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<あのクズ>奈緒&玉森裕太の魅力をドラマPが熱弁、“名当て馬” 小関裕太演じる大葉の今後にも言及「最終話で“救い”はあります」

  • 2024.12.9
「あのクズを殴ってやりたいんだ」がついに最終回!戸村Pにインタビューを実施 (C)TBS
「あのクズを殴ってやりたいんだ」がついに最終回!戸村Pにインタビューを実施 (C)TBS

【写真】奈緒“ほこ美”に「ロープドン」をする玉森裕太“海里”

奈緒が主演を務める火曜ドラマ「あのクズを殴ってやりたいんだ」(毎週火曜夜10:00-10:57、TBS系)が現在放送中。王道のラブコメ要素に加え、本格的なボクシングシーンを織り交ぜた新感覚の“火ドラ”として話題の本作だが、12月10日(火)に最終回を迎える。このたび、WEBザテレビジョンでは、プロデューサーの戸村光来氏にインタビューを実施。キャラクターを作る上で意識したことや、キャスト陣の魅力、そして胸キュンシーンの裏側などについてたっぷりと語ってくれた。

完全オリジナルで描くガチンコボクシングラブコメディー

結婚式当日に彼氏に逃げられてしまった主人公が、人生どん底のタイミングで金髪の謎の男に出会い、彼との出会いをきっかけに「もうクズな男に泣かされるのは嫌だ!」と自分を変えるためボクシングを始める。同ドラマは、恋もボクシングも本気で向き合う姿をオリジナル脚本で描くガチンコボクシングラブコメディー。

奈緒は、ひょんなことがきっかけでプロボクサーを目指すアラサー女子・佐藤ほこ美を、玉森裕太(Kis-My-Ft2)は、昼はカメラマンとして働き、夜はバーテンダーのアルバイトをしている金髪の謎の男性・葛谷海里を演じている。

また、ボクシングジムのトレーナーをしている羽根木ゆい役で岡崎紗絵、ほこ美と同じ市役所に務めるエリート公務員・大葉奏斗役で小関裕太、海里と同じ部屋に住むルームメイトで、カメラマンアシスタントを務める相澤悟役で倉悠貴、ほこ美と同じ市役所で働く同期・新田撫役で玉井詩織(ももいろクローバーZ)らが出演している。

「“かっこいい女性”が主人公のドラマを作りたいと思った」

――従来のラブストーリーですと、男性ボクサーの彼をヒロインが応援するという展開になりがちかと思いますが、今作ではほこ美がプロボクサーを目指すという点が令和らしいラブコメだなと感じました。

まさにおっしゃる通りで、女性が応援をするという展開はいろんな作品で描かれていますし、何より、“かっこいい女性”が主人公のドラマを作りたいと思い、今回のストーリーを社内に提案をしたところ「新しいところに挑戦してみたらどうか」との声をもらいました。

それに加えて、男性ボクシングだと “友情”や“勝利”といった部分をメインに描いているイメージがあって。過酷な練習だったり、自らを追い込んでいくシーンが多くなりがちですが、実際にボクシングをしている方に取材をしてみると、実はそんなことなくて。

“女性ボクシング”を中心にもってくることで、“家族”や“周りの支え”をメインに、それに加えて、強くなる中でもちゃんと恋愛をしていくストーリーというのは今まで見たことないですし、面白いなと思い、挑戦してみることにしました。

奈緒とほこ美の共通点は、“親しみやすさ”と“芯の強さ”

――第一報の際に「企画を進めている段階から、この役は絶対に奈緒さんに演じてほしいと思っていた」とありましたが、どういった点がこの物語の主人公にピッタリだと感じていたのでしょうか?

ほこ美のキャラクターを作っている時に、応援される主人公であってほしいということと、親しみがもてるキャラクターになるといいなと考えていました。奈緒さんが演じられる役って、どれも親しみがもてるキャラクターですし、私たちが普段生活している世界のどこかにいそうな感じがするんですよね。

実は、キャスティングをしているタイミングで、「春になったら」(2024年、フジテレビ系)が放送されていたのですが、ドラマを見た時にすごく芯を感じて。今作のヒロインがもつ“芯の強さ”みたいな部分も含めて、役にピッタリだなと思い、“どうしても奈緒さんに演じていただきたい!”と考えていました。

――他のキャストたちから「太陽のよう」と言われる、座長・奈緒さんの魅力や現場での印象についてお聞かせください。

本当にいつも元気で、ずっとしゃべっていますし、笑い声が大きくて(笑)。いるだけで現場の空気が明るくなる方です。

あと、お話をしていても、いい意味で緊張しないんです。今作では僕も含めて、初めてチーフを任されたスタッフが多くて。メークさんや、スタイリストさん、それに加えてADの中には「今回初めてドラマを担当するんです」という人もいたのですが、奈緒さんはスタッフ一人一人の名前をしっかりと覚えて、みんなを巻き込みながら「現場が楽しいものだということを伝えたい」とおっしゃっていたのが印象的です。

――体づくりのために食事制限をしたりと、後半は過酷な場面もあったと思いますが、奈緒さんの現場での様子はいかがでしたか?

