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【竹橋】丸紅ギャラリー 企画展「八幡垣睦子—古裂のメタモルフォーゼ」で和のキルトに出会う

  • 2025.1.1

八幡垣睦子、日本の伝統的モチーフを古裂数千枚で縫いあげたキルト

丸紅ギャラリーで開催中の企画展「八幡垣睦子—古裂のメタモルフォーゼ」[2024年11月26日(火)~12月21日(土)]を見て来ました。

八幡垣睦子(やわたがきむつこ)は、古い染織の裂から花鳥風月(かちょうふうげつ)など日本の伝統的モチーフをテーマにキルトを制作しているキルト作家です。1枚1枚の古裂の記憶と対話しながら縫い合わされたキルトは、作品によっては数千枚にもなります。 古裂に宿る物語が、作家の祈りにも似た想いに出会い、変容(メタモルフォーゼ)し、新しくキルト芸術へと生まれ変わった作品に出会える展覧会です。

※展示室内は撮影禁止です。展示室の外のフォトスポットでは個人利用に限り撮影ができます。撮影には注意事項をご確認いただき、他のお客様のへのご配慮をお願いします。

アメリカの家庭で代々受け継がれた「キルト」と日本の伝統的モチーフとの出会い

「キルト」は英語に由来する言葉です。アメリカの多くの家庭では、家の女性たちが手作りしたキルトが家の宝物として代々受け継がれて来たそうです。

最も典型的なキルトは、2枚の布を重ね、詰め物をして厚みを出したベッドカバー。100年前に作られたものもあるそうです。 「キルティング」と言うステッチ(縫い目)で詰め物がずれないように固定するそうです。

日本のキルティングは、アメリカに海外勤務で赴任した家族と共に現地に滞在した日本の女性らが趣味の手芸として持ち帰ったものだそうです。その後、日本でもアメリカのアンティークキルトの展覧会などで人気が高まり、キルトを趣味とする人々が増えました。

日本のキルト作家たちも、日本の文化を取り入れて独自の表現で作品を制作し始めます。古い着物や帯を再利用して、日本の伝統的なモチーフで作品を制作したのが、革新的作家の1人とされた八幡垣睦子でした。

 

出典:リビング東京Web

右、八幡垣睦子 《悠久の舞》 2024年 個人蔵 ほか出雲キルト美術館所蔵作品、企画展「八幡垣睦子 —古裂のメタモルフォーゼ」展示風景

若冲の鳳凰がキルトに!《鳳凰(ほうおう)》、神に捧げる祈りの形《悠久の舞(ゆうきゅうのまい)》

白い尾羽が優美な広がりを見せる《鳳凰》(左)。伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の《老松白鳳図(ろうしょうはくほうず)》(皇居三の丸尚蔵館収蔵)にインスパイアされた作品です。

鳳凰の羽が白く輝いているように見せる若冲の細密な描線を、八幡垣のキルトは、白い羽の輝きの変化を数百枚の綸子(りんず)の裂を用いた光の屈折により表現しています。透け感のある絽(ろ)の裂を用いて、空中で軽やかに広がる尾羽が鳳凰の優雅な姿を感じさせます。

右は、日本舞踊家の藤間緑扇の衣裳を用いた作品で《悠久の舞》。

舞踊などの芸能はご神事として神に捧げる祈りが始まりとされています。日本舞踊は着物の裾や袖を、足さばきや手首の繊細な返しで優雅に翻して、所作の美しさを表現します。「舞いは、神にささげる祈りのひとつの形として生まれたと知り、創作の原点と相通じるものを感じた。」と解説の言葉にありました。

