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「出たいモチベーションではありませんでした」トライアウトにやってきた男が気づいたサッカーへの想い

  • 2024.12.12
「出たいモチベーションではありませんでした」トライアウトにやってきた男が気づいたサッカーへの想い
「出たいモチベーションではありませんでした」トライアウトにやってきた男が気づいたサッカーへの想い

Text by ライター

日本プロサッカー選手会(JPFA)が主催する『JPFAトライアウト』が11日、12日に開催された。今季契約満了を言い渡されたJリーガーたちがピッチ上でスカウトにアピールした。

千葉に来てから変わった

J2ジェフユナイテッド千葉を契約満了で退団したFW高木俊幸は、今季ともに戦ったGK青嶋佑弥と11日の部に参加。強い覚悟を持ってプレーした。

「出たいモチベーションではありませんでした」トライアウトにやってきた男が気づいたサッカーへの想い
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「正直、あまり(トライアウトに)出たいというモチベーションではありませんでした。でも自分の立場は分かっていましたし、『少しでも可能性を広げたい』、『自分のプレーを見てもらいたい』という気持ちで来ました」と想いを吐露した。

今季リーグ戦では11試合に出場するも、得点に絡めなかった。9月18日に行われた天皇杯準々決勝のJ1京都サンガFC戦(0●3)を最後に公式戦の出場はストップし、スタンドから試合を見守る日々が続いた。さらにシーズン序盤は思うような結果を残せないもどかしさから、メンタルの不調に陥るなど苦しいシーズンを過ごした。

それでも自分の力を信じてひたむきに努力を続け、チームのJ1復帰を心から願った。その気持ちに応えるように、クラブと今季ともに戦ってきた仲間たちが高木の背中を押した。

「出たいモチベーションではありませんでした」トライアウトにやってきた男が気づいたサッカーへの想い
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「ジェフがクラブハウスを(シーズン終了後も)開けてくれたので、そこに来た選手たちと練習をしていました。青嶋はもちろん、トライアウトに向けて鈴木椋大や高木和徹(とおる)らキーパー陣にシュート練習などで、サポートしてもらいました。

スタッフやトレーナー、若い選手とも対人をしました。みんなに送り出してもらえて、『俺、もっとサッカーしたいんじゃん』という気持ちになりました」と前を見据えた。

契約満了については「妥当だった」と言い切り、実力不足を痛感していた。ただその一方で、身体のキレや培われた技術はまだまだ通用すると信じている。

この日2本行われた紅白戦で高木は左ウィングとトップ下でプレーした。得点こそ生まれなかったが、ボールを持てば得意の仕掛けでチャンスメイクを試みるほか、積極的な指示で急造チームをけん引した。

「出たいモチベーションではありませんでした」トライアウトにやってきた男が気づいたサッカーへの想い
「出たいモチベーションではありませんでした」トライアウトにやってきた男が気づいたサッカーへの想い

カテゴリーに関係なく、やりがいのある新天地を求める高木は自らの成長を口にした。

「千葉に来てからですね。『チームのために』という気持ちを持てたのは…。正直、若いときは自分のキャリアというか、個人の部分にすごくフォーカスして突き進んできた。そこからジェフに来て、みんなとJ1昇格を目指す中で周りの選手とつながることであったり、自分のプレー以外も考えるようになった。周りからも信頼してもらえたので、そんな気持ちになりました。サッカーってチームスポーツだし、『すごくいいな』と思えています」とポーカーフェイスが少しだけ和らいだ。

千葉で過ごした3年間が高木の心境に変化をもたらした。『俺、もっとサッカーしたいんじゃん』と、新しい舞台を心待ちにしている。

(取材・文・写真 浅野凜太郎)

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