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雅の世界を体感できる古都・京都のラグジュアリーホテル【京都特集2024 Vol.1】

  • 2024.12.12

【HOTEL THE MITSUI KYOTO】二条城に臨む格式あふれる王道のホテル

建造から300年を経たホテルのシンボル「梶井宮門」。1935年に全解体し、部材ひとつひとつを確認して修理・交換した。
建造から300年を経たホテルのシンボル「梶井宮門」。1935年に全解体し、部材ひとつひとつを確認して修理・交換した。

2024年7月、全国で6軒だけの3ミシュランキーに選ばれ、改めてその実力を証明した「HOTEL THE MITSUI KYOTO」。250年以上にわたり三井総領家の居宅のあった広大な敷地に建ち、目の前には世界遺産の二条城を臨む。エントランスでは、福井の宮大工集団によって修復された見事な「梶井宮門」がゲストを迎え、館内に一歩足を踏み入れると、ランドスケープデザイナーの宮城俊作が再設計した約1,300㎡もの美しい日本庭園が存在感を示す。歳月を重ねた燈籠や自然の庭石はそのままに、ロビーエントランス、ラウンジから、庭の水盤までが一体となるようにデザインされた庭屋一如の眺めは圧巻だ。サクラ、カエデ、ツバキなど、開業時に植えられた木々は3年が過ぎ、さらに艶やかさを増している。

ロビー、ラウンジからレストラン、バーまで、館内のあらゆるところから、庭園にアクセスできる。
ロビー、ラウンジからレストラン、バーまで、館内のあらゆるところから、庭園にアクセスできる。

すべて40㎡以上の客室は、天然素材を用いて現代の快適性を追求した上質な空間。足を延ばしてゆったりと浸れる石造りの浴槽も快適だ。シグネチャーレストランの「都季/TOKI」は、酒粕や西京味噌などの食材で京らしさを忍ばせながら、選りすぐりの旬の食材を洗練されたフレンチへと昇華させる。今では珍しくないペアリングだが、ソムリエのセレクトが秀逸で、料理とのマリアージュも完璧。ぜひトライしてほしい。

重要文化財の東大手門、東南隅櫓など、二条城を一望する「ニジョウスイート」。
HOTEL THE MITSUI KYOTO LUXURY COLLECTION AND SPA重要文化財の東大手門、東南隅櫓など、二条城を一望する「ニジョウスイート」。
向井酒造の酒粕を使い、田楽に見立てたフォアグラは、レストラン「都季/TOKI」のシグネチャーディッシュ。
向井酒造の酒粕を使い、田楽に見立てたフォアグラは、レストラン「都季/TOKI」のシグネチャーディッシュ。

注目は、敷地の地下約1,000mまで掘って源泉にたどりついたという京都では珍しい天然温泉の「サーマルスプリング SPA」。中央に鎮座する巨大な岩の周囲に4つの大きな浴槽が配され、ときおり雨のように天井から湯が降り注ぐ、幻想的な空間だ。隣接するSPAルームでは“ゴッドハンド”を持ったセラピストが極上のトリートメントを提供。館内のどこにいても至福の時間を感じることができるのだ。

「サーマルスプリング SPA」は、時、音、光、香、水の5つのテーマが織りなす、静謐で幻想的な空間。
HOTEL THE MITSUI KYOTO LUXURY COLLECTION AND SPA「サーマルスプリング SPA」は、時、音、光、香、水の5つのテーマが織りなす、静謐で幻想的な空間。

HOTEL THE MITSUI KYOTO(ホテル ザ ミツイ キョウト)

京都市中京区油小路通二条下る二条油小路町284

Tel./075-468-3100

料金/1人1泊93,610円~(2名1室利用・朝食付)※2024年12月現在

www.hotelthemitsui.com

【シックスセンシズ 京都】平安文化からインスピレーションを得た隠れ家ホテル

最上階の「3 ベッドルーム ペントハウス スイート」。屋内、屋外に広々としたリビングスペースを持ち、東山連峰を望む。
最上階の「3 ベッドルーム ペントハウス スイート」。屋内、屋外に広々としたリビングスペースを持ち、東山連峰を望む。

2024年4月、京都・東山にオープンした「シックスセンシズ 京都」は、ウェルネスサステナビリティのパイオニア「シックスセンシズ」が、ローマに続いて展開する2軒目のアーバンリゾート。平安時代の雅の文化を現代的に再解釈し、洗練と優雅を兼ね備えた空間を創り出した。レセプションの壁には「吉村楽入」の楽焼タイル504枚で源氏物語の舞台の一つ、鞍馬山を描いた屏風を、向いの壁には京都・高山寺の「鳥獣人物戯画」からインスピレーションを得たアートを配した。

レセプションの壁(左)に「吉村楽入」の楽焼タイルで鞍馬山を描いた屏風を立てた。
レセプションの壁(左)に「吉村楽入」の楽焼タイルで鞍馬山を描いた屏風を立てた。

館内を包む香りはアロマ調香デザイナー齋藤智子が、北山杉や檜、柚子などの天然の香りを重ねて創り上げたオリジナルブレンド。京都「天香堂」の塗香(ずいこう)を手に塗って嗅ぐというウェルカムリチュアルも、香りもアートとしてとらえるシックスセンシズらしい演出だ。エントランスに流れる心地よい音楽にしても、日本の二十四節気から着想を得たオールデイダイニングのオーガニックな食事しても、すべてが一体となって五感に働きかけるのだ。

