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『グレムリン』公開40周年!誰もが知る?クリス・コロンバスが携わった傑作エンタメの数々を一挙紹介

  • 2024.12.8

愛らしい見た目の不思議な生き物、モグワイを巡って繰り広げられる大騒動を描く、ファンタジーホラーの傑作「グレムリン」シリーズ。その第1作『グレムリン』(84)が日本公開を迎えてから、12月8日でちょうど40年を迎えた。製作総指揮を務めたスティーヴン・スピルバーグや、ジョー・ダンテ監督の名前で語られることが多い本作だが、忘れてはならないのは本作の“生みの親”である脚本家の存在だ。

【写真を見る】「ホーム・アローン」も「ハリポタ」も生みだした、ハリウッド随一のエンタメ職人とは

クリスマス映画のひとつとして人気を集める『グレムリン』 [c]Everett Collection/AFLO
クリスマス映画のひとつとして人気を集める『グレムリン』 [c]Everett Collection/AFLO

その“生みの親”とは、当時まだ無名の脚本家だったクリス・コロンバス。大学在学中に執筆した本作の脚本がスピルバーグの目に留まり、彼の率いるアンブリン・エンターテインメントに引き入れられたコロンバスは、そこで本格的なキャリアをスタートさせる。その後、監督や脚本家、プロデューサーとして数多くの伝説的な王道エンタメ映画を次々と世に送りだすこととなる。そこで本稿では、『グレムリン』の日本公開40周年を記念して、コロンバスの功績をたどりながら、彼が携わってきたこれからの季節にぴったりな傑作の数々をいっきに紹介していこう!

クリスマスに不思議な生物モグワイをもらった青年ビリー。“ギズモ”と名付けて大切に育てるのだが… [c]Everett Collection/AFLO
クリスマスに不思議な生物モグワイをもらった青年ビリー。“ギズモ”と名付けて大切に育てるのだが… [c]Everett Collection/AFLO

発明家のランダル(ホイト・アクストン)がチャイナタウンの骨董屋で一目惚れし、息子のビリー(ザック・ギャリガン)へのクリスマスプレゼントとして譲り受けた不思議な生き物モグワイ。しかしモグワイを飼うためには守らなければいけない3つの約束があった。「水に濡らさないこと」「光を当てないこと」「真夜中を過ぎたら絶対に食べ物を与えないこと」。モグワイに“ギズモ”と名付けて大切に育てるビリーだったが、ひょんなことから約束を破ってしまい、いたずら好きなグレムリンが大量発生。街は大混乱に陥っていく。

約束を破ると、不気味でいたずら好きな“グレムリン”が大量発生!? [c]Everett Collection/AFLO
約束を破ると、不気味でいたずら好きな“グレムリン”が大量発生!? [c]Everett Collection/AFLO

“グレムリン”という存在自体は古くからイギリスに伝わる妖精の一種。コロンバスは夜な夜な家のなかを動き回るネズミの群れからこの物語を着想し、本作を生みだしたという。映画化に際しては、当初ティム・バートンが監督候補にあがっていたが、『トワイライト・ゾーン/超次元の体験』(83)にも参加したジョー・ダンテに白羽の矢が立てられる。

1984年に北米で年間興収No.3の大ヒットを記録 [c]Everett Collection/AFLO
1984年に北米で年間興収No.3の大ヒットを記録 [c]Everett Collection/AFLO

そして1984年のサマーシーズンに北米で公開されるのだが、奇しくもその公開日は『ゴーストバスターズ』(84)と同日。週末興収ランキングでは同作の後塵を拝して1位を獲得することはできなかったものの、最終的には興収1億5000万ドルを突破し、年間興収ランキングの第3位にランクインする大ヒットを記録。続編となる『グレムリン2 新種誕生』(90)も製作され、いまなお続編を待ち侘びる声が絶えない人気作となった。

王道エンタメ職人として、数々の傑作を監督&プロデュース!