奈緒さんは、みんなに自分が今食べているものを報告したり、“食事制限ネタ”で笑いを取ったりと、食事制限も楽しんで取り組んでいる印象でした。

とはいえ、かなり過酷な上、炭水化物を抜くことで頭が回らなかったりしたこともあるはずなのですが、そういった出来事を笑いながらお話されていて。つらかったとは思うのですが、現場でつらそうな表情を見せることは一切なかったです。

――“火ドラ”へは3年ぶりの凱旋となった玉森さんの起用理由を教えてください。

海里という役をキャスティングする際、すごく難しいなと思っていたんです。というのも、“全女子を沼らせる謎の男”ですから(笑)。さまざまな人を魅了するビジュアルはもちろん、演技力も必要なので、全てを兼ね備えた人ではないといけないなと考えていました。

玉森さんのお芝居を拝見したときに海里を演じられる姿をみてみたいなと思い、オファーさせていただきました。実際、撮影していくなかで“火ドラ”にも出演経験がありますし、(胸キュンシーンを作る上での)コツが分かっているんだろうなというのは感じていて。

それと、玉森さんが今まで演じた役って“かわいらしい男性”が多い印象だったのですが、MVを拝見していると悪っぽい玉森さんも魅力的だなと思っていたので、海里の役をお願いすることにしました。

大葉を作る上で意識したのは、海里との“対比”

――昨今のラブストーリーでは、いわゆる“当て馬”の存在が鍵になることが多く、今作ではその役割を小関さん演じる大葉が担っているかと思います。大葉というキャラクターを作る上で意識したことがあれば教えてください。

海里との対比はかなり意識しています。基本的には“クズな男”である海里が真ん中にいるドラマなので、(大葉は)クズな要素を全て排除すべく、スーツ&眼鏡というビジュアル面でもこだわっていて。

あとは、海里って誰も共感できない人物になってしまうのではないかなと思っていたんです。あんなにモテる男性に共感できる人って、きっと少ないじゃないですか(笑)。なので、恋愛に対して一歩踏み込めないところとか、つい考え過ぎちゃうとか、誰もが経験したことあるような部分というのを、大葉に詰め込みたいなと。

小関さんとは、台本が第5話くらいまでできた段階でお話する機会をいただいたのですが、その時に素で出てくる小関さんご自身の“人の良さ”、“育ちの良さ”みたいな部分を我々スタッフ陣も強く感じたので、そこを生かしつつ、ご本人ともいろんなことを話し合いながら、大葉というキャラクターを作っていきました。

――第9話でほこ美にキッパリと振られてしまった大葉ですが、いい人過ぎる彼に最終話で“救い”はあるのでしょうか…?

“救い”はあります。(大葉は)絶対に救われないといけないなと思いますし、みんな救われてほしいと思っていたので、そういった展開もしっかりと用意しています。ほこ美との恋愛を経験したからこその“救い”だと思っているので、そこはぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです!

――本作で描かれた撫の本音という部分には共感する女性視聴者の方も多いと思いますが、キャラクターを作る上でのこだわりを教えてください。

玉井さんがもつアイドルとしての楽曲によってさまざまな表情を見せられてきた部分と分かりやすい“陰”と“陽”みたいな部分が撫と通ずる部分があるのかなと思い、撫の役を玉井さんにお願いしました。

撫のシーンに関しては、女性スタッフの意見を参考にしながら作っているのですが、男性からは見えない、女性同士のギスギス感を細かく描きたいなと思っていました。

――最終話でほこ美と撫の関係性にも変化があるのでしょうか?

ほこ美と撫の一番の問題は、腹を割って話せていなかったことだと思うんです。実は二人とも上っ面で関わっていた部分があると思うのですが、ある種腹を割って話したことで隠す部分はなくなったはず。最後に二人がどんな関係性になるのか注目していただきたいです。

――第7話では、玉森さんとプライベートでも親交があるWEST.の濱田崇裕さんがゲスト出演し、話題となりましたが、撮影現場での様子はいかがでしたか?

