1. トップ
  2. 恋愛
  3. 名字は失ってもいいがシティガールのアイデンティティは失いたくない

名字は失ってもいいがシティガールのアイデンティティは失いたくない

  • 2024.12.13

小学生の時、あ行の名字の子が、「なんで私はなんでも一番に当てられるのだろう。赤座っていう名前だからってさー」と言っていたのを思い出した。

◎ ◎

確かに、小学校の時って、行事でもなんでも、背の順か出席番号か成績順かどれが頻繁かといわれると、出席番号順が多かった気がする。

「ってことは、赤座さんは、なんでも即座に当てられても慣れてるんじゃない?」と、あ行でない私は、能天気にそんな返事をした。

そんな同級生の赤座さんも結婚した。結婚して、同窓会の席次を見ると、脇田という名字に変わったようだ。名前だけ見ると、最初、誰だかわからなかった。

私は未婚だ。だから、名字が変わることに皆はどう思うのか、全然想像がつかない。私の場合は、ありふれた名字なので、結婚したら、珍しい名字が欲しいと思う。むしろ、名字を変えてみたい人だ。
名字アイデンティティは、無い。

◎ ◎

名字は地域性を表すという。たとえば、黒谷という名字は島根県出雲市に多いらしいし、比和谷という名字は、名字業界の絶滅危惧種に入っているそうだ。たしかに、私の場合、東京生まれ育ちなので、鈴木や佐藤のような聞き慣れた名字の人が多かった。

私は、地方に来てから、東京生まれ育ちのシティガールのアイデンティティがあるからか、たしかに、もし結婚して、聞き慣れない地域性あふれる名字に変わるとしたら、一体どんな気持ちになるんだろうと不思議に思うこともある。

「その名字、香川出身?」と客先などに聞かれたら、「いや、東京生まれ育ちです。結婚して改名しました」というようなやり取りをするのだろうか……?その度、内心、やはり旧姓の方が良かった……と一人で思ったりするのだろうか?と、想像してみた。

逆も聞いてみたい。
たとえば、「神宮司」という名字の人が、東京の人と結婚して、「鈴木」という名前になったら、その時どう思うのだろう。いままでは、名字の希少性があったが、ありふれた名字になった瞬間、沢山いる匿名性の高い名前になると思う。
その時、どんな風に感じるのだろう?

私のとある「福田さん」という名字の友人が、仕事でアメリカに行った時。Fukudaという表記をみて、「Fuck(ファック)じゃないか〜!」とジョークで言われたことがあるそうだ。
福田さんなんて、日本ではごく一般的な名字だが、海を越えると、そんなふうに茶々を入れられることもあるようだ。これを聞いた時は、私も少々カルチャーサプライズを覚えた。

◎ ◎

最近は、結婚しても夫婦別姓を選択する人もいる。やはり、仕事を続けるうえで、名字が変わることは不都合が多いのだろう。

また、最近では離婚を選択する人も増えている。そんなことも想定して、あえて別姓を選んでいる人もいるのだろうか……?それは、さすがに無いよ……と言いたいが、実際のところどうなのだろう?

そんなこんなで、私は希少性の高い名字に憧れるが、結婚して家庭に入っても、東京生まれ育ちというアイデンティティは、保持していたいなと思うようになった。

■満島のプロフィール
元大手企業の営業職OL。いまは隠居して営業職。旅行好き。

元記事で読む
の記事をもっとみる