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世界中を魅了!観ればあなたも“心にモアナチャージ”!その理由を専門家たちに聞いてみた「突き進むことも素敵だけど、時には迷ったっていい」

  • 2024.12.9

海と特別な絆で結ばれた少女が繰り広げる冒険を描いた感動のミュージカル・アドベンチャー『モアナと伝説の海2』が公開中だ。アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞など数々の映画賞にノミネートされた大ヒット作『モアナと伝説の海』(16)の続編となる本作では、モアナが仲間と共に世界を引き裂いた神の呪いを解くため、危険な冒険の旅に出る。日本に先駆けて公開された世界各国ではすでに“モアナ旋風”を巻き起こしており、『アナと雪の女王2』(19)や『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)などを超え、全米では5日間のオープニング興行収入において歴代最高記録を樹立した。日本でも12月6日に公開を迎え、公開3日間の動員数は69.7万人、興行収入は9億6,400万円(12月5日の先行上映含む)を突破し、週末興行収入と動員数ランキングともに1位を記録している。

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次から次に襲い来る困難に戸惑いながら、くじけず前へと進むモアナの姿から「映画館で観れば、元気をもらえる“モアナチャージ”効果があるのでは!」と早くも話題を呼んでいる本作。なぜ世界中の人々がモアナに夢中になるのか?本稿では各界の著名人たちから寄せられたコメントから、その理由をひも解いていく。

[c]Impress Corporation
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モアナが故郷モトゥヌイ島の危機を救ってから3年。すべての海をつなぐ1000年にひとりの“導く者”の称号を授かったモアナは、失われたモトゥフェトゥ島を探す旅に出る。この島はかつてすべての海の民をつないでいたが、人間の力に嫉妬した嵐の神ナロの呪いで海に沈められたとされていた。偉大な祖先たちも果たせなかったモトゥフェトゥ島を復活させる大役を果たすため、モアナは仲間を募り大海原に旅立った。

モアナと美しい神秘の海へ!生命力あふれる海の世界に没入する

少女モアナが故郷を離れ未知の世界を旅する本シリーズの大きな魅力が、美しく神秘的な映像群。どこまでも広がる水平線、真っ青な空に雲が浮かんだ開放的な自然描写に心癒やされた人も多いだろう。精神科医で心理学的アプローチを駆使した映画評論でも知られる名越康文は、前作のクライマックス、生命を司る女神テ・フィティの描写について「溶岩の女神が冷めて全体が緑に覆われていく様は、太古の地球に命が芽吹き繋がっていくことを象徴的に描いていました」と指摘し、女神の全身に生命があふれていく幻想的な映像に心癒やされたと振り返る。

前作から3年後を舞台に、モアナと妹のシメアの絆も描かれている [c]2024 Disney. All Rights Reserved.
前作から3年後を舞台に、モアナと妹のシメアの絆も描かれている [c]2024 Disney. All Rights Reserved.

壮大な自然描写のほかにも、巨大なジンベイザメと遭遇したり竜巻の襲来、深海に沈んだ島の捜索など前作を超える体感的映像を満載した今作。「ビリギャル」の著者として知られる坪田塾の塾長・坪田信貴は、美しい映像が高揚感をかき立てるという。「映画の鮮やかな映像美と波音や風の音に包まれた世界観は、心理的に心地よさと冒険への高揚感を同時に与え、観る者をまるで自分自身が冒険しているかのように引き込む力があります」。

さらにスケールアップされた大海原の壮大で美しい場面にも注目 [c]2024 Disney. All Rights Reserved.
さらにスケールアップされた大海原の壮大で美しい場面にも注目 [c]2024 Disney. All Rights Reserved.

