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SNSで暴走する承認欲求の満たし方|心理学トリセツ

  • 2024.12.12

「承認欲求」=マイナスなイメージがあるかもしれませんが、自分や相手の「認められたい」気持ちをきちんと理解して上手に付き合えば、コミュニケーションを円滑にしてくれる側面も。SNS全盛のいま、切っても切り離せない「承認欲求」のトリセツをお届けします。

SNSや仕事でのこのモヤモヤ…「承認欲求」のせいですか!?

【仕事でモヤモヤ】こんなに頑張ってるのに、全然評価されてない!(怒)
誰よりも頑張って働いているのに上司は気づいてないし、きちんと評価してくれない。昇進や昇給があっていいはずなのに…!「他者承認欲求の表れという解釈の他に、評価の正当性を求める不満の可能性も。自分の承認欲求はさておき『客観的にみてこの評価は不当ではないか』という、公平性を求めているケースもあるかもしれません」

【SNSでモヤモヤ】〝いいね〟が少ないとなんでこんなに悲しくなるの…
〝いいね〟のためにやっているわけじゃないけど、少ないと自分は認められてないのかな?と思ったり、スルーされた気がして心がポキッと折れそうに…。「SNSで〝いいね〟を欲しがるのは他者承認欲求の表れ。自分で自分のことを認められていないと、他者から認められたいという気持ちをより強く感じてしまうことも」

【SNSでモヤモヤ】友達のリア充自慢投稿、素直に〝いいね〟できません
友達のリア充アピール。手放しに〝いいね〟できず、「なんか承認欲求強くない?」とイライラしてしまう…。「他者承認欲求が強い人は他者を認めるより自分が認められたいので、素直に他者を認めるのが難しいもの。人に対して『承認欲求強いな』と感じたあなたも承認欲求が強く、磁石の両極どうしのように反発してしまっているのかも」

【SNSでモヤモヤ】自撮りが〝思ってたのと違う〟…盛れてない
ファッションも美容も頑張っているけど理想の自分とは違う気がしてガッカリ…。「周りから十分キレイとほめられても、『自分を認める=自己承認欲求』が満たされていない人や美意識が高い人は納得がいかない。逆にもっと手をかければいいのにと周囲から思われていても本人は満足していたり、美意識は人それぞれです」

「承認欲求」とは…【自己承認】+【他者承認】この2つを求める欲求です

人は「自分から認められたい」という欲求を無意識的に持っていて、これを「自己承認欲求」といいます。実は人が「この世で最も認めてほしい人」は自分。自分を認められない人は自分で満たせない欲求を他者に求める「他者承認欲求」が強くなるという相関関係もあります。しかし、他者からどれだけ認められても、自分が自分を認めてあげなければ、結局は幸せにはなれません。「自分で自分を認める」ということはある意味、他者から認められることよりも重要だと言えるでしょう。

【他者承認欲求】周りの人から認められたいのは「人間の基本的欲求」です
アメリカの心理学者マズローが提唱する人間の基本的欲求は①生理的欲求②安全欲求③所属と愛の欲求④承認欲求⑤自己実現欲求の5段階。承認欲求は4段階目に分類されています。「他者承認欲求」とは「他者から認められ、尊敬されたい」という気持ちのこと。具体的には「話を聞いてほしい」「共感してほしい」「褒めてほしい、高く評価してほしい」「自分の考えを肯定してほしい」「苦労や苦しみをわかってほしい」「気にかけてほしい、かまってほしい」などがあります。

 

「承認欲求」が強くなる理由は?

最も認めてほしい存在である自分が自分を認めてあげないと強い欲求不満状態に。この欲求不満を解消するために自分以外の人=他者からの承認欲求が強くなります。他者から認められる機会が十分ある人はそれほど他者承認を必要としませんが、認められた経験が少ない人はより承認欲求が強まります。他者から認められ承認欲求が満たされると快の刺激をもたらすため、また味わいたい、もっと強い刺激を味わいたいと承認欲求が強くなることも。SNSは〝いいね〟で承認が手軽に得られますが、過度に快の刺激を求めて中毒的になる点に注意を。

承認欲求が強くなる理由
❶自分が自分を認めてないから
❷認められた経験が少ないから
❸認められる快感に溺れているから

「承認欲求」ってゼロのほうがいいの?

