限定1000個が完売！パパ考案のおもちゃにこめられた思い「ヒーローが増えてほしい」

救命活動で活躍するＡＥＤ。いざという時に正しく使えるか、わからない人も多いのではないでしょうか？
そんなＡＥＤの正しい使い方を学べるユニークなおもちゃが誕生しました。

「パットを貼ってみよう」

流れる自動音声に沿ってぬいぐるみに２枚のパッドを張っていきます。
実はこれ、心停止の人を助ける「ＡＥＤ」をモデルにしたおもちゃ。その名も「トイこころ」です。

遊びかたの手順は本物のＡＥＤとほぼ同じ。
パッドを指定された位置に貼ると、診断が始まります。

「電気ショックが必要だよ。体から離れてショックボタンを押してみよう！」

続けてリズムに合わせて心臓マッサージ。

「ミッション完了だ！」

ＡＥＤを使う流れを遊びながら学ぶことができます。

「ちょっと楽しい。助けるときの勉強になる」

そう話すのは坂野晴吉君（８）。

実はこのおもちゃを考えついたのは、晴吉君のパパ、坂野恭介さんです。
北見市で産業機械の修理会社を経営しています。
以前は病院や医療機器のメーカーで働き、今はＡＥＤの販売などを手がけています。

「もともと医療従事者で過去８年間働いていて、そのときにAEDの大切さも知っていたし、目の前で人が倒れることも結構目の当たりにしていた」

ところが、ＡＥＤを販売する中で設置場所や使い方がよく知られていないことに気付いたと坂野さんは話します。

そこで、2023年２月に始めたのがＡＥＤのおもちゃの開発でした。

「子どものころからお医者さんごっこのようにＡＥＤで遊ぶ世界が生まれれば、ＡＥＤをものすごく身近に感じられますし、遊びから興味、興味から学びに変わってほしいと思って、作った」

11月１日に1000個限定で予約販売を始めたところ、わずか１週間で完売。
遠くはアメリカやドイツからも注文があったといいます。

「人を助ける機会というものを知っておくことによって友達や身の回りの方が、具合が悪くなったり倒れたときに、一歩踏み出せるヒーローが増えていったらうれしい」

知っておくことで、救える命がある。

坂野さんは2025年以降、トイこころを再び販売できるよう考えていきたいと話しています。

文：HBC報道部
編集：Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ！」放送時（2024年11月22日）の情報に基づきます。