デジタルを核にアーティスト、メディア研究など多角的に活動している落合陽一は、本作を「コンピュータグラフィックスの可能性を極限まで追求した映像詩」と形容。「砂、液体、風、髪の毛、草、光、といった自然の要素が、生き生きとしたレンダリングによって、その技術的な困難さを微塵も感じさせないほど自然に融合している。それぞれの要素が有機的に絡み合い、映像と音楽のグルーヴが画面全体に広がり、観る者を深い没入感へと誘う」と称賛した。そんな映像群をより体感的に味わえる、IMAX、ドルビーシネマ、さらには4DXやMX4Dなどラージフォーマットでも上映されている。

ディズニーヒロインのなかでも別格!等身大の主人公に共感必至

モアナはどんな困難にも立ち向かう芯の強さや純真さ、誰とでもオープンに接する親近感が魅力。名越康文が「モアナは村長の娘ですが、憧れを抱かせるというより、私たちに近く感情移入しやすいヒロイン」というように、彼女は歴代ディズニーヒロインのなかでも共感度が高いキャラクターのひとりである。坪田信貴は、人は安定した環境好むいっぽう未知の世界への渇望を抱えているとしたうえで「モアナは、安心できる故郷にとどまる選択肢を持ちながらも、未知の海へと踏み出す勇気を見せます。その姿は、視聴者に自己の可能性を探る勇気を思い出させ、深い共感を呼び起こします」と彼女に惹かれる理由を分析する。

ベストセラー作家の乙武洋匡は、モアナが“優等生”ではないことが魅力だという。「主人公がなんでもできる万能タイプなら、きっとここまで共感することはできないように思います。等身大の主人公だからこそ、私たちは『それなら自分も』と勇気をもらえるのではないでしょうか」。

すべての海をつなぐ“導く者”となったモアナ [c]2024 Disney. All Rights Reserved.
すべての海をつなぐ“導く者”となったモアナ [c]2024 Disney. All Rights Reserved.

マーケッターとしてトレンドや若者たちの行動に詳しい牛窪恵はモアナの強さに触れ「彼女のパワーや行動力、純粋な思いにふれるだけで、『大丈夫、壁もギャップもきっと乗り越えられる!』と元気になれる」と賛辞をおくる。SNSで200万人を超えるフォロワーを持つ現役保育士のてぃ先生も「モアナたちの諦めない姿を見ていたら、勇気をもらうのと同時に、思わず涙が溢れていました」と感動を隠さない。

「尾木ママ」として多くのメディアで活躍している教育評論家の尾木直樹は、モアナに自分を重ねることで得るものがあるという。「人は映画を観る時、誰かに自らを投影し様々な情緒的体験をする。本作を観終わった時、皆さんはどんな感情に包まれるだろう」とモアナのエールを受け止めてほしいと語った。

そんな成長したモアナの心情の変化がエモーショナルに綴られた「ビヨンド ~越えてゆこう~」など劇中で流れるパワフルな楽曲に観客は気持ちを乗せられ、モアナが歌いだすメッセージから「明日から頑張ってみよう」という活力をもらえるはずだ。

個性豊かな仲間たちが登場!チームの絆に学びがある

前作ではひとりで海へと船を出したモアナ。本作で彼女は伝説オタクの青年モニ、天才肌の船大工の少女ロト、料理番の老人ケレという個性的な仲間と旅立った。はじめは気持ちがかみ合わなかったメンバーが、一つにまとまり困難に立ち向かっていく。名越康文が「モアナの役割はバラバラになったものをつなぐこと。縁の下の力持ちです。海の民をつなぐため海に出る第2作でモアナはさらなる真価を発揮します」というように本作で彼女は“導く者”になり、やがてすベての海をつないでいく。

植物を愛する料理番のケレ、伝説オタクのモニ、船大工のロトと一緒に新たな冒険へ漕ぎだす [c]2024 Disney. All Rights Reserved.
植物を愛する料理番のケレ、伝説オタクのモニ、船大工のロトと一緒に新たな冒険へ漕ぎだす [c]2024 Disney. All Rights Reserved.

リーダーとしてひとり奮闘していたモアナが、みんなの協力で目的を果たす姿にてぃ先生は「突き進むことも素敵だけど、時には迷ったっていい。頑張ることも大切だけど、頼ることも忘れちゃいけない」と力説。牛窪恵はそんなモアナの活躍は現代に生きる私たちが学ぶことがあると感じたようだ。「ジェンダー、世代、覇権、国境…たとえどんな壁やギャップがあっても、私たちが『自然や地球に生かされている』との根源は同じ。世界中で分断や格差が問題視されるいま、モアナはつねに仲間や海を愛する澄んだ心で、『互いに分かり合うこと(相互理解)』を目指す」。

冒険の仲間に、マウイ、ヘイヘイ、プアも参加! [c]2024 Disney. All Rights Reserved.
冒険の仲間に、マウイ、ヘイヘイ、プアも参加! [c]2024 Disney. All Rights Reserved.

