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子どもの歯をむし歯にしないために気をつけることは?正しい口腔ケアと注意したいことをきみえ歯科院長中村先生にお伺いしました。

  • 2024.12.8

むし歯にはならないでほしいけれど、何に気を付ければいいの?
子どもの歯磨きや口腔まわりのことで気を付けたいことについて、きみえ歯科院長の中村喜美恵先生にお伺いしました。

子どもの歯をむし歯にしないために、知っておきたい情報

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食事の内容やリズムについて
特に乳幼児は、3回の食事だけでは食べる量や栄養素が摂取しきれず、午前と午後に各々1回程度の間食の時間をとる必要があります。
ただし、この時期の間食は食事の一環であり、間食(おやつ)=お菓子ではないことを覚えておいてください。
3回の食事で不足する栄養を補充できる間食(おやつ)を意識することが、むし歯をつくらないためにもとても大切です。
そして、食事と食事(間食も含めて)の時間は2時間程度あけて、その間はお茶かお水のみの水分補給としてください。

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3食の間に間食(あめ玉1個でも)が頻繁に入ってくると、口腔内のPHが戻りきらないうちに更に酸性に傾いてしまい、歯が溶けてきます。

唾液には、食べ物を消化する働きだけでなく、お口の中を洗い流す効果やむし歯になりにくくする効果があります。
お口の中は、食べ物が入っていない状態では中性に保たれていますが、食後には酸性に傾き、その状態が続くと歯が溶けてくる(むし歯になる)ので、唾液が中性に戻そうと働く効果を発揮します。その効果を十分に発揮させる時間をつくることが必要なのです。
頻繁にお口の中に食べ物が入ると、お口の中が酸性に傾いたままになり、唾液の効果が発揮されにくくなり、非常に歯が溶けやすい(むし歯になりやすい)状態になります。
上記の内容を踏まえ、唾液を味方につけることが重要です。そうすれば、唾液の分泌が多い乳幼児期は、そんなに神経質にならなくても大丈夫です。
そして、歯磨きという行為を、嫌な行為であると思わせないことも重要と考えます。

歯磨きの際に注意したいこと

乳児期に乳歯の前歯が生えてきますが、その頃は、ガーゼや専用のスポンジなどで軽く清掃する程度で十分です。
離乳食が終了する頃には、乳幼児用の安全な歯ブラシ(例えばゴム性の噛んでも安全なもので、喉を突かないように設計されているもの)を準備し、食後、周囲の大人と同じようにブラッシングの現場に参加させ、楽しそうにブラッシングをすることをお勧めします。大人は仕方なくやっていることであっても、子どもにとってはすべてが遊び感覚であり、興味津々なのです。ですから、周囲の大人も楽しそうに行う事で、乳幼児自身にもやりたいと思わせ、習慣化してしまうことが非常に大切と考えます。この時期に楽しい習慣として定着させてしまうことが、子どもにとっては最大の財産になるでしょう。仕上げ磨きが必要なくなる年齢以降も、自分から進んでしっかりブラッシングをする習慣がついているかどうかが、とても大切なのです。
もし、大人が仕上げ磨きを嫌そうな表情や面倒くさそうに行ったり、怖い顔で、または怒りながら行ったりしてしまうと、子どもは歯磨きを嫌な行為とインプットしてしまい、怒られる恐怖から逃れようとしてしまいます。仕上げ磨きの時期が過ぎてしまうと、一気にお口の中の清潔が維持できなくなることが多いと思ってください。大切な事は、お口の中を良い状態で維持し続けることができる環境をつくることなのです。

離乳食が終わる頃になると奥の乳歯が生えてきます。乳幼児は特に唾液の分泌が多いので、食事のタイミングや間食の内容を守り、上記の習慣化を子どもが楽しんでいれば、たとえ真似ごとであっても本人のブラッシングのあと、軽く専用スポンジで、痛くないように仕上げ磨きをしてあげれば良いと思ってください。仕上げ磨きの際の注意点として、小帯部(特に上唇小帯)を刺激しないよう、手指でガードしてあげることが重要です。

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上唇小帯部は歯ブラシが当たると痛みがあるだけでなく、傷つきやすいので、歯磨きをとても嫌がるようになってしまいます。歯磨きは痛くて嫌なものと脳にインプットされないよう注意が必要です。そして、定期的に通院できるかかりつけの医師を決め、口腔内のチェック、ブラッシングの相談をされると安心でしょう。

学童期になると、永久歯の萌出に伴い、乳歯と永久歯が混在します。また、脱離しかけの乳歯が長く残存すると、きれいにブラッシングをするのは難しく、磨き残しも多くなります。歯肉の炎症の原因にもなりますので、必ず仕上げ磨きをしてあげてください。
かかりつけ医と連携していくことも大切になります。

歯磨き粉について

年齢により(特に学童期までは)、安全な含有フッ素量が異なりますから、必ず年齢に応じたものを選ぶようにしてください。この際もかかりつけ医に相談するといいでしょう。

[執筆者]

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中村喜美恵先生
きみえ歯科 院長
1988年京都大学薬学部卒業、大阪大学歯学部学士入学(専門課程編入)
1992年大阪大学歯学部卒業、大阪大学歯学部付属病院に勤務
2003年姫路市に「きみえ歯科」を開業

一般社団法人日本ホームヘルスコーチ協会認定ホームヘルスコーチ
アンチエイジング歯科学会認定医
糖尿病協会登録歯科医
メディカルアロマコーディネーター
ビューティーアドバイザー

お口と全身はひとつながり。口腔環境と全身の状態には密接な関係があります。
「健康に美しく!」をテーマに、予防を中心に歯科からの情報発信を続けています。

[著書]
効果を実感する美顔作ルーティン
毎日の習慣と5分のエクササイズで「若々しい美顔」は持続できる

きみえ歯科
https://www.kimie-shika.com/

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