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「ニーズとかけ離れてませんか?」日本人が見落としている“保険のカラクリ”とは【インベスターZ】

  • 2025.5.16
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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

全国トップクラスの優秀な若者が集まる道塾学園を舞台に、秘密裏に学校の運営費を稼ぐ投資部の活躍を描いた三田紀房作の『インベスターZ』(講談社)。株や経営など経済に深く踏み込んだ内容が話題となり、大人からも支持を集めている人気作です。

この作品のなかには、普段の生活にも役立つ知識や考え方が盛り沢山!

本記事では人々の暮らしに深く関わる、保険の意外な事実について解説していきます。

保険大国日本(『インベスターZ』16巻・credit.141より)

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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

 

本作の主人公・財前は保険について調べていくなかで、日本は生命保険の世帯加入率約9割、1世帯あたりの年間平均支払額が約40万円にものぼると知りました。

保険に関する統計データを見てみると、2023年の生命保険市場規模はアメリカ・イギリスに次いで日本が第3位。日本は世界でも屈指の「保険大国」なのです。

ところが、自身の保険内容をしっかり把握しているひとはごくわずか。財前は「多くの人が本来のニーズとかけ離れた保険に入っているのでは?」という疑念を抱いているようでした。

日本の主流は「四角の保険」

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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

保険のトップセールスレディ・安ヶ平は「貯金は三角」「保険は四角」と独特な表現をしています。

縦軸がお金・横軸が時間のグラフを書く場合、貯金は時間と共にお金が右肩上がりになり三角型のグラフに。保険は1度保険料を支払えば契約期間中同じ金額を受け取れるので、四角型のグラフになると語ったのです。

日本ではこの「四角の保険」が主流となっており、特に加入者の死に備える「死亡保険」でその人気が顕著になっています。安ヶ平は「1回しか保険料を払っていなくても目標額を得られる」とお得感をアピールしますが、財前は納得いかない様子。

彼はその疑念を突き詰めていく内に、ここに隠されたある秘密に気付き始めます。

保険が最も必要なのはいつ?

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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク
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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

財前は四角の保険について、「実際の加入者のニーズとかけ離れてませんか?」と疑問を呈します。

例えば子供たちのために親が死亡保険に入った場合、そのお金が最も必要になるのは「子供が働けない期間」です。例えば子供が小学生であれば、中高大の学費や生活費などがかかります。

しかし、子供が成長し社会人になっていれば、金銭的な援助はほとんど必要ないでしょう。「四角の保険」はどんなタイミングでも一定の保障をしてくれますが、必要になる金額はその時々の状況で大きく変わるもの。

一見メリットが多く見える四角の保険は、顧客の事情を考えた親切な保険ではなかったのです。では顧客のニーズに応えられる、理想の保険はどんな内容になるのでしょうか。

理想は「三角の保険」

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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

財前は子供が成長するにつれ必要になるお金が減るため、保険で受け取れる金額は下がってもよいと推測します。彼は時間と共に保障金額が減る「右肩下がりの三角形」、つまり「三角の保険」が顧客ニーズに合っていると判断。

さらに、保障金額が年々減るのであれば保険料も下げるべきで、多くの加入者が保険料を払い過ぎていると主張しました。

また、財前は「保険会社はこの事実を知りながら、保険料欲しさにその情報を顧客に伝えていないのでは?」と推理しています。全ての保険会社がそうとは限りませんが、この推論を聞いてピンと来る方も多いのではないでしょうか。

現在日本で主流となっている四角の保険には、何とも大きな落とし穴が存在したのです。

まとめ

保険にまつわる本来のニーズ、それに応える理想の保険について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。この記事を読んで、「自分の保険を改めて見直したい」と思った方は多いはず。

これを機に様々な保険をチェックし、自分にとっての「理想の保険」を探してみてはいかがでしょうか。



「インベスターZ」(c)三田紀房/コルク

※本記事はコンテンツの権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。



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『インベスターZ 』16巻-139話を読む!
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