ブルーベリーは、持ち前の豊富な抗酸化物質や栄養価が高いことで評価され、長年“スーパーフード”としてブルーベリーの効能が称賛されてきた(しかも、1カップあたり83kcalと低カロリー)。今回は、イギリス版ウィメンズヘルスからブルーベリーのメリットについて、徹底解説。
「ブルーベリーには、ビタミンC、カリウム、食物繊維が豊富に含まれています」と話すのは、管理栄養士のアンジェリーク・パナゴス。スムージーや朝食ボウル、サラダ、パンケーキ、焼き菓子など、「用途が広いブルーベリーは、さまざまな方法で食生活に取り入れることができます」
ここからブルーベリーのメリットをみていこう。
ブルーベリーの栄養価値はどのくらい?
1カップ分、または148gあたりのブルーベリーには、食物繊維が4g、ビタミンCが(1日の推奨摂取量の)24%、ビタミンKが26%、マグネシウムが25%、ビタミンB6が5%を占める量が含まれている。
ブルーベリーの効果
1.免疫システムを整える
ブルーベリーに豊富に含まれているビタミンCは、免疫機能を高める働きが期待できる。ブルーベリー1カップ分食べるだけで、1日のビタミンC推奨摂取量の24%を摂取することができる。
2.がんと戦う
ブルーベリーは、抗酸化物質の含有量が高いことで有名。そもそも抗酸化物質とは、DNAに損傷を与えたり、がんを引き起こすフリーラジカルから身を守るのに役に立つ。また、ブルーベリーにはDNAの修復を助ける葉酸も含まれている。
3.老化の速度を遅らせる
ブルーベリーの抗酸化作用による別の利点を挙げるなら、紫外線や汚染、喫煙によって老化現象を引き起こすフリーラジカルを中和する効果があること。
4.血圧を下げる
小規模な研究結果ではあるが、ブルーベリーには、血圧を下げる働きを有しているため、心臓病のリスクを減少させることが結論付けられている。
5.悪玉コレステロールを下げる
ある研究によると、ブルーベリーが心臓病のリスクを減少させるもう一つの理由は、酸化悪玉コレステロールを下げる働きがあるからとのこと。
6.心臓病のリスクを改善する
1日あたり150gのブルーベリーを食べると、心血管疾患のリスクを15%低下されたという、研究結果がある。
7.脳機能を向上させる
強力な抗酸化作用を持つブルーベリーが、シワなど、目に見える老化の進行を遅らせるプロセスと同じように、脳機能にも影響を与えるため、 知能の衰退を遅らせる効果が発表されている。
8.尿路感染症を予防する
膀胱壁に細菌が付着するのを防いで尿路感染症にかかるリスクを減らすクランベリーと同じように、特に感染症を繰り返す女性にとっては、ブルーベリーにも同じ作用があると信じられているよう。
9.2型糖尿病のリスクを減らす
25年かけて行われた大規模な研究によると、週に3食分のブルーベリーを食べ続けた結果、2型糖尿病(糖尿病の95%が2型)のリスクが7%減少したことが明らかになったそう。ブルーベリーに含まれるアントシアニンが、2型糖尿病の発症要因でもあるインスリン感受性と糖質代謝に影響を与える(特に肥満体型の男女に)からではないかと研究者は推測している。
10.減量の手助けをしてくれる
ブルーベリーには食物繊維が豊富に含まれるため、満腹感が得られやすく、過剰なカロリー摂取を減らすことにつながる。別の研究では、特にフラボノイドの減量効果が確認されている。
11.筋肉の修復を早める
小規模な研究ではあるが、運動後にブルーベリーを入れたスムージーを飲むと、筋肉の修復が早まることが示唆されている。
12.骨強度を改善する
ラットを用いた動物実験の結果によると、ブルーベリーの摂取量と骨強度に関連性があることが判明している。骨強度が改善されるのは、どうやらポリフェノールのおかげのよう。
冷凍ブルーベリーはいい?
栄養価とメリット
冷凍すると細胞壁が破壊され、成分の摂取がしやすくなる。アントシアニンやビタミンE、ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、栄養素が失われる心配はない。しかしビタミンCは水溶性ビタミンのため、溶けると流れ出てしまう。保管中はなるべく溶けないように注意することが大切。
デメリット
冷凍ブルーベリーを買うことで、ブルーベリーの消費期限を伸ばすことはできるけれど、加工によってアントシアニンの効能が低下する場合もある。ある研究によれば、半年間で最大59%の効能が落ちてしまうとか。
メリットとデメリットを理解して、上手く取り入れていこう。
ブルーベリーに関するQ&A
ブルーベリーが肌にもたらす効能とは?
美容界のバズワードでもある「抗酸化物質」を豊富に含むブルーベリーは、当然ながら肌にもたらす美容効果が広く評価されている。ブルーベリーに含まれるビタミンCは、肌に透明感を与え、紫外線によるダメージから肌を保護する働きがある。
ブルーベリーを毎日食べるのはヘルシー?
どんな食材であろうと、多種多様な食材を食べるほうが健康上のメリットは多い。しかし、ブルーベリーに関して言えば、毎日食べても問題はない。ただし、ブルーベリーに限らず果物は食べすぎると胃の調子を壊してしまうので気をつけて。
どうしてブルーベリーがスーパーフードなの?
栄養価が高く、結果として健康上のメリットが多いことから、ブルーベリーはスーパーフードだと認められている。
ブルーベリーのデメリットはある?
ブルーベリーに豊富に含まれるビタミンKは血液凝固に影響するため、抗凝固薬を服用している人は、ブルーベリーの摂取を避けたほうがいい。
まとめ
自然が生んだスーパーフード「ブルーベリー」。毎日の食卓に気軽に取り入れられ、栄養価が高い点も魅力的だ。冷凍保存や摂取量に気を付けつつ、上手に活用していこう。
【監修】一般社団法人日本フードドクター食医学協会 栄養士 磯崎由佳子
現役の医師20名×管理栄養士×理学療法士×料理家による“食医学”を学べる資格を発行。「きれいな人は、よく食べる」正しく食べる知恵と本当のダイエットを伝授。体質改善をして健やかな身体と心を育てる料理レッスンを行っている。※2025年1月から10期生のクラスがスタート。随時体験レッスン受付中。フードドクター育成コースは予防医療・妊活にも活かせる食医学として医師も通う本格講座。オンライン受講も可能。
※この記事はイギリス版ウィメンズへルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。
Text: REBECCA GILLAM Translation : Yukie Kawabata