濱田さんは、本当に面白い方だなと思いました。撮影期間でいうと、たった2日間だったのですが、僕が現場に行った時にはメークさんから爆笑をかっさらっていて(笑)。つい“あれ、濱田さんってレギュラーキャストだっけ?”と思ってしまうほど、現場になじんでいました。

あとは、ボクシングの監修で入っている松浦さんが驚くほど運動神経が良くて。「あの人は何者なんですか!? 教えることがないです」と松浦さんがおっしゃるくらい、筋が良く、天才肌なんだろうなと思いました。

本作を通して伝えたいのは「長期間かけて向き合うことの大切さ」

――本作には第6話ラストの“ロープドン”など、さまざまな胸キュンシーンが登場していますが、撮影の裏話があれば教えてください。

実は、第6話のキスシーンにおける玉森さんの体勢って結構難しいんですよ。ロープを押しながらキスをしているので、普通の人がやったら腕がプルプル震えてしまうと思うのですが、玉森さんが鍛えていたからこそかっこよくできたシーンです。

玉森さんは“火ドラ”経験者ということもあり、(胸キュンシーンに)慣れているなという印象。「こういうふうに見せたい」、「ここの顎のラインを映したいです」と伝えると、パッとすぐにできるのがすごいなと。飲み込みの早さに驚かされましたね。

一方、奈緒さんは “視聴者の方がほこ美と同じようなことを海里にされたら”という楽しみ方をできるような胸キュンシーンにしたいと話していたので、胸キュンシーン後の表情やリアクションを大事にされていて。女性スタッフに「どうだった?」と積極的に意見を聞き、みんなの反応を探りながら、ベストな演技を目指していた印象です。

――奈緒さん、玉森さんの芝居に驚かされたシーンはありますか?

第8話でほこ美と大葉が半年ぶりに海里と再会するシーンでは、これまでほこ美のことを突き放すことが多かった海里の人間臭い部分が出てくるなと思いながら台本を作っていて。あのシーンの玉森さんの表情を見た時に、初めて海里の人間味がぐっと出てきたお芝居がとてもすてきだなと感じました。

海里って、台本上で「…」と書かれている、いわゆるせりふがなくて表情だけで見せるシーンが多いんです。話している分量は少ないのですが、表情だけでいろんなものを伝えられるというのは、本当に素晴らしいなと思います。

奈緒さんは、表情というよりも、動きのコミカルさが魅力的。例えば、第6話冒頭で明美(斉藤由貴)にラブホテルにいたことを聞かれるシーンで「違うんだって!」というくだりがありますが、全身で“違うんだけど、そうなんだけど…”という感情を見事に表現されていて。第1話で見せた、どんどん海里に沼っていく姿というのもすてきでしたね。

――今作を通して視聴者に伝えたいメッセージを教えてください。

痛いことや、苦しいことって、長い時間向き合ううえで培うものがあると思うのですが、それはボクシングも恋愛も同じなのかなと。長期間かけて向き合うことで、恋愛であれば成就したり、ボクシングであれば勝利するということにつながっていくんじゃないかと思うんです。

ドラマの中で海里が苦しい思いをしたり、ほこ美と海里を引き裂こうとする動きというのがあったりもするのですが、“彼のことが好き”という気持ちだけで行動するほこ美に心動かされたり、視聴者の方に恋愛の力みたいなものが伝わればいいなと思っています。

「ほこ美と海里なら、つらいことも乗り越えられるはず」

――最後に読者に向けて、最終話の見どころとメッセージをお願いします。

第1話の冒頭でほこ美の試合シーンが映ったと思うのですが、最終話はその試合に向かっていくような流れになっています。最終話での試合シーンのために、奈緒さんは何か月もかけて鍛えていますので、ほこ美のボクシングの集大成に注目してください。

そして、海里は全10話かけて描いてきた過去をどのようにして乗り越えるのか、悟(倉)とどう決着をつけるのか。そして、ゆいや大葉、スナックの面々など、登場たちそれぞれがどこに向かっていくのかという部分も楽しんでいただけたらうれしいです。

ほこ美と海里なら、つらいことも乗り越えられるはず。ぜひ、二人の恋の行方も見守っていただけたらと思います!

※濱田崇裕の「濱」は異体字が正式表記

取材・文=たくあんとほたて

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