1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【編集長コラム】共に悩み、語り合い、探した私たちの40歳

【編集長コラム】共に悩み、語り合い、探した私たちの40歳

  • 2024.12.12

結婚、妊娠、キャリア……。人生の節目として、意識してしまう“40歳”という年齢。ライフステージの変化を迎える女性の迷いや悩みを共に考え、多様な生き方、価値観を伝えるtelling,では、かねてこの問題を特集してきました。いま、まさに40代を踏み出そうとする読者とライターが、telling,編集長の柏木友紀と“自分らしい1歩”について語り合いました。

「まるで天気の話でもするかのように、周囲が当たり前に子どもの話をしている時がつらい」――。telling,では7月末、読者座談会「“私たちの40歳”を探して」を開催しました。40代を前に結婚や出産、仕事といった人生の転機と自身の生き方について悩んだり迷ったりする「39歳問題」について、かねて特集を組んでいます。今回の座談会は人気連載「“私の40歳”を探して」の担当ライター(39)とアラフォーの読者らが日頃抱えている悩みや不安を語り合い、今後のヒントを探ろうと企画しました。

友人たちが次々と母になるなか、孤独に悩む独身女性は「孫を抱きたいという親にも申し訳ない」と涙ぐみます。「将来、産まなかった、結婚しなかったと後悔しないか」との不安にかられる人。婚活を進めるも、恋愛に臆病になったり、マッチングアプリの条件が厳しくなったりという悩みもあがりました。

一方で「妊活と出産を優先し、キャリア面で友人たちとの差を感じてしまう」と、母の立場からのモヤモヤを打ち明ける人も。そろって口にしたのは「生きにくさ」でした。少しずつ多様性が尊重されつつある現代でも、社会や周囲、ひょっとしたら自分の中にもある「こうあるべし」との固定観念に悩んでしまう。

独身でも既婚でも、子どもがいてもいなくても、自分らしく胸を張って生きる。その一歩は、自分が何に焦り、迷い、不安に思っているのかを冷静に見つめ、時に書き出したり口に出したりしてみること。そこから方向や対策も見えてくるのではないか。どこか少しすがすがしい表情で会場を後にした彼女たちを見て、改めてこう感じました。

【2024年8月13日朝日新聞夕刊掲載】

■柏木友紀のプロフィール
telling,編集長。朝日新聞社会部、文化部、AERAなどで記者として、教育や文化、メディア、ファッションなどを担当。教育媒体「朝日新聞EduA」の創刊編集長などを経て現職。TBS「news23」のゲストコメンテーターも務める。

元記事で読む
の記事をもっとみる