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『モアナと伝説の海2』が、北米に続いて日本でも大ヒットの船出!ディズニーアニメは“続編”が今後の主流に?

  • 2024.12.9

12月6日から12月8日までの全国映画動員ランキングが発表。日本よりもひと足先に公開を迎えた北米では、早くも興行収入3億ドルを超えるメガヒットとなっているウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ(WDAS)の最新作『モアナと伝説の海2』(公開中)が日本でもロケットスタート。初登場No. 1という称号と共に華々しい船出を飾った。

【写真を見る】北米を熱狂させてからわずか9日遅れでの日本公開!前作から7年、人気が衰えないディズニーの強みをフルに発揮

前作を上回るオープニング成績で『モアナと伝説の海2』が1位スタート!

前作『モアナと伝説の海』は興収50億超えの大ヒット!今作はそれ以上が狙えるかも [c] 2024 Disney. All Rights Reserved.
前作『モアナと伝説の海』は興収50億超えの大ヒット!今作はそれ以上が狙えるかも [c] 2024 Disney. All Rights Reserved.

2017年の春休みに公開され、興収51億6000万円の大ヒットとなった『モアナと伝説の海』(16)の続編である『モアナと伝説の海2』。初日から3日間(12月5日の先行上映分も含む)の観客動員は67万9000人、興収は9億3800万円と、今年公開された洋画作品としてはNo. 1のオープニングを記録。前作のオープニング成績と比較すると、動員は119%、興収は131%と抜群だ。

ディズニー作品(ここでは便宜的にピクサー作品を含まずWDASの長編作品に限定させてもらう)はここ20年近くのあいだ、北米では(例外もあるが)基本的に映画市場の最大の書き入れ時である感謝祭タイミングに公開されてきた。一方で日本では、映画業界の慣例的に洋画作品は数ヶ月遅れで公開されることがほとんどで、主なターゲット層を考慮に入れてか春休み公開というケースが多い。しかし北米からわずか1ヶ月遅れで公開された『ベイマックス』(14)が興収91億8000万円という特大ヒットを記録したことが転機となったのか、それ以降は北米からさほど間隔を空けずに日本公開されている。

【写真を見る】北米を熱狂させてからわずか9日遅れでの日本公開!前作から7年、人気が衰えないディズニーの強みをフルに発揮 [c] 2024 Disney. All Rights Reserved.
【写真を見る】北米を熱狂させてからわずか9日遅れでの日本公開!前作から7年、人気が衰えないディズニーの強みをフルに発揮 [c] 2024 Disney. All Rights Reserved.

その10年間で公開された作品は、一本を除いて北米から1ヶ月程度での公開か、日米同日公開。その一本が『モアナ』の前作であるが、それは同年の年末に超大作がひしめき合っていたことが一因と考えることができる。『ベイマックス』から今回の『モアナ2』までちょうど10本。興行成績的には一長一短のようにも見えるが、コロナ禍というイレギュラー中のイレギュラーを除けば、それ以前よりもはるかに安定した興収をあげるようになったことは明らかであろう。もちろん『ベイマックス』直前の『アナと雪の女王』(13)の影響で、ハードル自体が異様に高くなっていることは否めないのだが。

とはいえその『アナ雪』も、オープニング成績は日米同日公開の『アナと雪の女王2』(19)の方が上回っている。特に象徴的だったのは、まちがいなく傑作でありながら地味な印象が拭えなかった『シュガー・ラッシュ』(12)の続編が、1作目以上の興収を収めたこと。よくよく考えてみると、WDAS作品で正統続編が劇場公開されたのはこの2タイトルと30年以上前の「ビアンカの大冒険」のみ(念のため、『ピーターパン2』はディズニートゥーン・スタジオ作品)。先に述べた公開時期の利点だけでなく、ディズニー作品はホームメディアなどで広がり劇場公開後も人気を高めつづけることを「アナ雪」と「シュガラ」が証明したのである。

当初はアニメシリーズとして配信公開が予定されていた [c] 2024 Disney. All Rights Reserved.
当初はアニメシリーズとして配信公開が予定されていた [c] 2024 Disney. All Rights Reserved.