承認欲求はネガティブな面だけではなく、人生に彩りを与える側面も。承認欲求がゼロだったら、褒められても認められても嬉しくない、ということになってしまいます。また「人からどう思われようがまったく気にしない」人はどんな行動を起こすかわからない場合もあるため、承認欲求が健全な社会生活を送る上での制御機能を果たしているという側面も

SNSでの「承認欲求」との上手な付き合い方が知りたい!

SNSに振り回されてると感じたら…自分を俯瞰して見ることが大事
自分の承認欲求をコントロールするためには、客観的に自分を見る「メタ認知」の能力を高めることが必要。そのためには普段から自分の行動、発言、態度を俯瞰して見るという意識を持ち続けること。SNSで自分がどう振る舞っているか、なぜ〝いいね〟が欲しいのかも客観視してみましょう。同時に、自分が相手の承認欲求を満たすような行動が取れているかも振り返ってみて。Zoomなどの録画で自分がどんな表情で人の話を聞いているか見てみると、意外と上の空だったりすることも。あなたの態度によって相手の承認欲求の満たされ方も変わることを知りましょう。

「承認欲求」強めの絡みには…相手を否定せず「時間がなくて」で回避
承認欲求を全面に出して依存してくるような人への対応で困っている場合、相手が職場の同僚などで関係を悪くすると不都合があるケースもあると思います。そんな時は「仕事が忙しい」「納期が迫っている」など「話を聞いてあげたいのは山々なんだけど物理的に無理なんだよね」という回避法を。「気持ちとして、あなたの話を聞きたくない」ということを表に出さないように気をつけて。もし「私が話を聞いてスッキリするなら聞いてあげたい」と思えるなら、みんなの役に立ちたい、貢献したいという「公欲」が満たされる行為でもあるのでぜひ聞いてあげましょう。

「承認欲求」との付き合い方、福田萌子さんはどうしてますか?

「私は私」と思えるようになったら承認欲求から自由になれた
承認欲求に左右されず「私は私」と思えるようになったのは30代になってから。10代、20代の頃はモデルの仕事の現場でも「いい子と思われたい」という気持ちと自分の意見との葛藤がありました。たとえば「どっちがいい?」と聞かれて自分の意見を伝えると「自我がすごい」「わがままだ」と言われてしまったり。今度は「どっちでもいいです」と答えると「自分の意見がない」と言われたり…。何が正解なのかわからず相手の顔色を窺ってニコニコしたり、自分らしさがまったくなかった時もありました。

そんな私が他者からの承認欲求から自由になれたのは、自分で自分を「認め」「把握する」ことで、他者に承認してもらう必要がなくなったから。「自分を認められる」ようになったのは「事実の積み重ね」のお陰です。たとえば仕事なら、入社1年目では「この仕事に向いているのか」「必要とされる存在なのか」ということがわかるにはあまりに事実も経験も少なすぎます。でも3年も経てば、事実が増えてきて「私の立ち位置はこのあたりだな」「ここまでできるようになった」と自分がわかってきますよね?「事実の積み重ね」は仕事だけでなく、趣味や習い事、日々のルーティンでもいいんです。積み重ねながら「なぜこれをしているんだろう?」と自分のしていることに向き合って、自分の選択一つ一つに「好きだから」「私がこうありたいから」と意味を持たせてあげる。そうしていくことで私らしさやこだわりが見えてきて、「私は私」と言える自分になっていく。パンケーキ作り一つをとっても、向き合えばミルクや粉の量、混ぜる回数…いくらでもこだわって極めていけますよね?何かを自分なりに楽しんで積み上げていくと、そこに対して自信が生まれ自分を承認できるようになります。「自分を把握する」ために自分にインタビューもしました。「どんな時に幸せを感じる?」「健康のために気をつけていることは?」など。「私、最近いつ幸せを感じたかな?」と掘り下げてみることで自分の幸せの形だったり、自分の求める理想や自分らしさがだんだんわかってくると、自分で自分を満たせるようになっていきました。

イラスト/つぼゆり 撮影/木村 敦 ヘアメーク/手塚裕美 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc

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