はんなりとした優しい色調のグラデーションが春を感じさせます。

出典:リビング東京Web

左から、八幡垣睦子 《鳳凰》 2023年 出雲キルト美術館蔵、八幡垣睦子 《悠久の舞》 2024年 個人蔵

屏風仕立てのキルト《悠久の想い(ゆうきゅうのおもい)》

珍しい屏風仕立てのキルト作品《悠久の想い》です。

江戸時代後期から明治時代の色打掛を屏風に仕立てたそうです。

「それぞれの時代を経た着物が最も生かされる表現を大切にし、素材の持つメッセージを受け取ることから制作は始まります。」との言葉が添えられていました。

出典:リビング東京Web

八幡垣睦子 《悠久の想い》 2008年 出雲キルト美術館蔵

「大丈夫よ」と祈りに応える孔雀《綺麗さび・花鳥風月(きれいさび・かちょうふうげつ)》

展示室内には世界各国を巡回した作品《綺麗さび・しだれ桜》や、《綺麗さび・花鳥風月》など、多くの見ごたえのある作品が展示されています。

《綺麗さび・花鳥風月》に添えられた言葉には「殺伐とした地に、古来より天の使いと言われる孔雀が舞い降り「大丈夫よ」とメッセージを授けているかのよう」とありました。

1階ロビーには展覧会のメイン・ビジュアルとなっている《丸》が展示されていますのでこちらもお見逃しなく。

丸紅ギャラリーで開催中の企画展「八幡垣睦子—古裂のメタモルフォーゼ」は12月21日(土)まで。 古裂に宿る歴史と想いを一針一針祈りを込めてキルト芸術へと昇華させた八幡垣睦子の日本の伝統美に溢れたキルト作品に出会える展覧会です。 是非お出かけください。

※記載のないものはすべて出雲キルト美術館所蔵作品です。

出典:リビング東京Web

八幡垣睦子 《丸》 2024年 出雲キルト美術館蔵

ギャラリーグッズ

ギャラリーグッズは、しおりセット(430円)、クリアファイル《エスタックのオリーブ畑》(330円)を購入。 しおりセットは八幡垣睦子のキルト作品の図柄です。

出典:リビング東京Web

ギャラリーグッズ 丸紅ギャラリー

イタリアン・レストラン VERTERRAZA

丸紅ギャラリーと同じフロアにあるイタリアン・レストラン VERTERRAZA。展覧会にちなんだメニュー、エビとズワイガニのクリームソース ローストトマトを添えて~バジルの香り~(1‚680円)、きなことあずきのティラミス(480円)をいただきました。 パスタは、ズワイガニの旨みが溶けたパスタソースに、ローストしたトマトの酸味がよくあいます。 きなことあずきのティラミスは、洋風のマスカルポーネチーズと和のあずきが優しく溶けあっていました。

営業時間:11:00~22:00(LO Food 21:00/Drink 21:30)

電話:03-6810-0350 定休日:土曜、日曜、祝日、年末年始

※ギャラリー開催時 土曜営業 11:00~17:00

 

出典:リビング東京Web

エビとズワイガニのクリームソース ローストトマトを添えて~バジルの香り~(1‚680円)

イタリアン・レストラン VERTERRAZA

 

出典:リビング東京Web

きなことあずきのティラミス(480円) イタリアン・レストラン VERTERRAZA

〇八幡垣睦子 —古裂のメタモルフォーゼ

会期:2024年11月26日(火)~12月21日(土)

※図録『八幡垣睦子 —古裂のメタモルフォーゼ』 2024年11月26日発行

発行:丸紅株式会社

共催:出雲キルト美術館

〇丸紅ギャラリー

URL:https://www.marubeni.com/gallery/

住所:東京都千代田区大手町一丁目4番2号 丸紅ビル3階

開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)

休館日:日曜日、祝日、年末年始、展示替期間

交通:地下鉄「竹橋駅」3b 出口より徒歩 2分(東京メトロ東西線)、地下鉄「大手町駅」C2b 出口より徒歩 6分(東京メトロ千代田線)、地下鉄「神保町駅」A9 出口より徒歩 7分(東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄新宿線・三田線)

※駐車場はございません。近隣の有料駐車場をご利用いただくか、公共交通機関をご利用ください。

入館料:一般:500円

※高校生以下、障がい者とその介助者1名は無料

※着物・浴衣など、和装でのご来館の方は無料

※入館料は全額、社会福祉法人丸紅基金に寄付されます。

※現金利用不可。交通系IC、クレジットカード、QRコード決済などキャッシュレス決済のみ決済可能。

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