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「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」とはどんな意味?その由来や類義語は?

  • 2024.12.11

覚悟を決めることで窮地を脱することを表現したことわざ、それが「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」です。

しかし、そもそも「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」とはどのような状況を意味する言葉なのでしょうか? この記事ではそんな「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」について解説します。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」とは

ここでは「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の意味を解説します。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の意味

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は、身を犠牲にする覚悟で物事に当たってこそ窮地を脱し成就を掴めるということを例えたことわざです。

自分の命を捨てる覚悟で物事に挑むことで初めて活路が開け、成功への道が見えてくることを意味します。

現代では追い込まれた状況であっても覚悟を決めて取り組めばどうにかなるという意味で使用されるのが一般的です。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の用い方・例文

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は、困窮した事態に追い込まれた状況で使用します。

・例文1:新規事業を立ち上げて失敗してしまったが、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれという言葉を信じて頑張った結果、新たな取引先が見つかった。 ・例文2:受験に落ちてしまったものの、もう後がないと覚悟を決めて勉強をした。その結果、1浪こそしてしまったが志望校に受かった。あの時の自分はまさに身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれという心持ちだった。

このように「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は追い込まれた状況であっても覚悟を決めて取り組むことで活路が開けるという場面で使用します。

「もうダメだ」と思えるような状況であっても覚悟を決めて取り組むことで状況が好転するような場面でも使用します。

その一方、教訓の意味で使用することもあるのが特徴です。

・例文3:身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれと言われるように、命懸けで物事に取り組まなければ望み通りの結果は決して得られない。

このように誰かを鼓舞する形で使用することもあります。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の成り立ち

ここからは「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の成り立ちを解説します。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の由来

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は溺れている状況に由来する言葉です。

水に溺れかかった時は足掻けば足搔くほど深みにはまってしまいますが、逆に捨て身になって流れに身を任せればやがては浅瀬に立つことができます。

転じて、覚悟を決めて物事に取り組めば何かしらの活路が開けることを意味する言葉として使用されるようになったそうです。

「あれ」は命令形ではない

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は一見すると命令形のように見えます。

現に「〇〇であれ」という表現では「〇〇であるべき」という意味となります。

ただし「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の「あれ」は命令形ではありません。

これは「こそ」に呼応して已然形として結んだものです。

已然形とは「こそ」を受けて分を結ぶ表現方法で、ここでは「あれ」という形で結んでいるのが特徴です。

命令形ではないので注意しましょう。

出典ともされる和歌「山川の末を流れる橡殻も 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の出典については『故事ことわざ知識辞典 日本編』にて言及されています。

実際に『故事ことわざ知識辞典 日本編』には空也上人の作と伝える和歌「山川の末を流れる橡殻も 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」が出典とあります。

そのため「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」はもともと「山川の末を流れる橡殻も 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という言葉だったと考えられるでしょう。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の類義語

ここからは「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の類義語を紹介します。

肉を切らせて骨を切る

「肉を切らせて骨を切る」は、自分も痛手を受ける代わりに相手にそれ以上の打撃を与えることを例えたことわざです。

別の表現では「肉を切らせて骨を断つ」とも表現されます。

言葉自体は自分の肉を切らせて初めて相手の骨を切ることができることを指します。

要は捨て身の覚悟を持って初めて敵に勝てるということを表現した言葉です。

その点が「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と重なるのではないでしょうか。

死中に活を求める

「死中に活を求める」は、ほとんど助からないような状況でもなお生き延びる道を探し求めることを例えたことわざです。

別の表現では「死中に生を求む」とも表現されます。

古代中国の書物では『晋書-呂光載記』や『後漢書-公孫述伝』などで使用例が見られ、その言葉が日本にも広まったとされています。

まとめ

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は覚悟を決めてこそ窮地を脱するための活路が見えてくるということを表現したことわざです。

ピンチに追い込まれた際、覚悟を決めることで窮地を脱するためのチャンスが見えてくるものです。

この心構えは日常でも役に立つので、ぜひ心に「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という言葉を留めておいてはいかがでしょうか?

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