヤされてました(笑)」。小太郎の告白シーンなど恋愛パートの撮影も「ファンの皆さんにいつも言ってるので、恥ずかしくなかったですね! でも小太郎と相田を見ていて言葉にするのは大切やなと思いました。最初のシーンはもどかしかったですが、2人の関係性とか面白いなって思って見ていました」と振り返った。

◆欲しい「ふしぎ駄菓子」は…?


「みんなの心に響くものがたくさんある」という本作で、大橋の心に一番残ったセリフはどんなものだろう?「『幸せになるか不幸になるかは、お客様次第』っていうのはホンマにそうやなって思いました。この世界で15年やらせてもらってるんですけど、努力しないとホンマに上に上がれない世界だなって感じています。自分次第でなんでもできるようになったり、逆にできんくなったりする。そう思っていたので、胸に刺さりましたね」。

小2からダンスや歌を始めたという大橋。当時の自分に声をかけるとすると、どんな言葉を贈るのだろうか?「見てくれてる人はたくさんいるよって言いたいですね。自分が努力してても誰も見てくれてないと、高校や大学に入る時には辞めようかなっていう意識もありました。でも諦めずずっと続けていたら、見てくれてちゃんと評価してくれる人はいるんやなっていうのを体験しました。諦めずやれたからこそ今の自分がいるから、諦めずやれよって言いたいですね」ときっぱり。さらに「親の存在も大きかったですね。小2からダンスや歌をやらせてくれたっていうのもあったし、自分は何かをやりたいという欲が少なかったんですけど、夢を作ってくれた親に感謝しています」と語る。

「演技の仕事も楽しいのでもっとやりたい」と意欲を見せる大橋。ちなみにもしふしぎ駄菓子を手にするチャンスを手にしたら…?「食べても太らない駄菓子!」と即答。「たたりめ堂の駄菓子やったら、これを食べるだけでずっと痩せていくという感じだと思うんですけど、紅子さんのお店のものは、食べて鍛えたり運動したら、より痩せられるようなやつをもらえそう。それが欲しいですね」。

取材の場を絶えず明るく盛り上げてくれた大橋なら、銭天堂にたどりつく運も手に入れそう。そんな気持ちになるほど、元気をもらえるインタビューだった。(取材・文:渡那拳 写真:松林満美)

映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』は、12月13日公開。

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