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診察するときは白衣なのに、病院の手術着が青緑色の理由

  • 2024.12.9
手術するときの医師や看護師は、青緑色の手術着を着ている。 (C)ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA(ピクスタ)
手術するときの医師や看護師は、青緑色の手術着を着ている。 (C)ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA(ピクスタ)

地球上で起きていること、どれだけ知っている?

この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」

そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。

手術着が青緑なのはなぜ?人間の目と「色残像」について

手術するときの医師や看護師は、青緑色の手術着を着ている。診察するときは白衣だし、以前は手術のときも白い手術着を着ていたようだが、どうしてあの色に変わったのだろう。

これには、聞いて納得の理由がある。色の残像を軽減させるためなのだ。

ある色をずっと見ていると、その色が目に残り、視線をほかに移しても見えてしまうことがある。これが「色残像」である。手術中の医師や看護師は、血液や体内の臓器など赤い色を見続けている。しかも手術の部位は、すみずみまでよく見えるように強いライトで照らされているので、それが目に強く焼きつく。

だがそこで、ふと視線を上げた場所が白い色だと、赤の補色である青緑色の点やシミが視野に現れる。これは、長時間赤い色を見ていたため、赤に対する網膜の感度が低下し、その代わり補色にあたる青緑色に対する感度が高くなるからである。

補色とは、色相をスペクトルの順に丸く配列した色相環の中で向かい合う位置にある色で、いわば反対色である。

白である場所に、意味のない青緑色が現れてチラチラすると、精密な作業を要する手術にとってはマイナス要因となる。万が一、手元が狂ったり集中できなかったりしては大変なので、チラつきをなくすために白ではなく青緑色の手術着を着るようになったのである。

現在では、手術室の壁や床、ベッドカバーなどにも、青緑色を採用している病院が多いそうだ。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

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