様々な選択に迷う現代社会に生きる私たちに勇気をくれる…モアナのエールで越えてゆこう!

モトゥフェトゥ島に続く海の道しるべを見失ったモアナは、旅の途中でミステリアスなマタンギから「進むべき道はひとつではない」とアドバイスを受ける。モアナはそれをヒントにやがて目的の島を見つけ出す。自分を信じて進めば間違った道はないと体現したモアナの姿は、日々様々な選択に迷う私たちにきっと勇気をくれるはず。独自の子育て術で日本中のママから支持されているコミュニティーマネージャー山崎洋実は、そんなモアナの柔軟性に希望を感じたという。「“道はひとつじゃない!”私の心に響いたこの台詞。人生は色んな決断の連続。出来れば間違いないたくないし、正しい道を進みたい。私たちは失敗を恐れるから。でも、人生で唯一の正しい道などないのだから」。てぃ先生も「小さな出来事、思いがけない出会い、そんな一つ一つの“点”が、やがて希望に満ちた明るい“線”に変わっていく。モアナたちの描く線に世界中の人が元気をもらえる」と解説。乙武洋匡は「迷いや葛藤にこそ、この映画の魅力が詰まっている」とモアナの旅路を称えた。

モアナを惑わす謎の存在、マタンギ [c]2024 Disney. All Rights Reserved.
モアナを惑わす謎の存在、マタンギ [c]2024 Disney. All Rights Reserved.

尾木直樹はモアナがいまの時代を生きるためのヒントを教えてくれると結ぶ。「つらいことがあっても心が折れず、自分は乗り越えられるはずだ、と思える力=レジリエンスは、予測不能な未来を生きていく上で必要不可欠であり、モアナの強力な“武器”でもある。成長とともに不安や葛藤を抱えながらも、自ら道を切り拓き、多様な仲間とともにしなやかに逆境を乗り越えていく物語は爽快の一言。非認知能力や感情表現が豊かなモアナは、SNS時代を忙しなく生きる私たちに『目に見えないもの』の力を改めて教えてくれる」。

まるでモアナのカヌーに乗っているような感覚!南の島から一緒に冒険へ [c]2024 Disney. All Rights Reserved.
まるでモアナのカヌーに乗っているような感覚!南の島から一緒に冒険へ [c]2024 Disney. All Rights Reserved.

南国の小さな島を舞台に、純真無垢なヒロインが人々をひとつにつなぐという使命を背負い奮闘する『モアナと伝説の海2』。大自然の中で繰り広げられる手に汗握る大冒険、美しい海を全身で浴びるような映像体験、そして胸に響くミュージカルナンバーの数々で、日常を忘れ思い切り“心にモアナチャージ”してみるのもいいだろう。

著名人たちのコメント全文(五十音順)

牛窪恵●世代・トレンド評論家

「ジェンダー、世代、覇権、国境…たとえどんな壁やギャップがあっても、私たちが『自然や地球に生かされている』との根源は同じ。世界中で分断や格差が問題視されるいま、モアナはつねに仲間や海を愛する澄んだ心で、『互いに分かり合うこと(相互理解)』を目指す。彼女のパワーや行動力、純粋な思いにふれるだけで、『大丈夫、壁もギャップもきっと乗り越えられる!』と元気になれる」

尾木直樹(尾木ママ)●教育評論家・法政大学名誉教授

「つらいことがあっても心が折れず、自分は乗り越えられるはずだ、と思える力=レジリエンスは、予測不能な未来を生きていく上で必要不可欠であり、モアナの強力な“武器”でもある。成長とともに不安や葛藤を抱えながらも、自ら道を切り拓き、多様な仲間とともにしなやかに逆境を乗り越えていく物語は爽快の一言。非認知能力や感情表現が豊かなモアナは、SNS時代を忙しなく生きる私たちに『目に見えないもの』の力を改めて教えてくれる。人は映画を観る時、誰かに自らを投影し様々な情緒的体験をする。本作を観終わった時、皆さんはどんな感情に包まれるだろう。道はひとつじゃない、失敗してもいい。モアナのエールを胸にさぁ『越えてゆこう』!

