マイホームの頭金を貯めるために、当時、私は仕事から帰ってきた夫と入れ違いで、夜間のパートをしていました。寝不足になるのはつらかったものの、子どもたちを保育園に入れられなかったので、私が仕事をするにはその方法しかなかったのです。勤務時間は21時から深夜2時。家に帰ってくるのは2時半ごろでした。
エレベーターの怪
当時私が住んでいたマンションは8階建て。その7階に私は住んでいました。深夜2時半のマンションは言うまでもなく静まり返っていて、そんな時間に出歩いているのは私だけ。なんだか怖いので、いつも急いで家に向かっていました。
しかしある日、恐れていたことが起こります。エレベーターは押してもいない5階で止まり、ドアが開いたのです。
もちろん外には誰もいません。そこから先は恐怖しかなく、閉めるボタンを連打! 7階についたら、猛ダッシュで家に入りました。
恐怖に怯えながらも、5階に住んでいるママ友が「子どもが部屋の隅を見て怖がり、泣くことがある」と話していたことを思い出した私。住んでいる階も棟も違ったので、他人事のように聞いていた話でしたが、ここにきてその恐怖が私にふりかかりました。
本当に怖かったけれど、パートに行かないわけにもいかず、ましてやエレベーターに乗らないわけにはいきません。階段もありますが、夜の階段には怖い雰囲気が漂っているので余計使いたくないのです。
5階の恐怖と戦いつつも、深夜のパートを2年続けた私。その間、ボタンを押していない階でドアが開く現象を5回経験しました。それもなぜか毎回5階。
あのとき見えない誰かがいたのかはわかりません。今思い出してもゾッとします。
著者:長瀬 悠子/30代女性・パート
2児の母。マンションから戸建てに引っ越しました。
作画:たかだきなこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年11月)
ベビーカレンダー編集部