そう考えると、ヒット確実な続編タイトルを劇場向けにあまり生産してこなかったディズニーが、今回の『モアナ2』も含めて急に方針を転換したと捉えることができるのだが、それはコロナ禍でビジネスモデルの変更を余儀なくされた結果である以上仕方あるまい。『モアナ2』も計画が発表された段階ではディズニープラスでのアニメシリーズだったが、その後こうして長編映画に切り替えられた経緯がある。それでもこのように、北米でも日本でも大成功となっていることは非常に大きな意味があり、来年に控える『ズートピア』(16)の続編や2027年以降にある「アナ雪」の続編、ひいては他のタイトルにも展望が一気に開けることだろう。

『劇場版ドクターX』『うちの弟どもがすみません』が初登場!

さて、ここからは今週の動員ランキングに話を戻そう。2位に初登場を果たしたのは、2012年にテレビ朝日系列で放送がスタートし、約10年にわたって高視聴率を記録してきた人気ドラマの初の劇場版にして完結編となる『劇場版ドクターX』(公開中)だ。

米倉涼子演じる大門未知子がスクリーンに!『劇場版ドクターX』は、惜しくも2位発信 [c]2024「劇場版ドクターX」製作委員会
米倉涼子演じる大門未知子がスクリーンに!『劇場版ドクターX』は、惜しくも2位発信 [c]2024「劇場版ドクターX」製作委員会

初日から3日間で動員44万1000人、興収6億4000万円と、他の週末に公開されていたら首位に立っていてもおかしくないほどの好成績を叩きだし、改めてシリーズ人気の高さを示す結果に。2024年公開の国内実写作品としては『キングダム 大将軍の帰還』(24)、『ラストマイル』(公開中)に次ぐ第3位。今週1位の『モアナと伝説の海2』と共に、年末年始を牽引するタイトルの一本となってくれることだろう。

先週初登場で1位を飾った藤井道人監督&横浜流星のタッグ作『正体』(公開中)は、週末3日間で動員8万6000人、興収1億2200万円を記録して3位にランクイン。累計成績では動員35万人&興収4億5800万円となっている。

畑芽育主演の『うちの弟どもがすみません』は4位スタート! [c]2024「うちの弟どもがすみません」製作委員会 [c]オザキアキラ/集英社
畑芽育主演の『うちの弟どもがすみません』は4位スタート! [c]2024「うちの弟どもがすみません」製作委員会 [c]オザキアキラ/集英社

「別冊マーガレット」で連載中のオザキアキラの同名少女漫画を、『恋わずらいのエリー』(24)の三木康一郎監督が畑芽育主演で実写映画化した『うちの弟どもがすみません』(公開中)は4位に初登場。初日から3日間で動員6万8000人、興収9400万円と、まずまずの成績を収めている。

そして公開4週目を迎えた『室井慎次 生き続ける者』(公開中)は5位となり、累計成績で動員106万人&興収14億円を突破。先日製作されることが発表された最新映画『踊る大捜査線 N.E.W.』(2026年公開)に向けて、さらに弾みをつけたいところ。また、BE:FIRSTのライブドキュメンタリー第2弾『BE:the ONE -MEANT TO BE‐』(公開中)が3週ぶりにトップテン圏内に返り咲き。12月13日(金)からは大ヒット御礼と海外公開を記念し、楽曲「Masterplan」のMusic Videoが本編後にスクリーンで上映されることも決定している。

以下は、1~10位までのランキング(12月6日〜12月8日)

1位『モアナと伝説の海2』

2位『劇場版ドクターX』

3位『正体』

4位『うちの弟どもがすみません』

5位『室井慎次 生き続ける者』

6位『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』

7位『六人の嘘つきな大学生』

8位『BE:the ONE -MEANT TO BE‐』

9位『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』

10位『ヴェノム:ザ・ラストダンス』

今週末は、永野芽郁と佐藤健のダブル主演で同名人気コミックを実写映画化した『はたらく細胞』(12月13日公開)、子どもたちに大人気の児童書を天海祐希主演で実写映画化した『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(12月13日公開)、“スパイダーマンの宿敵”として知られるキャラクターの誕生秘話を描く『クレイヴン・ザ・ハンター』(12月13日公開)などが控えている。

文/久保田 和馬

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