たくさんの子どもたちに観てもらいたいです!」

落合陽一●メディアアーティスト

「『モアナと伝説の海2』は、コンピュータグラフィックスの可能性を極限まで追求した映像詩と言える。砂、液体、風、髪の毛、草、光、といった自然の要素が、生き生きとしたレンダリングによって、その技術的な困難さを微塵も感じさせないほど自然に融合している。それぞれの要素が有機的に絡み合い、映像と音楽のグルーヴが画面全体に広がり、観る者を深い没入感へと誘う。海のぬるぬるとした変形表現やしぶき、そして光、レンズを通した風景が織りなす映像美は、デジタルの自然が共鳴し合い、新たなリアリティを創出している。技術と芸術の自然な融合が、人々の感性に直接訴えかける現代の童話・神話を構成している」

乙武洋匡●作家

「主人公がなんでもできる万能タイプなら、きっとここまで共感することはできないように思います。できないこともある。くじけることもある。そんな等身大の主人公だからこそ、私たちは『それなら自分も』と勇気をもらえるのではないでしょうか。モアナの胸のすくような活躍だけでなく、それまでの迷いや葛藤にこそ、この映画の魅力が詰まっているように思います」

坪田信貴●坪田塾 塾長・「ビリギャル」著者

「『モアナ』や『モアナ2』が多くの人を魅了する理由の一つは、主人公モアナが私たちの心の奥底にある“コンフォートゾーン”からの脱却を体現しているからです。心理学的に、私たちは安定した環境や習慣を好みます。その一方で“未知の世界”や“成長への挑戦”に対する渇望も抱えています。モアナは、安心できる故郷にとどまる選択肢を持ちながらも、未知の海へと踏み出す勇気を見せます。その姿は、視聴者に自己の可能性を探る勇気を思い出させ、深い共感を呼び起こします。また、映画の鮮やかな映像美と波音や風の音に包まれた世界観は、心理的に心地よさと冒険への高揚感を同時に与え、観る者をまるで自分自身が冒険しているかのように引き込む力があります。『モアナ2』もまた、過去の成功体験の内側にとどまらず、私たちのコンフォートゾーンを超える旅の重要性を教えてくれます。家族で観たい最高の映画です」

てぃ先生●現役保育士

「モアナたちの諦めない姿を見ていたら、勇気をもらうのと同時に、思わず涙が溢れていました。

突き進むことも素敵だけど、時には迷ったっていい。

頑張ることも大切だけど、頼ることも忘れちゃいけない。

小さな出来事、思いがけない出会い、そんな一つ一つの“点”が、やがて希望に満ちた明るい“線”に変わっていく。

モアナたちの描く線に世界中の人が元気をもらえると思います」

名越康文●精神科医

「前作は、親を振り切り旅立つ子どもを描いた王道の作品でした。モアナは村長の娘ですが、憧れを抱かせるというより、私たちに近く感情移入しやすいヒロインです。観ていて癒されたのが自然描写。溶岩の女神が冷めて全体が緑に覆われていく様は、太古の地球に命が芽吹き繋がっていくことを象徴的に描いていました。モアナの役割はバラバラになったものをつなぐこと。縁の下の力持ちです。海の民をつなぐため海に出る第2作でモアナはさらなる真価を発揮します」

山崎洋実●コミュニティーマネージャー

「“道はひとつじゃない!”私の心に響いたこの台詞。人生は色んな決断の連続。出来れば間違いないたくないし、正しい道を進みたい。私たちは失敗を恐れるから。でも、人生で唯一の正しい道などないのだから。やってダメならまた違うやり方を試してみる。モアナが他にもやり方(道)があると立ち向かう姿に勇気をもらう。人生に必要な学びがここにある。なにか困難にぶつかっても、私も越えてゆける!」

構成・文/神武団四郎

※山崎洋実「崎」は「たつさき」が正式表記

※記事初出時、一部の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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