東洋的な静謐な空気に包まれた屋内プール。
東洋的な静謐な空気に包まれた屋内プール。
心身の状態を整えるために水中で行うWATSU(水中ボティワーク)。
心身の状態を整えるために水中で行うWATSU(水中ボティワーク)。

定評あるスパでは、最先端のテクノロジーに伝統的なヒーリングと禅の思想を融合させた京都独自のプログラムを提供。今年9月からウェルネススクリーニングやパーソナライズボディトリートメントを含む5つのセッションと、プラントベースのディナーがセットになった宿泊プラン「ホリスティック リトリート(Holistic Retreat)」もスタート。ストレスの解消や心身のバランス調整などを目的とした日替わりのプログラムも用意され、ゲストひとりひとりに合わせたパーソナルなトリートメントが至福の癒しへと導いてくれる。

オールデイダイニング「Sekki(節気)」の地元食材を使った滋味豊かで体に優しい料理。
オールデイダイニング「Sekki(節気)」の地元食材を使った滋味豊かで体に優しい料理。

シックスセンシズ 京都

京都府京都市東山区妙法院前側町431

Tel./075-531-0700

料金/1室1泊170,000円~ ※2024年12月現在

www.sixsenses.com/jp/kyoto

【ザ・リッツ・カールトン京都】情緒あふれる鴨川に面した、街に溶け込むラグジュアリーホテル

京都駅から北に4㎞ほど。二条の鴨川沿いという絶好のロケーションにある。
京都駅から北に4㎞ほど。二条の鴨川沿いという絶好のロケーションにある。

2024年2月に開業10周年を迎えた「ザ・リッツ・カールトン京都」。情緒にあふれる鴨川のほとりに建ち、ホテルに居ながら京の街の暮らしを垣間見ることができる。メインゲートから、水に恵まれた街・京都をイメージした水盤の脇を通って館内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、人との縁を表現した壁一面のセラミックの七宝文様。ロビーやエレベーターホールの壁や天井には町家建築の格子や組子をあしらうなど、京都の職人技を伝える和のエッセンスが散りばめられている。

日本古来の七宝柄をあしらった白い陶器の壁。モダンなインテリアと和の伝統美が融合。
日本古来の七宝柄をあしらった白い陶器の壁。モダンなインテリアと和の伝統美が融合。
琵琶を無数のクリスタルビーズで覆った名和晃平の作品「PixCell-Biwa(Mica)」。名和独自の表現方法と京都の伝統文化が交錯する。
琵琶を無数のクリスタルビーズで覆った名和晃平の作品「PixCell-Biwa(Mica)」。名和独自の表現方法と京都の伝統文化が交錯する。

ロビー入り口には、名和晃平による琵琶をモチーフにした煌びやかなオブジェが置かれ、ほかにもデビット・スタンリー・ヒューエットの新作や、竹林から着想を得た三嶋りつ恵のヴェネティアガラスの作品など、館内のアートは400点を超える。専任のスタッフに迎えられて、客室へ。チェックインはすべて部屋で行うスタイルだ。2021年に全館リニューアルを終えて、廊下には石畳をモチーフにした絨毯が敷かれ、それが客室に入ると桜の花を散らした模様に変わるなど、京都らしい閑静な雰囲気を醸し出している。

明治期の関西財界を代表する実業家・藤田傳三郎の別邸「夷川邸」を、イタリアン「ラ・ロカンダ」の個室として移築。
明治期の関西財界を代表する実業家・藤田傳三郎の別邸「夷川邸」を、イタリアン「ラ・ロカンダ」の個室として移築。

館内に4つあるレストラン&バーのうち、日本料理の「水暉」は、会席・天ぷら・寿司・鉄板焼きを独立したコーナーで提供し、どの料理も妥協なしの高い水準をキープ。日本料理の素晴らしさ、奥深さを感じさせる。今年11月には、京都の暦「七十二候」をテーマにしたレストラン「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」がリニューアルし、禅寺の庭園のような静寂と調和に満ちた空間に変わった。「始末の心」を大切にする井上勝人シェフは、旬の食材に加え、余剰野菜や未利用の魚介まで余すことなく使い、極上の料理に仕立てる。

レストラン「水暉」の会席コーナー「Kaiseki Mizuki」では、落ち着いた雰囲気の中で優雅な会席料理が楽しめる。
レストラン「水暉」の会席コーナー「Kaiseki Mizuki」では、落ち着いた雰囲気の中で優雅な会席料理が楽しめる。

ザ・リッツ・カールトン京都

京都府京都市中京区鴨川二条大橋畔

Tel./075-746-5555

料金/1室1泊200,000円~(2名利用)※2024年12月現在

www.ritzcarlton.com/ja/hotels/ukyrz-the-ritz-carlton-kyoto

Text: Yuka Kumano

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