スピルバーグ製作の名作『グーニーズ』も、クリス・コロンバスの脚本作 [c]Everett Collection/AFLO
スピルバーグ製作の名作『グーニーズ』も、クリス・コロンバスの脚本作 [c]Everett Collection/AFLO

コロンバスとスピルバーグのタッグは本作のあとにもリチャード・ドナー監督の『グーニーズ』(85)と、バリー・レヴィンソン監督の『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』(85)の2作があり、特に『グーニーズ』は、現在まで様々な映画やドラマシリーズに影響を与えるアドベンチャー映画の傑作として愛される1本に。その後、『ベビーシッター・アドベンチャー』(87)で監督デビューを飾ったコロンバスは、その3年後にクリスマス映画の新たなスタンダードを生みだすことに。

監督第3作となった『ホーム・アローン』はクリスマス映画の大定番! [c]Everett Collection/AFLO
監督第3作となった『ホーム・アローン』はクリスマス映画の大定番! [c]Everett Collection/AFLO

それは日本でも絶大な人気を誇る、クリスマス映画の大定番『ホーム・アローン』(90)だ。大家族のマカリスター家がクリスマス休暇で旅行に出発するなか、末っ子のケビンだけが運悪く家に取り残されてしまう。大慌てになる家族をよそに、ケビンは広い家で1人きりのクリスマスを満喫。そこに留守宅を狙っ2人組の泥棒が現れるのだが、ケビンは様々なギミックを仕掛けて応戦していく。本作の大成功を機にコロンバスは、『ホーム・アローン2』(92)や『ミセス・ダウト』(93)など、ファミリー向けコメディ映画の名手としてその名を馳せる。

【写真を見る】「ホーム・アローン」も「ハリポタ」も生みだした、ハリウッド随一のエンタメ職人とは [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】「ホーム・アローン」も「ハリポタ」も生みだした、ハリウッド随一のエンタメ職人とは [c]Everett Collection/AFLO

そして1990年代末、当時世界的な大ブームを巻き起こしていたファンタジー小説の映画化プロジェクトが立ち上がり、スピルバーグら名だたる監督たちが候補に挙がるなかで監督に選ばれたコロンバス。生みだされたのは、もはや説明不要の『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)だ。コロンバスは続編の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)でもメガホンをとり、3作目の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)ではアルフォンソ・キュアロンにバトンを託し、自らはプロデューサーとして参加する。

プロデュース作『ナイト ミュージアム』も大人気を獲得しシリーズ化 [c]Everett Collection/AFLO
プロデュース作『ナイト ミュージアム』も大人気を獲得しシリーズ化 [c]Everett Collection/AFLO

“ハリポタ以後”の2000年代には、監督としてよりもプロデューサーとしての活躍が目立つようになったコロンバス。そのなかでも特にコロンバスらしさにあふれていたのは、やはりショーン・レヴィが監督を務めた「ナイト ミュージアム」シリーズだろう。異世界を舞台にしたファンタジー作品が台頭していた2000年代に、現実に存在する博物館で夜な夜な起こるイマジネーション豊かなストーリー。瞬く間に大人も子どもも虜にしてシリーズ化され、コロンバスの“エンタメ職人”としての才気が余すところなく発揮された。

王道のエンタメ映画を作り続けて40年。誰もが一度は彼の携わった映画を観たことがあるはず [c]Everett Collection/AFLO
王道のエンタメ映画を作り続けて40年。誰もが一度は彼の携わった映画を観たことがあるはず [c]Everett Collection/AFLO

近年ではNetflix製作の『クリスマス・クロニクル PART2』(20)で監督を務め、久々に“王道クリスマス映画”に回帰したと映画ファンを沸かせたコロンバス。これからの季節、家族みんなで観る映画に迷った時にピッタリなコロンバスの監督&プロデュース作の数々。『グレムリン』や『ホーム・アローン』、そして『ハリポタ』と、何世代にもわたって愛され続ける傑作を、配信やDVDでたっぷりと楽しもう!

文/久保田 和馬

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