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崩落事故に巻き込まれ1年入院も...“平均寿命40歳”33歳鉱山労働者が働き続ける理由「子供には普通の仕事についてほしい」

  • 2024.12.9
【写真・画像】“平均寿命40歳”鉱山労働者が過酷な現場で働く理由「最高額は1日60万円」「若い頃に十分な教育を受けられなかった」 1枚目
ABEMA TIMES

同業者の平均寿命は40歳と短命で、過去には崩落事故に巻き込まれ、長期入院したこともある。標高約5000メートルの危険な鉱山が、オスカルさん(33歳)の仕事場だ。家族の反対を押し切ってまで、彼が過酷な仕事を続ける理由とは……。

【映像】崩落事故に巻き込まれ搬送された鉱山労働者

12月7日、東野幸治とあのちゃんがMCを務める新番組『国境デスロード』#1が、ABEMAにて放送された。『国境デスロード』は、世界各国にある国境を命がけで越える人々の生活に密着する、ドキュメントバラエティ。本番組の企画・総合演出を手がけるのは、『不夜城はなぜ回る』(TBS系)で知られる、大前プジョルジョ健太ディレクター(以下、プジョルジョD)。プジョルジョDが各国の国境地帯に赴き、なぜ人々は危険を冒しながらも国境を越えなければいけないのか、その真実に体当たりで迫る番組だ。

【写真・画像】“平均寿命40歳”鉱山労働者が過酷な現場で働く理由「最高額は1日60万円」「若い頃に十分な教育を受けられなかった」 2枚目
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今回、プジョルジョDが訪れたのは、ペルーとボリビアの国境の町・フリアカ。この町のバス停で、鉱山へ向かおうとしていたオスカルさんと出会い、彼に同行させてもらうことになった。悪路をバスで3時間進み、たどり着いたのは、フリアカから約160キロ離れた鉱山直下の町、ラ・リンコナダ。標高約5000メートルのこの町には、鉱山で採れる金を求め、南米各地から人々が集まってくる。取材に応じてくれたオスカルさんも、その1人だ。オスカルさんは2人の子どもと妻を養うため、命がけで働いているが、基本は無給。最終日のみ、採掘した鉱石を持ち帰ることが許されており、このカチョレオと呼ばれる運試し的報酬システムが、収入を支えている。

【写真・画像】“平均寿命40歳”鉱山労働者が過酷な現場で働く理由「最高額は1日60万円」「若い頃に十分な教育を受けられなかった」 3枚目
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オスカルさんと出会った翌日、プジョルジョDはカチョレオ当日の採掘現場に密着した。しかしこの日はまったく金が採れず、収入ゼロという厳しい結果に。仕事を終えたオスカルさんは、家族が待つフリアカの自宅へ、肩を落として帰宅。「本当にまったく稼げなかった」というオスカルさんの報告を、妻は笑顔で受け入れ、「人生ってそういうものよね。そういうときこそ、家族みんなそろって4人でご飯を食べることが大事だわ」と優しい言葉をかけた。

【写真・画像】“平均寿命40歳”鉱山労働者が過酷な現場で働く理由「最高額は1日60万円」「若い頃に十分な教育を受けられなかった」 4枚目
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危険と隣り合わせの仕事を、家族はどう思っているのだろうか。実際に3年前、オスカルさんは崩落事故に巻き込まれ、1年以上も入院している。さらに番組の最後には、同じ鉱山で働く労働者の平均寿命は40歳という、衝撃的なデータも紹介された。鉱山内での窒息や落石、転落などの事故が主な死因だという。オスカルさんの長女は「パパの身体が心配。事故がよく起こるから」と話し、心配でたまらない様子。一方、妻は「何回も辞めてほしいと言った」と振り返りつつ「経済的にそんなに甘くないのも事実」と厳しい現実を語った。

【写真・画像】“平均寿命40歳”鉱山労働者が過酷な現場で働く理由「最高額は1日60万円」「若い頃に十分な教育を受けられなかった」 5枚目
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なぜこの仕事を続けるのか。その問いにオスカルさんは「鉱山で稼いで店をもっと大きくしたい。家族に苦労させたくないんだ」と答えを返した。オスカルさんは、鉱山で得た報酬をもとに店を開業し、家族で営んでいる。取材場所となった店内には、日用品や食品、飲料などが並んでいた。

愛する家族のため、危険な鉱山で働き続けるオスカルさん。「家族は心配して止めるけど、気づいたら鉱山に向かっているんだ。休日も1人で鉱山に行くよ。家にいても落ち着かないんだ。早く鉱山に戻って稼ぎたい」と話すほど、仕事への熱意にあふれている。その一方でオスカルさんは、1人の父親として、こんな言葉も口にしていた。「俺は鉱山しか働き口がなかったけど、子どもには普通の仕事についてほしい」。

ペルーとボリビアの国境にある、命に危険が及ぶ“デスロード”。その道を歩んだ先に広がっていたのは、愛にあふれた家庭の風景だった。

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